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書籍詳細

グレアム・ウォーラスの思想世界

来たるべき共同体論の構想

グレアム・ウォーラスの思想世界

定価:本体5,800円+税

ISBN:978-4-624-30119-4

発行日:2013年3月25日

判型:A5判上製

ページ:414

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平石耕

ジャンル : 政治・法 >> 政治学・政治理論

産業化、都市化の果て、国家、個人をも関数として組み込み膨張する〈巨大社会〉に対し、現代政治学の祖・ウォーラスはいかに共同体の再構築を図ったのか。現代におけるネオリベラリズム、サンディカリズム、コーポラティズム、そしてシティズンシップを考察する理論枠組となりうる、政治学をはるかに超えたウォーラスの思想的射程を明らかにする。

目次

序 章
 I 視座の設定
 II 先行研究の状況
 III 本書の構成
第一章 初期ウォーラスの社会主義論
 I 序
 II 初期ウォーラス社会主義論の三つの淵源
  1 社会経済的背景
  2 精神的背景
  3 知的装置としてのアリストテレス
 III フェビアンによるマルクス主義批判
  1 革命思想とマルクスからの影響
  2 革命は望ましいか
  3 革命は必然か――価値論の問題
  4 ウォーラスによるマルクスやウィックスティードの価値論の評価
 IV 経済論
  1 三レント理論
  2 経済論に対するアリストテレスの影響
  3 生き方としての社会主義と「三レント理論」
 V 政治論
  1 意識改革の是非
  2 フェビアンの社会民主主義論
  3 ウォーラスに見られる社会民主主義論的理解
  4 多数者支配としての社会民主主義論が抱える問題――ウェッブとショウの議論
  5 政治論に対するアリストテレスからの影響1――多数者支配の問題
  6 政治論に対するアリストテレスからの影響2――民主主義の意義
 VI 倫理論
  1 政治思想の基盤としての倫理論
  2 倫理論におけるアリストテレスからの影響
  3 社会性と社会有機体
  4 芸術と教育とによる社会性の涵養およびアリストテレスの影響
 VII 小括
第二章 ウォーラスの英国史研究と歴史認識
 I 序――歴史家としてのウォーラス
 II 歴史認識と英国史研究の主題
  1 背景としての社会発展論
  2 ウォーラスによる社会発展論批判と歴史における人間理念の役割の強調
  3 英国史研究における四つの主題
 III 福祉の歴史的変遷――救貧法と公教育
  1 救貧法
  2 公教育
 IV 行政・統治組織の歴史的変遷――教区と学務委員会
  1 二つのシラバスから窺われるウォーラスの視角
  2 教区
  3 学務委員会
 V 英国における民主化の歴史
  1 議論の背景
  2 国民的運動としての民主化
  3 民主化指導者の精神の在り方
  4 プレイスに見る改革家の精神的在り方
 VI 小括――ウォーラスにおける英国史研究の意図
第三章 世紀転換点におけるウォーラスとフェビアン
 I 序
 II ボーア戦争と帝国主義の問題
  1 ボーア戦争におけるフェビアン協会の対応
  2 ウォーラスの立場
 III 教育改革の問題
  1 問題の状況
  2 フェビアン指導部および多数派の立場
  3 ウォーラスの立場
 IV 関税改革の問題
  1 問題の状況
  2 フェビアン多数派の立場
  3 ウォーラスの立場
 V フェビアン指導部とウォーラスとの思想的亀裂の淵源
  1 フェビアン的思考様式――共同体の強調と意識的管理
  2 フェビアン的思考様式のもつ欠落――大英帝国の意義に関する二つの理解
 VI ウォーラスにおける世界志向的な観点
  1 世界の一体化と「世界倫理」の必要性
  2 何を「世界倫理」とするべきか
 VII 小括
第四章 「巨大社会」のための政治思想の構想
 I 序
 II 後期ウォーラス思想の理論的枠組
  1 「巨大社会」の出現とその問題性
  2 合理的人間像とスペンサー的人間像とに対する批判
  3 人間性と環境
 III 「国内的協働」の実現
  1 同意の重要性
  2 社会経済問題の位置づけ
  3 政治論1――問題の焦点
  4 政治論2――代議制民主主義と専門家
  5 政治論3――職能団体理論の問題
  6 政治論4――ウォーラス自身の政治制度の構想
 IV 「世界的協働」の実現に向けて
  1 「世界的協働」の必要性
  2 国民国家の絶対性に対する批判
  3 第一次世界大戦に対する評価
  4 大戦後の国際秩序に関する構想
 V 思考・判断の問題
  1 後期ウォーラス思想における思考論・判断論の背景
  2 理論・科学と価値判断との間の問題
  3 ウォーラスの思考論・判断論――予備的考察
  4 ウォーラスの「思考」の概念
 VI 小括
終 章

著者略歴

平石 耕(ひらいし・こう)
1972年生まれ。1996年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。2000年、University of Cambridge, M. Phil in Political Thought and Intellectual History修了。2004年、成蹊大学大学院法学政治学研究科博士後期課程修了。政治学博士。早稲田大学政治経済学術院助教(2008-10年)を経て、現在、成蹊大学法学部政治学科准教授。西洋政治思想史専攻。論文に、「現代英国における『能動的シティズンシップ』の理念――D・G・グリーンとB・クリックとを中心として」(「政治思想研究」第9号、2009年)ほか。共著に、『政治の発見3 支える――連帯と再分配の政治学』(齋藤純一編著、風行社、2011年)。