6 「新文化」での『出版文化再生――あらためて本の力を考える』紹介をきっかけに

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「新文化」2011年12月15日号で未來社60周年の記念社史『ある軌跡──未來社60年の記録』刊行の紹介とともに、わたしの『出版文化再生――あらためて本の力を考える』が紹介された。記者は新文化通信社の芦原真千子さん。昨年の沖縄写真家シリーズ〈琉球烈像〉の企画を〈ウチのイチ押し〉欄で紹介してくれたひとだ。
 今回は『出版文化再生』に「新文化」に寄稿した2本の文章を収録させてもらう依頼のさいに取材とインタビューの約束がなされていた。この本の元になったPR誌「未来」の連載[未来の窓]が出版界のピークを過ぎた1997年から開始され、「下降線を辿り、多くの問題が噴出した時期と重なる」ことを指摘している。さらに「それらの問題について、多角度から見た率直な物言いの論評を加えてきた。その集積である本書は、直近15年の出版小史であり、出版界が直面した問題や出来事の本質を明らかにする評論集でもある」と書いてくれている。また「鈴木書店の倒産直前、著者(わたし)がトーハンに買収交渉に出向いたことなど、当時は書けなかった幾つかの事実を、出版史上のエピソードとして初めて明かした。刊行後、一読すべき書として業界から注目されている」とも書かれている。
 今回は60周年記念として著者、出版社、取次・書店などにセットで送らせてもらったが、とてもいい感触のお返事やお礼状などをもらって、おおいに勇気づけられている。やはり無理をしてでも刊行してよかった。
 また小社のホームページで『ある軌跡』60年版と『出版文化再生』のプレミアムセット販売の案内をしたところ好調な反応にくわえて、「未来」購読者へ向けて60周年記念フェアとして三十点ほどの書籍の割引販売と1万円を超える場合には『ある軌跡』を無料進呈する案内を送ってみたところ非常に多くの注文があり、驚いている。
 小社が業界人や読者にたいしてひさびさにアピールできたことは、今後の出版活動のうえでもひとつの転機になりうるのではないかと、力を矯めているところである。なにしろ出版はそれ自体が闘争なのであるから(本書のオビの文句より)。(2011/12/17)

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未来の窓 1997-2011

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