日録2017年7月
日録2017/7/31(月)
掲載日:2017年7月31日
*大江健三郎『沖縄ノート』(岩波新書) VI章の途中以降を読みつぐ。演劇集団『創造』の戦いが、内なる沖縄戦の体験を踏まえて持続的な活動をしてきたことが紹介されている。それに対置される《本土からの、およそ犯罪的なほどに鈍感な、沖縄残酷物語の収集家》(167ページ)ということばに大江さんの怒りが見てとれる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*新井高子さんにtel(留守電)。きのう受け取った『東北おんば訳 石川啄木のうた』の原稿は表記を修正したWord原稿を戻すので、それから榎本さんに再入稿してほしいと伝える。~榎本了壱さんからE-mailですこし遅れそうとの連絡。~はじめに、おんば訳の魅力、おわりにの修正案をWord原稿で赤字入れ+赤マーク付け。E-mailで新井さん、榎本さん、蛭田恵実さんに添付ファイル送付。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*ゆうちょダイレクト、東京都民銀行インターネットバンキング、みずほeビジネスサイトにアクセス。振込み、住民税の一括納付の手続き。
*出版デジタル機構よりE-mailで5月分の支払い通知。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。直販売上げ、リース料、書店売上げ、長期借入金返済、通信費、ほか。出納帳(振替貯金)に記帳。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。眞方忠道「プラトン主義断想――滝久雄『貢献する気持ち』によせて」の4節~おわりに。この論文も読了。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*きのうのジュンク堂で『大阪の民話』『京都の民話』が各1冊売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1752冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが3冊、ポイエーシス叢書が2冊、内田義彦本が2冊、など。アマゾンでポイエーシス叢書が2冊、東松照明写真集『camp OKINAWA』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ通読+ファイル修正をつづける。「7章 正義のために世界が亡びるなんて本末転倒だ」の2節~3節を読む。この章もスミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第四部「ゲルマン世界」の「第三篇 近代」の「第二章 宗教改革が国家形成におよぼした影響」読む。へーゲルはフリードリヒII世を「哲学者の王」とし、《宗教上の論争がきらいで、論争の渦中にある見解のいずれにもくみしないフリードリヒは、精神の奥深さと思考の自覚的な力をしめす普遍性の意識がそなわっています》(346ページ)と高く評価している。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/30(日)
掲載日:2017年7月31日
*大江健三郎『沖縄ノート』(岩波新書) III章の途中以降を読みつぐ。大江は沖縄にたいする日本政府の〈中華思想〉的対応がいまにいたるもつづいていることを見抜いている。言うまでもなく、この本が書かれた以後のいま現在にいたるまでも変わらない日本人の根底に巣くうメンタリティであることに注意しよう。敗戦直前の沖縄戦で沖縄が本土防衛のための捨て石にされたように、いまもこの構図は変わっていないばかりか、支配政権を支える多くの日本人が沖縄差別に加担しているという端的な事実が教えるように、日々強化されているのである。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) 第四部「ゲルマン世界」の「第三篇 近代」の「第一章 宗教改革」のつづき~終り。→「読み書き日録」。
*壱岐梢詩集『一粒の』通読。奇をてらわないだけに好感のもてる詩集で、家族など大切なひととのかかわりを丹念にことばに写しだしている。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。加藤尚武マクロ.macの追加修正も。「7章 正義のために世界が亡びるなんて本末転倒だ」の対話部分~1節まで読む。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月5冊目売れ(累計85冊)、『埼玉の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1750冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが2冊、など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が14冊目(累計607冊)、『京都の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計620冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。眞方忠道「プラトン主義断想――滝久雄『貢献する気持ち』によせて」のはじめに~3節まで読む。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第17回を見る。
*新井高子さんよりE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』のおんば訳、エッセイ以外の最終原稿7本(目次、はじめに、凡例、おんば訳の魅力、お世話になった皆さん、催し一覧、おわりに)とどく。すべてダウンロード。このうち、はじめに、おんば訳の魅力、おわりにを印刷して通読。表記をすこし直せばこのままの〈あらたか節〉で進められそう。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
日録2017/7/29(土)
掲載日:2017年7月30日
*テレビで大リーグ、ヤンキース対レイズ戦を観戦。田中将大が先発。8回2安打1失点14奪三振の好投で8勝目。
*大江健三郎『沖縄ノート』(岩波新書) いまさらながら、読みはじめる。この本を読むときにあらかじめ認識しておかなければならないのは、この本が大江35歳のときに書かれ、また沖縄の日本復帰2年前に出版されたものであるということである。いまの沖縄と共通するところとしないところがあるということだ。《いくたびかの沖縄への旅行で、僕がもっとも愛するようになった人びとの、絶対的な優しさとかさなりあった、したたかな拒絶があるから、問題は困難なのだ。》(14ページ)まったくその通り。なお、大江に影響を与えた詩人で新聞記者として新川明の名前が出てくる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月7冊目売れ(累計99冊)、ジャック・デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が2冊目(累計238冊)、など。アマゾンで『中国山地 過疎50年』が6冊目(累計171冊)、『茨城の民話 第一集』『茨城の民話 第二集』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計619冊)、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。加藤尚武マクロ.macの追加修正も。「6章 オレステスの犯罪とその『止揚』」読む。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
日録2017/7/28(金)
掲載日:2017年7月29日
*「現代詩手帖」8月号、エミリ・ディキンスン特集。ひととおり目を通す。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。古田徹也「ピーパー『四枢要徳について』の要点と批評――滝久雄『貢献する気持ち』との関連において」読む。このままゲラにすることにし、天野さんに渡す。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*榎本了壱さんにtel。新井高子さんの『東北おんば訳 啄木の歌』の件でいろいろ。音源をQRコードでリンクする予定を伝える。組版は8月10日ごろにPDFでもらえそう。日本の民話の挿絵を見たことがきっかけでいまの仕事をすることになったとの話も聞く。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*未來社流通センターより月末入金予定(「66期取次入金票.xls」)とどく。~「取次入金一覧.ods」最新版、作成&印刷。
*きのうのジュンク堂で「[新版]日本の民話」シリーズが5冊売れ(累計1749冊)、など。アマゾンでハーバーマス本が7冊、など。→「twitter.com/twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ通読+ファイル修正をつづける。「5章 承認は契約の前提である」の2節~3節。これでこの章もスミ。以後の分の引用タグ、小活字化タグなどをざっと事前処理。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*萩原印刷の中山君よりE-mailで「[新版]日本の民話」シリーズ67-70巻のEPUB版をFTPサイトにアップしたとの連絡。~FTPでダウンロード。~返信E-mailでダウンロードをすませたと連絡。
