宮本常一著作集第48巻 林道と山村社会
定価:本体3,800円+税
ISBN:978-4-624-92448-5
ISBN[10桁]:4-624-92448-7
発行日:2006年11月30日
判型:B6判上製函入
ページ:370
Cコード:C0339
宮本常一 著
田村善次郎 編
シリーズ : 宮本常一著作集
敗戦直後から農村復興に全国を歩いた宮本常一は、一方で離島・山村復興にも力を注いでいった。昭和29年(1954)に林業金融調査会を組織し、43年まで全国200余りの山村の社会経済実態調査を実行している。そのなかで宮本は、山村民の生活向上の視点から林道の問題に取り組み、各地の調査結果にもとづく総合分析、問題提起を行なっている。今日なお廃村・過疎化の進む山村のあり方を見るとき、本巻収録のその各篇に示された提言の意味は深い。
凡例
I 林道
はしがき
一 林道の意義
二 国有林道の地元利用
三 伐採林業と林道
四 造林と林道
五 農村救済林道
六 個人(会社)林道
七 林道政策
八 林道布設にともなう諸問題
九 林道と森林組合、森林開発公団
II 林道とその効果
はしがき
一 高知県幡多郡十和村昭和地区
一 村の生産の変遷
二 林道改修経緯
(1)林道開通以前の山地の利用
(2)山林分割と炭焼き
(3)林道改修
(4)林道工事とその費用
三 林道のおよぼす影響
(1)工事費の地元負担
(2)林道の効果
(3)村の経済事情の変化
二 静岡県磐田郡水窪町
一 町の概況
二 林道開通以前の交通と産業
三 材木流送
四 白倉川林道開設と経費
五 林道のおよぼす影響
(1)林業経営の合理化
(2)輸送状況の変化と木材、林地価格
(3)林道の効用
(4)コミュニティセンターの形成
(5)奥地山村の変貌
(6)国有林関連林道
三 和歌山県西牟婁郡中辺路町栗栖川
一 産業の変遷と土地移動
二 人工造林の発展
三 林道の開設
四 林道の経済効果
五 林道に対する要望
四 林道事業に付帯するもの
一 林道の性格
二 林道と経営指導
三 売手市場の確立
四 森林組合の強化
五 戦後林道政策
一 回顧
二 林道対策と林道利用
付表
III 林道の投資効果
はしがき
一 林道開設の意義
一 安家川林道
二 白倉川林道
三 大道谷林道
四 五家荘林道
五 多目的林道
二 林道開設地区の経済基盤
一 奥地山村の経済状況
二 安家川林道区域
三 白倉川林道区域
四 大道谷林道区域
五 五家荘林道区域
六 奥地林道開設のおくれた事情
三 工事の規模と地元負担
一 幹線林道
二 支線林道
三 僻地林道の不合理性
四 資源
五 経済的効果
一 経済的効果の問題点
二 安家川林道
三 白倉川林道
四 大道谷林道
五 五家荘林道
結び
IV 林道開設と地域開発
一 後進地域の事実認識
一 行きどまりと通りぬけ
二 山地の産物
三 特別地域開発と山村民
四 奥地林道の効果
五 山村の宿命
二 後進地開発のヴィジョン
一 山地における道と産業文化
二 道の利用価値を高める
三 安住の地たらしめよ
解説 田村善次郎
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