24 秀丸のウィンドウ設計──西谷モデルのツールバー

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 さて、わたしが独自に割り付けているのは、「ファイル系」からは「名前を付けて保存」「カーソル位置への読込み...」「全保存終了」である。「名前を付けて保存」は通常「Shift+Ctrl+S」というショートカットキーが与えられているが、他のアプリケーションからデータを取り込んだり、新規ファイルにコピー&ペーストしたときなどにあると便利なコマンドである。「カーソル位置への読込み...」は他のファイルからデータをカーソル位置に追加したり挿入したりするのに便利である。「全保存終了」は複数の秀丸ファイルを編集したあとに、一括で保存と終了ができるので便利である。ファイルがひとつの場合でも有効なのがポイント。エンコードにかんするものとしては「日本語(Shift-JIS)」(Alt+S)、「改行=CR+LF」(Alt+W)、「Unicode(UTF-8)」(Alt+U)、「改行=LF」(Alt+X)があり、Shift-JISファイルとUnicodeファイルに相互変換するときに簡単であるが、これはアイコンがないのでツールバーに文字表示しかできないという不都合があるため、上記のように「キー割り当て」をおこなう。(*)
 つぎに「カーソル移動系」からは「最後に編集した所」「マーク一覧...」「現在行をマーク/マーク解除」「マーク行の下検索」を同様に割り付けている。「最後に編集した所」はカーソルを動かした場合に、直前の編集行為(入力、修正、挿入、削除など)の場所を確認するときに役に立つ。また「マーク一覧...」「現在行をマーク/マーク解除」「マーク行の下検索」はのちに紹介する「マーク行」のジャンプ効果のさいに必要なコマンドである。なお前2つのコマンドはわたしは頻用するので、別途にキー割り当てでそれぞれ「F12」「F11」をあてている。
「クリップボード系」からは「追加コピー」と「追加切り抜き」を追加したい。これは秀丸独自の便利なコマンドと言っていい。コピー&ペーストあるいはカット&ペーストするときに、ある文字列をコピーまたはカットしたあとに、そのままこのコマンドで他の部分をコピーまたはカットしてペーストすると、最初の部分と追加した部分がセットになってペーストできるというコマンドで、これは使い慣れると非常に便利である。
「削除系」で便利なのは、「カーソルより後ろを削除」「カーソルより前を削除」であるが、これには、後述するように、別のファンクションキーを割り付けてあるので、ここでは必要としない。コマンド名が長いのも都合がよくないからである。
「その他編集」ではなんと言っても「再読み込み」が重要である。別の場所、別のパソコンで同一ファイルを継続的に編集したりするような場合、開いているファイルにたいしてより新しいファイルを置き換えたときなどに、この「再読み込み」コマンドを使うと、わざわざファイルの再起動をする必要がない、という点で便利なのである。
「ウィンドウ系」では「他の秀丸エディタと内容比較」「同時スクロール」コマンドを追加する。これは同じファイル名の複数のファイルが存在する場合、その内容を比較してカラー表示するコマンドであり、複数の比較ファイルを次の差異部分へむけて同時にスクロールさせるコマンドである。編集者には必需のコマンドであると言えよう。また「タブモード」コマンドも追加しておくと、複数の秀丸ファイルをタブとして統一するか、タスクバーでそれぞれ独立して操作するかを切り替えることができる。同時操作している秀丸ファイルが多いときにはタブモードに、少ないときにはこれをオフにするのがよいだろう。
「挿入系」「検索系」「メニュー/マクロ系」「その他」には重要なコマンドはあるが、ツールバーに割り付けなければならないものはとくにない。ほかで代用できるからである。
 しかし、ここでは念のために、ここまでに触れたコマンド以外で重要と思われるもの、ひとによってはツールバーに割り付けてもいいものを以下に列挙しておこう。ここにはデフォルトのショートカットキーか、暫定的にわたしが「キー割り当て」で割り付けてあるショートカットキーも説明抜きで追加しておく。
「ファイル系」:「印刷」(Ctrl+P)
「カーソル移動系」:「ファイルの先頭」(Ctrl+↑)、「ファイルの最後」(Ctrl+↓)
「クリップボード系」:「すべてを選択」(Ctrl+A)
「削除系」:「カーソルより前を削除」(F7)、「カーソルより後ろを削除」(F8)
「挿入系」:なし
「その他編集」:「やり直しのやり直し」(Ctrl+Y)
「検索系」:「置換」(Ctrl+R)、「grepの実行」(Alt+G)
「ウィンドウ系」「メニュー/マクロ系」:なし
「その他」:「前の操作のくり返し」(F2)、「秀丸エディタヘルプ」(F1)

(*)この変換のさい、「エンコードの切り替え」のところで「内容を維持したまま適用」を選ぶほうが無難である。

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このページは、未来社が2010年9月24日 00:35に書いたブログ記事です。

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