*加藤尚武さんよりE-mailで著作集の追加原稿1本「確率論の哲学」とどく。29ページ分。4巻または5巻用。~返信E-mailで受取りの連絡。→「twitter.com/miraishajp」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第四部「ゲルマン世界」の「第二篇 中世」の「第三章 封建支配から君主制へ」読む。《封建支配は多頭制で、身分としては主人と奴隷がいるだけですが、君主制では、主人はいても奴隷はいない。奴隷制は君主制とは相いれないもので、君主制では人権と法が確立され、自由が現実のものとなるのです。》(289ページ)これはへーゲルの妄想でしかない。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/27(木)
掲載日:2017年7月28日
*「季刊 びーぐる 詩の海へ」36号、読みつぐ。~ようやく読了。あいかわらず充実した内容だが、八重洋一郎詩集『日毒』をめぐる山田兼士・細見和之対話はあまり感心しない。『日毒』が背景にしている沖縄(石垣島をふくむ)の思想・政治状況にたいする認識が物足りない。いつもながら現代詩人たちの関心が低いのを痛感する。たとえば沖縄における天皇制の問題にたいする批判の根深さ、天皇メッセージが遺した傷のいまにいたるも癒えていない痛みをどう考えているのか疑問だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。保険料、リース料、通信費、直販売上げ、現金預入、現金引出し、出版企業年金基金、厚生年金、書店売上げ、取次売掛金、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。秀丸マクロの修正も。「5章 承認は契約の前提である」の章のはじめの対話と1節まで、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*守中高明さんよりtel。3月にフランスから帰国。いろいろ多忙の様子。現代詩関連ふくめて第二次「走都」のことなど、近況いろいろ。→「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月4冊目(累計84冊)、ほかにシュミット本が2冊、など。アマゾンで『中国山地 過疎50年』が5冊目(累計170冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*丸善雄松堂の佐々木さんよりE-mail。紀伊國屋NetLibrary終了にともない、シリーズの一部を購入ずみのお客に「並行アクセス」の打診。
*野村喜和夫さんから近著をめぐる下北沢B&Bでのトークイベントの案内ハガキ。
*日本現代詩人会から総会通知。
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』読了。「終章 そして隠喩の問題に辿り着く」と「あとがき」を読む。書き下ろしのこの最後の章において、野村はこれまでの隠喩否定論から隠喩肯定派に転向している。1993年刊行のわたしの『隠喩的思考』まで掘り起こしてきて、《言語の本質的な隠喩性》(244ページ)に言及するにいたる。《隠喩とは……レトリックとしてのたんなる転義的比喩ではなく、そもそもの始めから言葉を言葉たらしめているところの、意味のゆらぎやずらし、そしてまた言葉と言葉の関係における内的な、あるいは微分的な差異の生成》(245-246ページ)であり、《言語をその発生状態において学び直すこと、それが隠喩の使用であり》(247ページ)と展開していく。「荒地」派に代表される〈戦後詩〉を隠喩的手法による隆盛から衰退にいたるものといった陳腐な解釈でなく、また北川透の『詩的レトリック』のような非本質的で狭く限定された技法的レトリック論でなく、詩的言語の本質論へ野村が踏み込んでくれたのはよい兆候である。それにしてもこのわたしを「ポストモダン期の詩論の書き手」と規定されちゃ困るんだけどな。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/26(水)
掲載日:2017年7月27日
*「詩遊」55号に目を通す。冨上芳秀「詩についてのメモ6」で第二次「走都」創刊号の批評。《以前、私は野沢啓の評論は高く買っていたが、詩はそれほどでもなかった。しかし、今度読むと詩も評論も自由な精神の羽ばたきがよかった。(……詩の引用あり……)私がこの詩を評価するのは、個性のない感想を述べる生活詩ではなく、豊かな知識と鋭い感性による世界認識があるからである。*で区切って、次々とテーマを移動させることで、読者を飽きさせないという自由な思考の展開である。いうまでもなく筆力と内容の魅力に少しでも揺るぎがあれば、この種の詩は失速してしまうのである。こうした思考に詩の作品を取り込むことで一つの宇宙を形作っている》とある。まあ、ちょっと気に入らないところもあるが、冨上よ、ありがとう。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武さんよりE-mailで著作集第3巻「ヘーゲルの社会哲学」収録用の連載「ヘーゲル入門」原稿とどく。~テキスト処理をしてページ数計算。110ページ分あることがわかる。今度は3巻が478ページになってしまう。~加藤さんにtel。4巻「よみがえるヘーゲル」の巻に入れることも可能。そうすると373ページになってちょうどよくなる。もう2、3篇探すものがあるとのことで、最後の調整はその後。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*新井高子さんよりtel。~おりかえしtel入れ。『東北おんば訳 啄木の歌』の書名の確認、音源をページに埋める件でいろいろ。8月10日に音源を取得に行く予定のこと。レイアウトほかの件は榎本さんと詰めることに。~のち、E-mailで俵万智さんのオビ文、振込先、本文PDF(仮)とどく。~萩原印刷・中山君より音源のQRコードのサイズは最小で11ミリ四方ということを確認。
*第一美創・菊地社長、挨拶に来社。近況いろいろ。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。「4章 譲渡があるから所有がある」の章、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。佐藤透「心のよさとは何か――『不生の仏心』と『もののあはれ』を手引きとして」の三節~五節。この論文もスミ。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*きのうのジュンク堂で『福島の民話 第一集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1744冊)、など。アマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月6冊目(累計121冊)、佐々木力『反原子力の自然哲学』が2冊目(累計25冊)などポイエーシス叢書が3冊、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』が1セット、[転換期を読む]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*Sergei Tcherkasski氏より『スタニスラフスキーとヨーガ』の売れ行き情報の問合せE-mail。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第一部/第2章/Le dehors et le dedansのつづき。Saussureの方法的限定、つまり言語学の研究対象を現代の音声言語に限定すること。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』の第9章、インテルメッツォ5、第10章を読む。《もとより詩は言語による言語の批判である。》(215ページ)《詩は、ある意味では、哲学の仕事が終わったところから開始される》(233ページ)いずれも突然の断言だが、あたっている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/25(火)
掲載日:2017年7月26日
*きのう中島吉弘さんから依頼のあった『梯明秀の物質哲学』10冊送付の件。~横山さんから送ってもらう。
*きのうのジュンク堂で木村友祐『イサの氾濫』が今月3冊目売れ(累計198冊)、『信濃の民話』『奈良の民話』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1743冊)、ほかにストラヴィンスキー『音楽の詩学』が2冊、石川真生写真集『FENCES, OKINAWA』など。アマゾンで中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が4冊目(累計5冊)、ジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が1冊目(累計92冊)、ほかに西谷能英『出版のためのテキスト実践技法/総集篇』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*未來社流通センターから届いていた13日以降の売上げ伝票のチェック。「66期月別売上げ台帳.xls」7月最新版、作成&印刷。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。佐藤透「心のよさとは何か――『不生の仏心』と『もののあはれ』を手引きとして」の二節まで読む。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*河野聡子詩集『地上で起きた出来事はぜんぶここからみている』通読。ユニークなレイアウトとコンセプトがまずなによりも特徴的だが、「代替エネルギー推進デモ」の連作40篇はとにかくおもしろい。日常のどんなものからもエネルギー転換できるという視点から、たとえば「おにぎり発電」なんてことをまことしやかに語って(騙って)みせる。そういえば、実際にドイツでは赤ちゃんのおむつから発電することが試みられた話があったが、そういう意味ではまんざらでもない想像世界が展開されている。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集第9巻の『バイオエシックスとは何か』本文51ページ、注4ページの仮ゲラ印刷。→「twitter.com/miraishajp」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。秀丸マクロの追加修正も。「3章 誰が私の身体を所有するか」の章、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*誠信書房の新保さんよりtel。4時に挨拶に来社したいとのこと。~のち、来社。人文会にかんして昔話いろいろ。西谷に関わりの深い「人文会ニュース」100号、108号を持ってきてくれる。いまは週3日だが、9月で完全に退社とのこと。
