2011年6月アーカイブ

 秀丸のキーカスタマイズのためには「その他」メニューから「キー割り当て」をまず選択する。すると開かれるダイアログには左側に「キー」の一覧が並び、その下に「Shift」「Ctrl」「Alt」のチェックボックスがあり、さらに「キー割り当て拡張」のチェックボックスもある。右側には「コマンド」一覧があり、これらは最上部にあるプルダウンメニューを選択することによって系列ごとのコマンドを呼び出すことができるようになっている。ちなみにこのプルダウンメニューには「ファイル系」「カーソル移動系」「クリップボード系」「削除系」「挿入系」「その他編集」「検索系」「ウィンドウ系」「メニュー/マクロ」「その他」の9種類ある。
 通常は左側のキーのどれかを選択すると、デフォルトで選択されているコマンド名が呼び出されることになっている。たとえば「F1」キーをクリックすると、「その他」コマンドのなかの「秀丸エディタヘルプ」が反転表示され、「F1」キーがこのコマンドに割り当てられていることがわかる。「Shift」「Ctrl」「Alt」のどれか、またはそれらの2つ以上にチェックを入れると、デフォルトで設定されているキー割り当てのリストが表示される。このなかにはたとえば「F2」キーのようになにも割り当てられていないものも表示されている。
 まずは、こうした割り当てがまだなされていない空きキーを利用して自分が使いやすいコマンドを割り当てることが手っ取りばやい。
 つぎにするべきことは、すでに割り当てがなされているが、あまり有効でないと思われるものを変更してしまうことである。たとえば「F3」キーには検索のさいの「下候補」コマンドが割り当てられているが、「F4」キーには「(標準の動作:次の結果)」などというわけのわからないコマンドが割り当てられている。これなどは「F3」キーとの関連で「F4」キーに「上候補」コマンドを割り当ててしまえば、検索などのときに都合がいい。ちなみにデフォルトでは「上候補」コマンドは「Shift」+「F3」が割り当てられている。検索するさいに上候補を見るためにわざわざ「Shift」キーを押しながら「F3」を同時に押さなければならないのは面倒である。こうしたキー割り当てを変更するには、「F4」キーを選択しておいて、右側のコマンドでプルダウンメニューの「検索系」~「上候補」を選択し、「OK」ボタンを押せばよい。
 以上、こんなふうにキーを選択してはコマンドを指定していくのである。なお、こうして変更されたキー割り当てを自分流に使いこなすには、右側の「保存」ボタンをクリックし、開かれる「キー割り当て保存」でキーカスタマイズのファイル保存ができるので、たとえば「nishitani.key」とでも保存すればファイル一覧に保存される。このファイルは通常はCドライブのなかの「ProgramFiles」フォルダの「Hidemaru」フォルダに保存される。このファイルはどこにでも持ち運べるので(ファイルだから当然だ)、このキーカスタマイズファイルを移動先の「Hidemaru」フォルダにコピーし、「キー割り当て」ダイアログの右側にある「読込み」をクリックして開かれる「キー割り当て読込み」から自分用のキーカスタマイズファイルを選択し「OK」をクリックすれば、このカスタマイズされたキー割り当てがただちに実現するというしかけだ。またこのキー割り当てを一覧表示したりプリントアウトすることもできる。その場合は右側の「一覧表作成」ボタンをクリックすると「key.txt」として開かれるので、これを保存(「西谷KEY.txt」などと別名保存)したり印刷すれば、自分のキーカスタマイズがどうなっているかを確認することができるので便利である。
 以下、このキー割り当ての実際を具体的な場面を設定して説明していくことにしたい。機械的なキー割り当てを説明しても、その有効性の実感がないところではあまりおもしろくないだろうからである。(*)

(*)このキーカスタマイズファイルは参考のために「nishitani.key」として未來社ホームページ(http://www.miraisha.co.jp/mirai/archive/)にアップしておくので、ダウンロードして使ってもらっていい。
 ここまで秀丸の動作環境の設定やファイルタイプ別の設定についてページを割いてきた。実際に秀丸を使ってさっそくにも仕事にかかりたいと思われる向きにはややまどろっこしく見えていただろう。しかしここまでは秀丸を使いこなすにあたって不可欠な準備作業だったので、必要におうじてさかのぼって確認してもらえばよい。
 ここから先は秀丸で原稿書き、原稿整理などひろい意味での編集作業をおこなうにあたって、より具体的な操作であるキー操作にかんするさまざまな技法について述べていきたい。
 その最大の問題は、キーコマンドだけで仕事を進められるようにするにはどうするかという問題である。もちろん最小限のマウス操作は避けられないにせよ、プロとしてほんとうに上達するためには、できるだけキーボードから指を離さずに原稿処理ができることが効率的であるばかりでなく、工夫をこらすことによってはるかに楽に仕事が進められることをよく理解する必要がある。そのためには秀丸にかぎらず、OSが標準的に用意しているキーコマンドがあり、さらに秀丸やテキストエディタそれぞれがデフォルトで用意しているさまざまなキーコマンドがあるので、それらを覚えてしまうことである。そしてそれらに習熟してしまえば、それ以外のキー操作にたいしても新たにキー設定をすることができる。また、すでに設定されているキーコマンドでも自分の使いやすいように設定し直すことももちろん可能である。これを「キーカスタマイズ」と呼ぶ。
 慣れてしまえば、これらのキーコマンドを使い分けていくことによって、格段の効率アップが実現するのであり、使い勝手もますます向上し、快適に仕事ができることとなる。多くの高機能エディタにはこうしたキーカスタマイズの自由が与えられている。そのなかでも秀丸の自由度は群を抜くものがあるので、以下に秀丸をモデルに具体的な入力・編集場面に即してキーカスマイズのさまざまを順次お知らせしていくことにしたい。
 そのまえに、キーカスタマイズをどうやって実現するのかという方法を見ておこう。

 秀丸のファイルタイプ別の設定にかんする記述もそろそろ終りにしなければならない。「アウトライン」設定はファイルを折りたたみにしたり、見出しバーを付けたりする設定であるが、正直いってわたしには意味のある設定とは思えない。「部分編集」というのも通常のファイル状態で十分にできる作業なのではないかと思う。もしわたしに重大な見落としがあるなら、ぜひこの設定にかんする情報を教えてほしい。
 最後の「その他」設定にはいくつか重要な設定がある。まず「開く時のかな漢字変換の制御」では通常の日本語入力を前提にするなら「かな漢字変換状態にする」にチェックを入れておけば、秀丸ファイルが開いたときにすぐかな漢字変換モードで入力が可能になる。
 次に「その他」設定の左側の「+」をクリックすると下位設定が開く。そのなかの「単語補完」はとくに設定をしないでもとくに不具合はない。「保存・読込み」で「エンコードの種類の指定」は「自動判定」(文字コード)と「自動」(改行コード)にしておいてよい。「保存するときの変換」では「タブ・空白の変換」は「変換なし」が通常だが、「保存するときに行末の空白を除去する」にはチェックを入れておいたほうがいい。うっかりスペースを入れて改行したような場合、その空白を削除して保存してくれる。「バックアップファイルの作成」はチェックを入れておこう。「詳細」ボタンをクリックすると、「動作環境」の「ファイル」設定~「保存」で設定したダイアログが開くが、もしここで設定ができていないようなら、既述の「28 秀丸のバックアップファイル保存設定」を参考に設定してほしい。

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