偏執的編集論7:編集タグのいろいろ3

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 さて、あとは一般的な割付けのパターン処理である。
 すでにこの連載一回目の「3」で見出し類のタグの説明をすませたが、活字サイズの指定には、文中の文献注とか補注の類にほどこすべき小活字化というタグが必要になることが多い。たとえば本の発行年とか、ことばの説明(しばしば〔 〕で表示される)などは<S1>......</S1>で指定する。わたしはこれを10級で指定することが多い。これが二段階あるような場合には<S2>......</S2>を使うことも可能である。
 つぎに連載二回目の「4」では引用、エピグラフ、扉類、改丁・改頁の指定などについても説明した。さらにその「5」と「6」でルビ、傍点、外国語特殊表記などを説明した。
 残るのはもはやそんなに多くないからご安心を。イタリック、ゴチックについてはHTMLタグと同じで、<I>イタリック文字列</I>、<G>ゴチック文字列</G>とすればよい。半角算用数字二桁の場合、これを全角に変えると縦に並んでしまうので具合が悪い。縦中横という言い方があるが、縦組みで二分数字を横に並べたいときには【 】ではさむようにすればよい。【12】といった具合である。同じように時計数字(ローマ数字)の場合も原則として半角のIとVとX、さらにはLとかCを組み合わせて使うが、これも単独のI、V、Xのみは全角でいいが、それ以外は半角で組み合わせて【 】でつつめば、印刷所では縦に組んでくれる。もっとも欧文文献などで出てくるときは、当然ながら、横組みなのですべて半角でなければならず、【 】は不要である。
 注意しなければならないのは、時計数字をできあいの文字(たとえば「Ⅲ」など)を使うとOSの違いで文字化けすることが多い。これは文字コードの違いによるからである。原則的にこれらの文字はつかうべきではない。同じことは丸付き数字についても言える。①とか②というものだが、これも○1、○2に変換したい。
 これらはたとえば、秀丸マクロ上では
 replaceallfast "Ⅱ","【II】",inselect,regular;
 replaceallfast "Ⅲ","【III】",inselect,regular;
 <S1>(以下略)</S1>
 replaceallfast "①","○1",inselect,regular;
 replaceallfast "②","○2",inselect,regular;
 <S1>(以下略)</S1>
でという構文で変換できるし、
 sedスクリプト上では
 s/Ⅱ/【II】/g
 s/Ⅲ/【III】/g
 (以下略)
 s/①/○1/g
 s/②/○2/g
 (以下略)
で変換できる。これらをそれぞれ一括処理するためのツールは「時計数字の修正.mac」、「丸付き数字の修正.mac」、および「表記・表現の間違いを一括修正する.SED」として未來社ホームページの「アーカイブ」ページ(http://www.miraisha.co.jp/mirai/archive/)に「秀丸マクロ集」「SED用スクリプト一覧」として早くから公開している。面倒な作業を簡単に一括処理できる。すでにかなりの閲覧数になっているので、利用されているひとも多いと思うが、このさいあらためて紹介しておく。ただしWindows上では秀丸エディタ、Macintosh上ではSedMacというアプリケーションが必要で、これらもさきほどの「アーカイブ」ページからダウンロード可能である。ただし秀丸エディタはシェアウェア(安いが有料)であることはお断わりしておく。

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