*加藤尚武さんにtel。著作集第3巻「ヘーゲルの社会哲学」の分が意外に少なかったので、「ちくま」に連載したものを追加するか確認中とのこと。既成の方針通りで「環境倫理学」「哲学史」の巻は大幅に削る予定、と。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*Raji. C. Steineckさんより『ホモ・コントリビューエンス』への収録依頼の承諾書とどく。
*トーハンより新役員人事の挨拶状。藤井・近藤体制は変わらず。
*東京TYフィナンシャルグループより役員就任挨拶状とどく。
*東京都民銀行春日町支店・朝倉支店長より新宿支店長に就任の挨拶状とどく。
*朝鮮大学校の位さんより『ある朝鮮人科学者の手記』を在日朝鮮人科学技術協会で編集、製本、頒布することの承諾書とどく。~捺印して返送。
*「詩遊」55号とどく。冨上芳秀が第二次「走都」創刊号についてなんだか書いている。
日録2017/7/24(月)
掲載日:2017年7月25日
*きょうは予定通り出社せず。
*東京琉球館の島袋さんより返信E-mailで請求すべき明細はのちほど知らせてくれる由。~E-mailで明細とどく。~了解の返信E-mail。領収書持参で引き取りに行くことに。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。清水正之「石田梅岩 『心を知る』学問と貢献」読む。このままゲラにすることにし、あす天野さんに渡す。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*中島吉弘さんよりE-mailで『梯明秀の物質哲学』代送10冊の追加依頼。~了解の返信E-mail。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月3冊目売れ(累計83冊)、『沖縄の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1741冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが2冊、加藤尚武『哲学の使命』など。アマゾン『中国山地 過疎50年』が4冊目(累計169冊)、など。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第四部「ゲルマン世界」の「第一篇 キリスト教=ゲルマン世界の諸要素」の「第一章 民族大移動」のつづき~「第二章 イスラム教」読む。《アラビア人の血縁者による復讐(仇討ち)は、家族の名誉がそこなわれたという感情にもとづくものですが、ゲルマン人が復讐におもむくことがないのは、共同体が個人の上にたつことがないからです。ゲルマン人が社会的関係をつくろうとする場合、自由の要素がなにより重視されるのです。》(217ページ)アラブの復讐心はたしかにすごい。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『石川啄木全集 第二巻 詩集』の「詩稿ノート」の「残花帳」の部。都からの「落人」として東北の新聞に書いた連載エッセイ。《故郷こそはげに我が世のいと安けき港なりけれ、わが舟そこに休らへば、人の情の海は深うして、なつかしき鄙言葉【ひなことば】のさゞめきの浪は子守歌の様におだやかに、……》(379ページ)→「読み書き日録」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第一部/第2章のLe dehors et le dedansのはじめ~。Saussure理論の検討からはじめるが、かれはエクリチュールに「狭く派生的な」機能しか見ていなかった。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ印刷+通読+ファイル修正をつづける。秀丸マクロの追加修正も。「2 友愛こそは自由であり平等である」の章、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
日録2017/7/23(日)
掲載日:2017年7月24日
*テレビで大リーグ、ヤンキース対マリナーズ戦を途中まで観戦。田中将大が先発。6回まで本塁打2発4失点。負けはつかず。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第四部「ゲルマン世界」のはじめ~「第一篇 キリスト教=ゲルマン世界の諸要素」の「第一章 民族大移動」の途中まで読む。《ゲルマン精神は新しい世界の精神であり、自由が無限に自己をあきらかにするところにうまれる絶対の真理を実現すること、いいかえれば、形式と内容が絶対的に統一された自由_¨そのもの¨_を実現することにあります。》(200ページ)第四部冒頭のことばだが、ちょっと自己過大評価じゃないの。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が最初の4冊目売れ、『伊勢・志摩の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1740冊)、など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が13冊目(累計606冊)、佐々木力『反原子力の自然哲学』が1冊目(累計24冊)、ジャック・ラングほか『ミケランジェロ』が1冊目(累計4冊)、ほかにハーバーマス『コミュニケイション的行為の理論』が1セット、スタニスラフスキー『俳優の仕事』が1セット、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*『小熊秀雄賞受賞詩集詩撰 しゃべり捲くれ』の序、新井高子、与那覇幹夫、ほかを読む。有志の努力によって賞が持続しているらしい。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』の仮ゲラ通読+ファイル修正をつづける。秀丸マクロの追加修正も。「1 へーゲルに『法哲学』なんてありはしない」の1節~3節。「1」の章、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第16回を見る。
*東京琉球館の島袋さんよりE-mailで本の精算と返品の件の問合せ。~返信E-mailで近日中に引き取りに行くと返事。
日録2017/7/22(土)
掲載日:2017年7月23日
*浜田優詩集『哀歌とバラッド』通読。追憶めいたセンティメントが全体を支配していて、自身かこの時代かどこか深い疲労が感じられてしかたない。哀歌がバラッドになろうがその逆であろうが、逃避ではなく抗うことだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」の「第三篇 帝制の時代」の第二章「キリスト教」のつづき~第三章「東ローマ帝国」読む。これで第三部、読了。《人間は人間自身が目的であり、内部に無限の価値をもち、永遠をめざして生きるものです。したがって、超感覚的な無限の内面世界が人間の故郷であり、そこにいたるには、ありのままな生活や願望と手を切り、そうしたものを自分の内面からたたきだすほかはない。》(186ページ)けだし至言だが、難題だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武さんよりE-mail2便できのう送った「加藤尚武著作集(全15巻)内容見本.txt」に削除と移動案を加えたデータとどく。~修正案を元データに反映。だいぶバランスがとれたが、まだまだ。9巻と12巻がそれぞれ2巻分あり。加藤さんにE-mail添付で新しいデータを送付。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのうのジュンク堂で『日本詞華集』など。アマゾンでジャック・デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が今月3冊目(累計303冊)、木村友祐『イサの氾濫』が12冊目(累計605冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが2冊、仲里効『フォトネシア』など。
*加藤尚武著作集第3巻の『へーゲルの「法」哲学』のテキスト処理をはじめる。秀丸マクロがうまく対応しないのでひさびさに秀丸エディタをv.8.73の64bit版にアップデート。最新版の「加藤尚武マクロ.mac」を走らせて一括処理。見出しタグなどもすませる。マクロの追加と修正も。とりあえず仮ゲラを印刷して通読をはじめる。「まえがき」~「1 へーゲルに『法哲学』なんてありはしない」のはじめの対話まで、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*新井高子さんよりE-mailで近況。『石川啄木、東北弁の海へ還る』の原稿はだいたいできたが、組版のルビの拗促音のところで手間取っている由。俵万智さんからオビ文が届いた由。
日録2017/7/21(金)
掲載日:2017年7月22日
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』の第4章~第5章を読む。レヴィナスの他者論とランボーの "Je est un autre" についての哲学まぶしエッセイ。→「読み書き日録」。
