宮本常一著作集第50巻 渋沢敬三
定価:本体4,800円+税
ISBN:978-4-624-92450-8
ISBN[10桁]:4-624-92450-9
発行日:2008年12月1日
判型:B6判上製函入
ページ:456
Cコード:C0339
宮本常一 著
田村善次郎 編
シリーズ : 宮本常一著作集
実業家・渋沢敬三は、文化人であり、また優れた学問的オルガナイザーであった。「国境を意識しない学問と社会を作ることを夢見ていたのが渋沢の本当の姿であったと思う」という師、渋沢敬三を、物心ともに支えられ日本中を旅した民俗学者、宮本常一がつづる。
第一部 渋沢敬三 民族学の組織者
はしがき
第一章 渋沢敬三の世界
一 渋沢敬三が開いた学問
1 アチックミューゼアムの方針
2 民族学の“指揮者”
3 早川孝太郎と花祭の調査
4 実証の学としての民族学
5 共同調査と独自の研究
6 日銀副総裁時代
7 庶民生活資料の収集
8 九学会連合と二学会連合
二 渋沢敬三が育てた人材
1 中心を一歩退く
2 在野研究家の発掘
3 アチック出身の経済史学者
4 アチック出身の民俗学者
5 その他のアチック同人
三 渋沢敬三が残した文化的遺産
1 著作リスト
2 「絵引は作れぬものか」
3 日本最大の収集家
四 渋沢学の特質と現代的意義
1 資料採集と「探鉱」
2 生活のありのままをつかむ学問
3 生活構造全体の比較
4 文書資料の吟味
5 開かれた民族学をめざす
6 アチックの理念
7 概念的資料と生の資料
8 『日本魚名の研究』
9 日本人と魚類のかかわり
五 渋沢敬三と柳田国男
1 血縁関係
2 二つのエピソード
3 柳田への隠れた援助
六 財界人渋沢と学者渋沢
1 挫折した動物学者への道
2 蔵相就任と日本復興
第二章 渋沢敬三の生涯
一 渋沢敬三の少年時代
1 「日本資本主義の父」の直系
2 幼少時代
3 芸術家肌の父篤二
4 ジョン・ラボックの影響
二 アチックミューゼアム誕生まで
1 二高時代
2 アチックの開設
3 海外勤務
三 渋沢敬三とその友
1 中山正則
2 土橋喬雄・有賀喜左衛門・岡正雄
四 渋沢敬三と旅
1 東北・南島・花祭の採訪
2 中部・中国・四国を中心に
3 戦後の旅行
4 旅と渋沢学のかかわり
五 農民とのつながり
1 没落とにわか百姓
2 農業指導者たちとの交わり
3 「百姓の動きで日本の将来がわかる」
六 その晩年
1 衰えぬ学問への情熱
2 昭和三八年一〇月二五日
第三章 渋沢敬三の著作解題
一 総説
二 各論
1 アチックの成長
2 『豆州内浦漁民資料』序
3 所謂足半(あしなか)について
4 『民具問答集』まえがき
5 絵引は作れぬものか
6 所感
7 塩――塩俗問答集を中心として
8 式内魚名
9 延喜式内水産神饌に関する考察若干
10 テグス小史
11 日本広告史小考
12 西表島にて
13 九百二十五万六千人の心
14 ラテンアメリカ諸国を視察して
参考文献
補遺一 回想談による少年時代
補遺二 渋沢敬三の思想と学問
一 コンダクターとして育つ
二 資料発掘者として厳正な態度
三 ヒューマニスト
四 学者としての観察眼
五 物質文化の解明
六 塩と魚名についての構造的研究
七 『延喜式』の構造的・技術史的研究
八 絵巻物の研究
九 釣漁の技術史的研究
一〇 学問の体系的組織づくり
補遺三(削除分)
編者註
第二部 師を語る
一 渋沢敬三先生をしのぶ
二 偉大な後衛――渋沢敬三先生をしのぶ
三 渋沢先生との出あい
四 渋沢敬三先生と地方史研究
五 渋沢敬三先生と旅
六 渋沢敬三先生
七 渋沢敬三先生を偲ぶ
八 渋沢先生と九学会連合の調査
九 渋沢先生と私の上京
一〇 渋沢先生の御遺業
一一 渋沢先生と民具
一二 写真集『日本の民具』刊行案内
一三 渋沢先生の学問――貴重な遺産「日本常民生活絵引」の刊行
一四 常民文化研究のオルガナイザー・渋沢敬三
一五 アチックミューゼアムの歩み
一六 渋沢敬三――下積みへの温かい目――
一七 渋沢先生のパージ・ニコボツ時代
一八 『魚名集覧』のことから
一九 ナポレオン三世のブドウ酒
二〇 離島振興の先達 渋沢敬三先生
渋沢敬三年譜
付1 渋沢敬三著作譜
2 アチックミューゼアム(日本常民文化研究所)出版書一覧
編者あとがき 田村善次郎
初出一覧
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