詩的原理の再構築
萩原朔太郎と吉本隆明を超えて
野沢啓 著
定価: 本体2,800円+税 ISBN: 978-4-624-60125-6 発行日: 2024年4月1日
萩原朔太郎『詩の原理』と吉本隆明『言語にとって美とはなにか』という近代詩以降の二大理論書を徹底的に読み解き、その理論的問題点を剔出し、言語隠喩論的立場から根底的な批判をおこなう。吉本表出論の虚妄性を暴露し、その意識言語論的な意識の優位性でなく、詩的言語における言語の隠喩的創造性、世界開示性にもとづく先行性を主張し、「言葉があつて、詩人が生れてくる」という朔太郎の詩の原理を確認する。『言語隠喩論』『ことばという戦慄――言語隠喩論の詩的フィールドワーク』につづく言語隠喩論三部作の完結篇。
生まれ変わってもピアニスト
山根弥生子自叙伝
山根弥生子 著
定価: 本体2,400円+税 ISBN: 978-4-624-71104-7 発行日: 2025年3月17日
『ベートーヴェン研究』(1976年、鳥居賞〔現サントリー学芸賞の前身〕を受賞)で知られる音楽評論家の山根銀二(1906-1982)を父にもち、幼少期から音楽的環境のなかに育った著者は戦前・戦中の苦難を乗り越え、18歳でパリ国立音楽院へ留学し、チューリッヒ、ベルリン、モスクワなどにも留学し、腕をみがく。1960年に帰国して本格的に日本デビューを果たしたあとは、国内外で多くの演奏旅行、レコード録音などをおこなう。妹比奈子はソプラノ歌手。本書はそうした長い経歴をさまざまなエピソードをまじえながら書き記した自叙伝。日本の音楽史の一面を鮮やかに語りつくしている。