*丸善eBook Libraryの西田さんよりtel。紀伊國屋NetLibraryで購入したものを丸善でも見られるようにしたいとの依頼があるとのこと。詳細はE-mailでとのこと。
*加藤尚武著作集の『バイオエシックスとは何か』の仮ゲラ通読+ファイル修正、つづける。8節~14節。本文、読了。あとがき2ページ、スミ。これでこの本も終り。→「<読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*加藤尚武さんにtel。著作集全巻の収録予定ページ数の件で相談。とりあえず各巻の概算のデータをE-mailで送り、検討してもらうことに。『進歩の思想・成熟の思想』の丸山眞男論はデータが見つからず。手書きだった記憶があるとのことで、OCR読み込みでデータ作成することに。~「加藤尚武著作集(全15巻)内容見本.txt」を最終修正し、加藤さんにE-mailで送付。~『進歩の思想・成熟の思想』のデータ不足と大幅修正がほかにもあり、あわせてOCRにまわす。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのう書いた「詩的断章32」を読み直し、すこし修正していちおう完成。→「読み書き日録」。
*小林康夫さんよりtel。本郷まで来ているのであとで寄る由。~のち、来社。近況いろいろ。8月に入ったらいちど二子玉川あたりで呑もうということに。
*きのうのジュンク堂でスタニスラフスキー『俳優の仕事』、東松照明写真集『camp OKINAWA』、など。アマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月5冊目(累計120冊)、『イサの氾濫』が10冊目(累計603冊)、など。
*庄娜さんから返信E-mailで『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』の中国語版版権契約書を送り直してくれたことへのお礼。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第一部/chapitre 2 linguisutique et grammatologieのはじめ~。エクリチュールの学の問題設定。→「読み書き日録」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」の「第三篇 帝制の時代」の第2章「キリスト教」のつづき。《認識とは、意識にとってよそよそしい外部世界を否定し、主観が自己へとかえってくることなのです。》(168-169ページ)へーゲルにはこういうなにげない金言がこぼれ出るところがある。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/20(木)
掲載日:2017年7月21日
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」の「第三篇 帝制の時代」の第1章~第2章の途中。《罪なく楽園に生きるという境遇は、動物の境遇です。楽園は、動物なら踏みとどまれるが、人間はそこに踏みとどまることができない。動物は無自覚なまま神と一体化しているが、人間は自分を自覚する精神だからです。この自覚、この意識は、同時に、一般的な神の精神からの離脱でもあって、わたしが善と対立する抽象的自由に執着するかぎり、それこそがまさに悪の立場にたつことです。したがって、原罪は人間につきまとう永遠の神話であって、まさにそれによって人間は人間になるのです。》(166ページ)動物は無自覚なまま神と一体化しているというのは実感できるが、人間とはご苦労なものだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*庄娜さんから連絡のあった『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』の中国語版権契約書の日付変更をしたもの(8月1日)を再作成して2通を三聯書店に送り直す。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~庄娜さんに送付した旨の返信E-mail。
*水谷君から「人文会ニュース」の編集者のページで加藤尚武著作集の原稿依頼。3000~5000字、10月13日締切。
*イングリッシュ・エージェンシーの印税報告書27通を作成して返送。
*東京都民銀行ビジネスダイレクトにアクセス。きょうの出金(長期借入金返済)を確認。~みずほeビジネスサイトにアクセス。きょうの出金(長期借入金返済、ほか)を確認&印刷。取引先への振込み。貯蓄預金口座経由で、東京都民銀行インターネットバンキングにアクセス。入金を確認し、第一美創に振込み。~三菱東京UFJダイレクトにアクセス。取引先に振込み。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票。長期借入金返済、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月6冊目売れ(累計98冊)、木村友祐『イサの氾濫』が2冊目(累計197冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが4冊(累計1739冊)、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』が3冊、など。アマゾンでジャック・デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が2冊目(累計302冊)、『イサの氾濫』が9冊目(累計602冊)、ほかにシュミット本が2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。高橋文博「伊藤仁斎の仁愛の思想」の七節~十二節。この文、読了。このままゲラにすることにし、天野さんに渡す。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集の『バイオエシックスとは何か』の仮ゲラ通読+ファイル修正、つづける。7節、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*仲里効さんよりtel。仲宗根勇さんにそろそろ琉球憲法私案(F案)についての「季刊 未来」での論文を催促してみたらどうか、との提案。ダグラス・ラミスさんの近著に感心したが、知らないということで本を送ることに。島尾敏雄生誕100年をめぐる動きなど、近況いろいろ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*紀伊國屋書店電子書籍事業課の石井さんよりE-mail。電子書籍販売報告(2017年5月分)。菅江真澄全集が8冊売れた。
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』の「インテルメッツォ1」を読む。忘れていたが、小林康夫『歴史のディコンストラクション』刊行にちなんで依頼した原稿だった。こんなかたちで再会するとは。野村の「機会哲学」の本領発揮の文章だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*「詩的断章32」を書く。ちょっと講談調になっているかも。
日録2017/7/19(水)
掲載日:2017年7月20日
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』の第2章~第3章を読む。ハイデガー、ルネ・シャール、ツェランにわたしが編集したラクー=ラバルト、小林康夫の本をとりまぜて論じている。なかなかいい線いってるよ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*庄娜さんよりE-mail。『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』の中国語版権契約書の日付変更をしたもの(7月下旬以降)を再作成して送り直してほしいとのこと。前回1通だったので2通とも。
*朝鮮大学校のイムさんというひとよりtel。『ある朝鮮人科学者の手記』が品切れなので配布用にワープロで作成&印刷したものを作りたいとのことで、許可。いちおう書面で確認書のようなものを送ってくれるように言う。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、再開。高橋文博「伊藤仁斎の仁愛の思想」の六節まで。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*ホモコントリビューエンス研究所の菊池さんに返信E-mailで『ホモ・コントリビューエンス』の進行状況を伝える。8月上旬をメドに原稿を読み終わる予定、と。~菊池さんより返信E-mailでお礼。ある程度まとまったところで見せてほしいとのこと。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。著者売掛金+立替金+直販売上げ+送料、健康保険、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。~「印税・買上げ一覧.xls」「印税総元帳.xls」に増補と更新。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月5冊目売れ(累計97冊)、『伊豫の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1735冊)、ほかにポパー『開かれた社会とその敵』が1セット、など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が今月7冊目(累計600冊)、マーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が3冊目(累計187冊)、ほかに川満信一・仲里効編『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』の仮ゲラ印刷。