47 「マーク」という超優れものジャンプコマンド

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 ある大きなテキストファイルを継続的日常的に操作している場合、よくあるのは基点となるべき特定の行に必要に応じてジャンプできるようにしたいという事情が生じることである。本で言えば、現在読んでいるページやそれに対応する目次や注のページなどにしおりを挟んでおくようなものである。これをエディタ上では「マーク」と呼び、その該当する箇所(行全体)にこのマークを付けることによって、このマーク箇所を一覧から呼び出し、カーソルをそこへ一気に移動させることができるのである。
 長いファイルや構成的なファイルを構築(執筆・編集)しているときなど、たえずこのマーク機能を使ってページをすばやく移動させたり戻ったりすることができる。前項で挙げた「行頭に移動」「行末に移動」「論理行頭に移動」「論理行末に移動」「ファイルの先頭」「ファイルの最後」のように一般的なカーソル移動とは異なり、このマークはファイル作成者に固有のものであり、自由に選択し削除することができるものである。わたしなどは自分の年間の日録のように1メガバイト以上になるような巨大なテキストファイルや、いま書いているこの原稿のような全体の構成を同時に進めていく必要のあるようなテキストファイルにこのマーク機能を欠かせないものとして利用している。これを使わないと必要な箇所を見つけるために手間がかかってしまい、甚だ効率が悪いことになる。この機能を構成するコマンドは、カーソルのある行に「マーク」を設定または解除するコマンドと、マーク行の一覧を表示するコマンドである。これは非常に必要度の高いコマンドであるので、できるだけ簡単なキー割り当てをすべきである。
 秀丸ではこれらのコマンドにキー割り当てさえされていない。そこで以下のようにキー割り当てを設定する。
 マーク一覧:F11(デフォルトでは「行番号表示/非表示」)
 現在行をマーク/マーク解除:F12(デフォルトでは「アウトライン解析」)
 操作の方法は、マークの必要な行の左端にカーソルを動かしてF12キーを押すとその行がマークされる。それを繰り返して必要なマーク設定をすれば、それらの箇所はF11キーを押すと現われるマーク一覧に表示される。そこにはファイル名と行数(論理行数)も表示されている。
 今度は逆に、F11キーを押してマーク箇所の一覧を呼び出し、その一覧のなかから該当するマーク箇所をダブルクリックするか選択して「移動」ボタンを押す(優先的に「移動」が選ばれているのでマークを選択してEnterキーを押すだけでもよい)と、その箇所にジャンプする。このマーク一覧で特定の行を選び削除したり「全てクリア」(全削除)することもできる。(*)また、複数のファイルでマークを付けることもできるので、マークのあるファイルのどれかを開いている状態でこのマーク一覧を呼び出すと、別のファイル名とその行数も表示されるので、それをダブルクリックすると、そのファイルを開くと同時にそのマーク箇所にジャンプする(一種のタグジャンプ)ことができる。
 同じことはQXエディタでもLightWayTextでも言えることだが、まずQXエディタでは「カーソル行にマーク設定または解除」コマンドに「Ctrl+F2」が設定されており、「マーク行一覧」には設定がない。これを秀丸と同じようにF12とF11キーのキー定義設定をしなければならない。(**)同じように、LightWayTextでも「マーク設定」には「Ctrl+M」が設定され、「マークリスト」は設定されていないので、これも変更・設定する。LightWayTextではこのマークリストは「検索」メニューの「マークリスト」の下にマーク名とともに登録されるので、ここからのジャンプも可能となる。そのためにはマーク設定のさいにマーク名を登録する手間がかかる。なお、このマークリストはQXでは保存されるが、LightWayTextではアプリケーション終了とともに消えてしまうのが致命的な弱点だ。

(*)秀丸ではこのマーク一覧を記憶することができるので、パソコン再起動後にも再利用できるが、機種が変わってその間にファイルに変動があると、このマークがずれてしまうという問題がある。その場合、F11でマーク一覧を呼び出し、マーク箇所にジャンプさせてF12でマークを解除し、移動先にカーソルを動かして再度F12でマークし直す必要がある。マークがずれないようになるとありがたいので、改善をお願いしたい。
(**)「41 テキストエディタにおけるファイル操作の基本1」で既述したQXのキー定義設定の方法を参照してほしい。

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このページは、未来社が2011年8月20日 22:48に書いたブログ記事です。

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