本文280ページ、注23ページ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集の『バイオエシックスとは何か』の仮ゲラ通読+ファイル修正、はじめる。6節まで。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*共同通信の金子さんよりE-mailで仲宗根勇さんの紹介記事が35紙ほどに掲載された由。PDFを送ってくれる。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第一部第1章のL'e^tre e+'critのつづき~終り。第1章、読了。《へーゲルは_¨また¨_還元不可能な差異を思考するひとである。……書物についての最後の哲学者であり、エクリチュールについての最初の思考者である。》(p. 41. 拙訳)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『石川啄木全集 第二巻 詩集』の「詩稿ノート」の部のつづき。「江畔雑詩」の前文に啄木の故郷への思いがけぬ境地が見られる。都を去り、《今はあたゝかき愛の新苑に心の限り甘き慰めを呼吸するなり。》と。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」の「第二篇 第二回ポエニ戦争から帝制成立までのローマ」読む。《キケロが師と仰いだプラトンは、自分の目の前にあるアテネ国家が長つづきしないことを十分に意識していたから、自分の見解にもとづいて、完璧な国家体制の見取図を書きました。これに反して、キケロは、ローマの共和制が長もちできないなどとは考えなかったので、いつもその場かぎりの弥縫策をさがしもとめた。国家、とくに、ローマ国家の本質について、かれにはなんの意識もないのです。》(148-149ページ)これは痛烈なキケロ批判だ。《ローマの原理は支配力や軍事力に全面的に依拠するものです。内部に精神的な中心があって、それが目的や活動力や精神の満足につながるということがない。》《ローマ人がギリシャの各地からひきずってきた芸術作品は、かれら自身がつくりだしたものではなく、富も、アテネの場合とちがって、自分たちの勤勉さがうんだ果実ではなく、略奪してきたものでした。》(149ページ)とローマには厳しい。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/18(火)
掲載日:2017年7月19日
*きょうは出社せず。
*野村喜和夫詩集『デジャヴュ街道』通読。20代のときの着想、十数年後に書かれた詩篇をもとにさらなるモチーフの展開としてまとめられたという、この持続力には感心。野村の詩の生理的口唇的なとめどなさ、制御できない運動であるという特徴がよく出ている。たとえば〈おるよおれが、/住む巣〉〈ふらっ)蛇)いるな)〉はオルガスムスやフラジャイルを分解/結合するものだが、こういう言語の解体遊戯が口唇的な痙攣以外のどこにいきつくのかは、わたしの感知するところではない。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+仮ゲラ通読、つづける。「第十章 弁証法の成立根拠」の五節~十二節。第十章、一気に終わらせる。あとがき2ページもスミ。ようやくこの本も終わる。加藤さんの既刊本のなかで質量ともに最もヘビーな本だろう。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」「twitter.com/nstn49」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」の「第一篇 第二回ポエニ戦争以前のローマ」の第一章のつづき~第二章。第一篇、終り。→「読み書き日録」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『最後のユダヤ人』が今月2冊目売れ(累計74冊)ほかポイエーシス叢書が2冊、ほかに宮本常一本が2冊、など。アマゾンでポイエーシス叢書が2冊、など。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第一部第1章のL'e^tre e+'critのつづき。《脱構築の試みは、必然的に内部からの働きかけであり、古い構造から転覆の戦略的経済的なあらゆる手段を借用しつつ、それらを構造的に、つまりその要素や原子を孤立させられないままに、つねになんらかの方法で、みずからの作業によって運び去られるのである。》(拙訳、p. 39) これはデリダによる〈デコンストラクション〉の最初の定義ではなかろうか。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』第1章、読む。「芸術作品の根源」におけるハイデガーの、ゴッホの農夫の靴を描いた作品にたいする散文詩もどきの論説を、詩人になれなかった哲学者のエクリチュールと読むことは正しい。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/17(月=海の日で休み)
掲載日:2017年7月18日
*テレビで大リーグ、ヤンキース対レッドソックス戦を途中から観戦。田中将大が先発。8回途中3失点ながら負け投手に。
*野村喜和夫『哲学の骨、詩の肉』読みはじめる。まずは序章を読む。連載で読んでいたから驚かないが、野村の哲学への志向は若いときからのもので、相当な蓄積を踏まえている。それがどこまで系統的なものかはよくわからないが。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で『沖縄の民話』『岡山の民話』『みちのくの長者たち』が各1冊売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1734冊)、など。アマゾンで笠原賢介『ドイツ啓蒙と非ヨーロッパ世界』が今月2冊目(累計8冊)、ほかにポイエーシス叢書が3冊、シュミット本が2冊、『シランフーナー(知らんふり)の暴力──知念ウシ政治発言集』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*清岳こう詩集『つらつら椿』通読。清岳の出生地、熊本(肥後)の特産、椿にちなんだ作品集。熊本大地震をふくめ、望郷とともに家系へのさまざまな思いをこめていて、不明ながらも気持ちが伝わってくる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+仮ゲラ印刷+通読、再開。「第十章 弁証法の成立根拠」のはじめ~四節。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第一部第1章のL'e^tre e+'critのつづき。《〔こうしたことが示しているのは、〕根本的には、なにものもシニフィアンの運動を逃れることができないこと、結局のところ、シニフィエとシニフィアンの差異は_¨なにもない¨_ということである。》(p. 36) →「読み書き日録」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」の「第一篇 第二回ポエニ戦争以前のローマ」の第一章のつづき。《東洋には最初の粗野な詩情と、有限なものすべてを転倒させる感覚があり、ギリシャには美しく調和のとれた詩情と軽やかに安定した精神の自由があったとすれば、ここローマには、散文的な生活と有限を自覚する意識と抽象的な知性と頑固な人格がある》(112ページ)ほんとかね。→「読み書き日録」。
日録2017/7/16(日)
掲載日:2017年7月17日
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第三部「ローマ世界」のはじめ~「第一篇 第二回ポエニ戦争以前のローマ」の第一章の途中。《東洋では_¨専制政治¨_が、ギリシャでは_¨民主政治¨_が政治生活の基本をなしていましたが、ローマの基本は_¨貴族政治¨_で、しかも民衆と対立する厳格な貴族政治です。》(98ページ)として貴族制と王制の対立、平民と貴族制の対立があって民主制になるが、今度は党派が登場し、後期貴族制が生まれる。二元対立がローマの根深い本質とされる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第15回を見る。
*きのうのジュンク堂で『沖縄の民話』『薩摩・大隅の民話』が各1冊売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1731冊)、など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が今月5冊目(累計598冊)、ジャック・デリダ『最後のユダヤ人』が2冊目(累計65冊)、ほかにベンヤミン『[新訳・評注]歴史の概念について』が2冊、など。
日録2017/7/15(土)
掲載日:2017年7月16日
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「自動記述の諸相 困難な自由」読む。さらに三浦雅士の解説「若き大岡信の射程」も読む。これで読了。三浦も書いているように、大岡信という詩人・批評家の存在はこれまでまともに論じられてきていないが、その仕事は巨大であったと言うしかない。→「読み書き日録」。
*慶應大学三田キャンパス東館8階の会場へ。渡名喜庸哲さんに挨拶。本売りの場所を会場内に設定。高桑和巳、朝吹亮二、西山雄二、郷原佳以、宮﨑裕助、鵜飼哲の各氏に挨拶。~12時半からデリダ·シンポジウム「デリダと宗教的なもの」始まる。宮﨑さんの司会。長坂真澄さんの『信と知』について、渡名喜さんの『最後のユダヤ人』について、西山さんの『嘘の歴史 序説』についての話のあと、郷原さん、佐藤啓介さんのコメント。さらにフロアからの質疑応答。中休みをはさんでJoseph Cohen/Raphael Zagury-Orlyのフランス語での発表。鵜飼さんのコメント、ほかにフロアからの質疑応答。5時50分まで。参加者は50人ぐらい。本は9冊売れ。
日録2017/7/14(金)
掲載日:2017年7月15日
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第二部「ギリシャ世界」の「第3篇 外交の時代」の第四章、第五章~「第4篇 ギリシャ精神の没落」読む。第二部、読了。《〔ソクラテスのような〕道徳的な人間とは、正義を意思し実行するというだけの無邪気な人間ではなく、自分の行為を意識しておこなう人間なのです。》(81ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月2冊目売れ(累計82冊)、ほかに喜納昌吉『沖縄の自己決定権』。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が4冊目(累計597冊)、『出雲の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計617冊)、ほかに中平卓馬写真集『沖縄・奄美・吐カ喇1974-1978』など9冊
*未來社流通センターより18日の入金予定(「66期取次入金票.xls」)とどく。~「取次入金一覧.ods」最新版、作成&印刷。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。取次入金、通信費、書店売上げ、20日振込み分、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。あすのデリダ・シンポジウムでの本売りのための釣り銭の準備。ついでに慶応大学三田キャンパスへのルート研究。新宿から大江戸線で赤羽橋下車がよさそう。
*「資金振替.ods」7月版、「みずほ当座残高表」最新版、作成&印刷。
*みずほeビジネスサイトにアクセス。きょうまでの入出金を確認&印刷。
*未來社流通センターからの6月14日以降の売上げ伝票のチェック。~「66期月別売上げ台帳.xls」6月、7月最新版、作成&印刷。
*秋山基夫詩集『月光浮遊抄』通読。〈とりかへばや〉物語をベースに引用をくわえて現代詩のかたちにリメイクしたもの。引用詩論という本があったのを思い出す。いろいろ試みるひとだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie pp. のPremie`re Partie/chapitre I/L'e^tre e+'critのはじめ~。《彼〔ニーチェ〕が書いたのは、まずは彼のエクリチュールがもともとロゴスと真理に服従しているものではないということである。》(p. 33) エクリチュールはなにものにも拘束されないということである。→「読み書き日録」。
日録2017/7/13(木)
掲載日:2017年7月14日
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「シュルレアリスム ひとつの視点」のつづき~終り。《シュルレアリストの詩作品は、霊感を与えられ、言いかえれば想像力を解放された読者との共同的な創造行為によってはじめて完成されるものといえる。その意味でぼくらは、詩的想像力と技術の解放、個人的なもろもろのタブーを打ち破ってゆく勇気を得る上で、常にシュルレアリスムに帰ることができるし、そこから必ず何らかの前進的エネルギーを汲みとることができるだろう。》(328-329ページ)大岡信はシュルレアリストではなかったが、若いときは相当な支持者だったことがわかる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武さんよりE-mailで『脳死・クローン・遺伝子治療』の電子ファイルの復活に失敗した由。必要ならOCRで、と。~加藤さんにtel。修正のできた『技術と人間の倫理』のファイルはE-mail添付で送ってもらうことに。11日の新企画説明会でなかなか手応えがあったことを伝える。単行本未収録論文のページ数計算をしたところ3000ページ分ぐらいあり、一部ダブリなどもあり、割愛する必要あり。別途に単行本で出すことも考えられることも。来週あたりに総目次の一覧をもとに詳細のツメをおこなう予定に。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~のち、加藤さんよりE-mailで『技術と人間の倫理』のファイル、とどく。
*天野さんから相談を受けて、川村毅「ニッポン・ウォーズ」上演許可の件でTファクトリーの平井さんにtel。こちらで代行してしまって処理も終わっている旨を伝え、連絡をしていなかったことのお詫びと了解。上演許可願いを天野さんからFAXしておいてもらう。『新宿八犬伝・完本』の未受取り分が残っている由。
*未來社流通センターから宮川君、来社。この間の精算など。
*編集会議+全体会議(4時~6時半)。このかたちの会議は初めて。加藤尚武著作集の全容が見えてきたことを伝える。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*読書人の黒木さんからハガキ。明石さんからよろしくと伝えてもらったことで。「楽しい毎日」とのこと。
*増田正昭さんより『ホモコントリビューエンス』の原稿修正もどる。~天野さんに入校用仮ゲラの仕上げを頼む。
*きのうのジュンク堂で木村友祐『イサの氾濫』が今月1冊目売れ(累計196冊)、『福岡の民話 第一集』『福岡の民話 第二集』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1729冊)。アマゾンで『八丈島の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計616冊)、ほかにジャック・デリダ『デリダと肯定の思考』など。
*加藤尚武著作集各巻の文章のテキスト化、ファイル結合をしてWinLPrtで52字×20行で流し込み、ページ数計算のつづき。第12巻「哲学史」のなかの『20世紀の思想』は162ページ。第10巻「技術論」のなかの『技術と人間の倫理』は194ページ。これでOCR予定の1冊をのぞいて完了。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*「生き事」12号に目を通す。佐々木安美が前立腺肥大の組織採取のことを書いているが、そのさいの大きな採取音にはわたしにも経験がある。あんなに大げさな音を立てなくてもいいのに、と思ったことがある。→「読み書き日録」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第二部「ギリシャ世界」の「第3篇 外交の時代」の第二章~第三章。《ギリシャの共同体精神は、最高の美しさと愛らしさと魅力をもってあらわれてはいるが、しかし、精神的な自己意識の最高の段階をしめすものではありません。そこには、思考が自分を反省するという無限の形式が欠けている。……思考が自分で自分をとらえる、という無限の自己意識が成立していないといってもよい。》(73ページ)どうもこのあたりヘーゲルの思考が独断的になっている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/12(水)
掲載日:2017年7月13日
*「ガーネット」82号に目を通す。実力派のそろった軽み系の詩誌だが、神尾和寿が詩誌時評をはじめたので、次回は期待できそうだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*新井高子さんよりE-mailで俵万智さんがオビ文を引き受けてくれたとのこと、マネジャーにひと言、メールを入れてほしい、書名改定案として『東北おんば訳 石川啄木のうた』でどうか、との提案。
*加藤尚武著作集の単行本未収録論文のテキスト変換、WinLPrtで52字×20行で流し込み、ページ数計算と「加藤尚武著作集(全15巻)内容見本.txt」への論文名、ページ数の追加。第7巻「環境倫理学」のなかの「自然哲学」22本208ページ、その他19篇257ページ。第8巻「世代間倫理」10篇199ページ。第9巻「生命倫理学」35篇461ページ。第11巻「経済行動の倫理学」12篇142ページ、第12巻「哲学史」のなかの「哲学は何のために」8篇95ページ、「西洋哲学史」28篇199ページ。第13巻「形と美」のなかの「美学」7篇89ページ、「東洋哲学」18篇213ページ。第14巻「平和論」24篇203ページ。これですべての単行本未収録論文のページ数確定。全部で2978ページ分もあることがわかる。巻ごとにかなりバラツキもある。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月3冊目売れ(累計95冊)、ほかに石川真生写真集『日の丸を視る目』など。アマゾンでジャック・デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が1冊目(累計301冊)などポイエーシス叢書が3冊、『中国山地 過疎50年』が3冊目(累計168冊)、中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が3冊目(累計4冊)、『鳥取の民話』『兵庫の民話』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計615冊)、ほかにポパー『開かれた社会とその敵』が2冊、ハーバーマス『公共性の構造転換』が2冊、仲宗根勇『沖縄差別と闘う――悠久の自立を求めて』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「シュペルヴィエル論」のつづき~終り。→「読み書き日録」。
*加藤尚武さんよりE-mailで『技術と人間の倫理』のファイル修正がなんとかできたとの連絡。
*『石川啄木全集 第二巻 詩集』の「詩稿ノート」の部のつづき。「沈黙の声」は短いが北村透谷ばりの劇詩だ。→「読み書き日録」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第二部「ギリシャ世界」の「第3篇 外交の時代」のはじめ~第一章。→「読み書き日録」。
日録2017/7/11(火)
掲載日:2017年7月12日
*きのう加藤尚武さんからE-mailで連絡をしてもらった著作集第10巻「技術論」のなかの『技術と人間の倫理』の原稿チェック。やはりかなり大きな修正、脱落などがあり、使えそうもない。~加藤さんにtel。類書のない本なので、なんとか生かす方向で、場合によってはOCRの必要あり。再度調べてくれることに。『脳死・クローン・遺伝子治療』は難航しているとのことで、手持ちのフォルダをE-mailで送ることに。~加藤さんにE-mailで送付。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。各巻の単行本未収録論文のページ数計算をして「加藤尚武著作集(全15巻)内容見本」に情報を追加する作業。とりあえずいま現在で確定している分までを作成&印刷。
*きのうのジュンク堂で中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が最初の3冊目売れ、など。アマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月4冊目(累計119冊)、ほかにパパート『マインドストーム』が2冊、など。
*ホモコントリビューエンス研究所の菊池さんよりE-mailで、『ホモ・コントリビューエンス』の進行の見通しなどを教えてほしい旨の連絡。
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) 「パウル•クレー 線と胚種」読む。さらに「シュペルヴィエル論」の途中まで。→「読み書き日録」。
*2時、出版クラブへ。書物復権の会新企画説明会へ。早く着きすぎたので、コーヒーを飲んで待機。3時半から10社の編集者による企画説明。5番目に登壇して加藤尚武著作集の説明。朝日新聞の高久記者が関心を示してくれる。5時50分ごろ、終了。~3階で懇親会。書物復権の会メンバーほか多くのひとに挨拶。みすず書房・・守田社長、持谷さん、川崎さん、読書人・明石さん、トーハン・鈴木百合子さん、生協連・辻谷さん、など。8時までで終了。~持谷さんと近くの“鮒忠”で二次会。近況いろいろ。10時ごろまで。→「twitter.com/miraishajp」。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』の「想像しうる最小の軍隊――ガンジーのインド憲法私案と日本の平和憲法」のつづき~終り。あとがきも読んで、この本もようやく読了。古い論文が多いが、いまでも十分に通用するものばかりだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/10(月)
掲載日:2017年7月11日
*手形・小切手渡し=各社。
*みずほeビジネスサイトにアクセス。きょうの入出金を確認&印刷。~東京都民銀行ビジネスダイレクトにアクセス。きょうの出金(手形決済、ほか)を確認。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。書店売上げ、未収入金+受取手形、手形決済、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。
*15日のデリダ・シンポジウムでの物販の件で、社員に聞くが参加できる者はひとりもいない。~西山雄二さんに返信E-mailでシンポジウムへ予定を変更して出席はするが、物販は机などの確保ができるのかを問合せ。~のち、西山さんからE-mailとtel。80人ぐらいの中心メンバーが集まるらしい。~渡名喜庸哲さんからE-mailで机は用意しておくとのこと。~さらに西山さん、渡名喜さんのあいだで売り場のセッティングの話。
*加藤尚武著作集各巻の文章のテキスト化、ファイル結合をしてWinLPrtで52字×20行で流し込み、ページ数計算のつづき。第14巻「平和論」のなかの『世紀末の思想』は182ページ、『戦争倫理学』は134ページ。第15巻「応用倫理学」のなかの『応用倫理学のすすめ』は120ページ+図版多数、『合意形成とルールの倫理学』は184ページ、『合意形成の倫理学』は144ページ+おわりに(欠)。第12巻「哲学史」のなかの『二一世紀への知的戦略』は278ページ、ただし原本なし。~加藤尚武さんにE-mailで全巻のページ数、問題点を書き出して送付。tel入れも。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~加藤さんより返信E-mailで『技術と人間の倫理』は本とファイルが完全に一致するとの指摘。おかしいな。
*きのうのジュンク堂で『大阪の民話』が1冊売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1727冊)、など。おととい、きのうのアマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月3冊目(累計118冊ほかポイエーシス叢書が3冊、『父ちゃんは写真家――平敷兼七遺作集』が1冊目(累計37冊)、『中国山地 過疎50年』が1冊目(累計166冊)、木村友祐『イサの氾濫』が3冊目(累計596冊)、『屋久島の民話 第一集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計613冊)、ほかにポパー『開かれた社会とその敵』が3冊、[私の日本地図]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) 第二部「ギリシャ世界」の「第2篇 美しき個人の形成」の第1章、第2章。《精神が自分をうみだし、本当の自分をつくりだすというのは、たしかに精神の一面ではあるが、他の一面は、精神がもともと自由であり、自由こそ精神の_¨本性¨_ないし概念だということです。》(49ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』の「想像しうる最小の軍隊――ガンジーのインド憲法私案と日本の平和憲法」のつづき~。ガンジーの憲法私案は川満信一琉球共和社会憲法私案と似ている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/9(日)
掲載日:2017年7月10日
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「エリュアール論」のつづき~終り。《常に新鮮であるために常におのれに袂別すること、あらゆる所有の観念に無縁であることを宣言した時、彼の愛は恋人を通じて世界そのものを所有したのだ。》(273ページ)これは大岡信自身についても言える。エリュアールほど大岡に似た詩人はいなかったかもしれない。《彼〔エリュアール〕の詩は、美しい素材だけがむきだしになって山積しているていの詩である。つまり、彼の詩は読者の中でこそ、はじめてみごとに一篇の詩となって結晶するような詩なのだ。動かしがたく完成しているにもかかわらず、無限に読者の心理を誘惑し、その限りにおいて無限に未完成である詩、これがエリュアールの詩だ。》(277ページ)ある意味では、これこそ詩の究極の姿ではなかろうか。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が今月2冊目売れ(累計79冊)ほかポイエーシス叢書のデリダ本が3冊、ほかに丸山眞男本が2冊、[私の日本地図]シリーズが2冊、など11冊。アマゾンは内部エラーで見られず。いったいどうなってるんだ!→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集各巻の文章のテキスト化、ファイル結合をしてWinLPrtで52字×20行で流し込み、ページ数計算のつづき。第10巻「技術論」のなかの『価値観と科学/技術』は134ページ+図版、『災害論』は127ページ。第11巻「経済行動の倫理学」のなかの『資源クライシス』は184ページ+図版。第12巻「哲学史」のなかの『進歩の思想・成熟の思想』は156ページ、ただし原稿抜けとファイルとの大幅異同あり。実際は200ページぐらいか。第13巻「形と美」の『「かたち」の哲学』(旧書名『形の哲学』)は153ページ+図版多数。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) の第二部「ギリシャ世界」の「第1篇 ギリシャ精神の諸要素」のつづき~終り。《自然物は、むきだしの自然物としてではなく、精神の息のかかったものとしてとらえられる。自然は人間にはたらきかけてくるものであり、そこから精神的なものがとりだせるかぎりで価値がある。》(26ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』pp. 284-296.「想像しうる最小の軍隊――ガンジーのインド憲法私案と日本の平和憲法」のつづき~。→「読み書き日録」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第14回を見る。
*「春秋」7月号の島薗進論文に目を通す。明治天皇の死の直前の二重橋外での大衆による集団祈祷や明治神宮創建の愚かさを批判した石橋湛山の論の紹介。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*西山雄二さんよりE-mailで15日(土)にデリダ・シンポジウムがあるとのことで物販はどうか、と。慶應大学三田キャンパスで12時半~17時。
日録2017/7/8(土)
掲載日:2017年7月9日
*「ミて」139号、読みつぐ。~了。新井高子さんがトルコの詩祭に招待されて行った模様が書かれている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が今月1冊目売れ(累計237冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが4冊(累計1726冊)、など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が2冊目(累計595冊)、『越後の民話 第二集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計612冊)、ほかにポイエーシス叢書が2冊、スタニスラフスキー『俳優の仕事』が1セット、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』の「想像しうる最小の軍隊――ガンジーのインド憲法私案と日本の平和憲法」のつづき~。《国家が行う戦争の根源的な形は、国家が自身を立ち上げ、自身の存立を守るために、自身の国民を相手に戦うというものだ。国家による正統な暴力の独占は、暴力によって確立し、暴力によって維持されている。》(284ページ)国家暴力というものはまずなによりも国内にむけての鎮圧的暴力だということだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集各巻の文章のテキスト化、ファイル結合をしてWinLPrtで52字×20行で流し込み、ページ数計算のつづき。第8巻「世代間倫理」のなかの『子育ての倫理学』は5章がデータなしで108ページ+(8ページ?)、『教育の倫理学』は168ページ。第9巻「生命倫理学」のなかの『バイオエシックスとは何か』は49ページ、『二十一世紀のエチカ』は167ページ、『脳死・クローン・遺伝子治療』はファイルが複雑すぎて処理できず。第10巻「技術論」のなかの『技術と人間の倫理』は本とファイルがあまりにも違いすぎて使えず。『先端技術と人間』は136ページ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「エリュアール論」のはじめ~。《新しい自然ではなくて、新しい光をあてられた自然……。奇妙なことだが、日本のモダンな詩人達に新しい詩の先駆者として映ったエリュアールが、ぼくに、新しい詩などない、新しい光をあてられた詩があるだけだ、と教えてくれたのだ。ぼくのエリュアール理解の方向は、このときすでに決定的にきめられていた。》(243ページ)《エリュアールの希望の歌が倦むことなく続いてきたということは、それ故、エリュアールの絶望が、昨日も今日も、常に新しく彼をさいなんだということ以外のなにものでもなく、又ぼくらが彼の希望の歌をきいて倦むことがないとすれば、ぼくらの絶望がそのように深く、言うならば豊かであることを示す以外の何ものでもない。》(245ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie のPremie`re Partie/chapitre I/Le signifiant et la ve+'rite+'のつづき~。《問題は、固有の意味と比喩的意味を逆転させることではなく、エクリチュールの「固有の」意味を隠喩性(me+'taphoricite+')そのものとして規定することである。》(p. 27) これはエクリチュールがそれ自体で隠喩的意味をもつということであろうか。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル『歴史哲学講義(下)』(岩波文庫) 読みはじめる。第二部「ギリシャ世界」のはじめ~「第1篇 ギリシャ精神の諸要素」のはじめ~。《ギリシャにやってくると、ただちに故郷にいるような気分になる。そこに精神の土台がしっかりとあるからです。》(8ページ)と冒頭からヘーゲルは言う。最初に結論ありきのヨーロッパ礼賛だ。ギリシャが世界史の青年期だというのは《完成にはほど遠い、まちがいだらけの青年期、という意味ではなく、窮屈な分別くさい目的のための労働や労苦に身をいれる必要がいまだなく、具体的で新鮮な青春生活を謳歌できるという意味での青年期、いいかえれば、肉体化された精神、ないし、精神化された感性として、精神的な統一のもとに感覚的な現在を生きるという意味での青年期》と再定義されている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/7(金)
掲載日:2017年7月8日
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「立原道造論 さまよいと決意」読む。《立原〔道造〕の詩の世界は、本質的に物語の世界なのだ。それは中原中也の詩の世界が歌の世界であったというのと同じほどに本質的なことである。》(226ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*三菱東京UFJダイレクト、みずほeビジネスサイト、みずほダイレクト、東京都民銀行インターネットバンキングにアクセス。未來社当座に10日用の資金振替。~東京都民銀行ビジネスダイレクトにアクセスし、入金を確認。
*「原稿料・印税支払い総括.xls」2017年最新版、作成&印刷。源泉徴収税を確認。
*e-Taxソフトで6月分の源泉徴収税の申告書(給与分、原稿料・編集料分)を作成=申告・申請等の一覧から選択~帳票編集で作成~保存(別名保存)~「作成完了」~「送信」ボタンで送信。さらに「メッセージボックス」の帳票を選択して10日付けで「ダイレクト納付」。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票。資金振替、源泉徴収税。出納帳(現金)に記帳。
*きのうのジュンク堂で中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が最初の2冊目売れ、笠原賢介『ドイツ啓蒙と非ヨーロッパ世界』が今月1冊目(累計4冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが4冊(累計1722冊)、ほかに豊里友行写真集『オキナワンブルー――抗う海と集魂の唄』など。アマゾンで『ドイツ啓蒙と非ヨーロッパ世界』が1冊目(累計7冊)、『信濃の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計611冊)、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*10日支払いの手形4枚、小切手6枚(労働保険料ふくむ)を作成。最後の捺印だけ残す。
*加藤尚武著作集のデータを17枚のCDから取り込み。15巻の該当巻にそれぞれ取り込み。各巻の文章のテキスト化、ファイル結合をしてWinLPrtで52字×20行で流し込み、ページ数計算をはじめる。第3巻「ヘーゲルの社会哲学」のなかの『ヘーゲルの「法」哲学』は210ページ。第4巻「よみがえるヘーゲル哲学」のなかの『哲学原理の転換』は124ページ。第6巻「倫理学の基礎」のなかの『現代倫理学入門』は160ページ、『倫理学で歴史を読む』は138ページ。第7巻「環境倫理学」のなかの『環境倫理学のすすめ』は144ページ、『新・環境倫理学のすすめ』は136ページ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*天野さんから加藤尚武著作集内容見本の修正版を受取り。ほかに『バイオエシックスとは何か』の仮ゲラ、受取り。第9巻に収録予定。
日録2017/7/6(木)
掲載日:2017年7月7日
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(上)』(岩波文庫) の第一部「東洋世界」の「第3篇 ペルシャ」のつづき~終り。これで上巻、読了。ヘーゲルの論理はヨーロッパ世界(ゲルマン世界)を最高位に置き、東洋(中国、インド)からペルシャ、ギリシアと段階を追って精神的に進歩するという独断的な汎ヨーロッパ主義である。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのう加藤尚武さんよりtelあり、著作集関連のデータ渡しの準備は整ったとの連絡あったとのこと。~tel入れして確認。本とデータは全部そろっている由。あとで取りに行くことに。~昼すぎ、加藤さん宅へ寄り、本とデータ一式、受取り。→「twitter.com/miraishajp」。~本とリストの照合。全15巻の各巻フォルダをまず作成。既成のデータをそれぞれの巻フォルダに移動。~CD-ROMからデータを取り込もうとするが、またDVDドライブの認識ができず、DELLテクニカルサポートにtel。専門の担当から連絡がくるあいだにデバイスマネージャーからドライバ削除→再起動してもファイルは読めない。~のち、telあり。BIOSを1.3.6から2.3.2にアップデート。あわせてインテル・ラピッド・ストレージというデバイスもバッティングしている可能性があるのでアンインストール。結果、DVDドライブが認識できるようになる。
*デジタル・パブリッシング・サービスの田中さんに返信E-mailで「[新版]日本の民話」シリーズの『土佐の民話 第二集』の表紙データを送る。間違ったものを渡していたので、送り直し。丸善eBook Libraryの担当者・佐々木さんにもCc。~佐々木さんより受取り、確認のお礼E-mail。
*みずほeビジネスサイトにアクセス。きのう、きょう、6月30日の入出金を確認&印刷。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。出版助成金+直販売上げ、未來社地代、書店売上げ、直販売上げ、水道光熱費、現金引出し、買掛金・未払金、労働保険料、10日支払い手形・小切手、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。
*佐藤直樹さんより返信E-mailで『脱成長(ダウンシフト)のとき』10冊届いたとのお礼と近況いろいろ。企画の可能性についても。
*きのうのジュンク堂で『みちのくの和尚たち』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1718冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが2冊、など。
*横山さんから6月末締め支払い表の下案、受取り。~「66期月別支払い表.xls」6月末版、作成&印刷。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』の「意見書『天皇制・君が代について』」読む。《「君が代」強制の狙いは、子どもたちに、「考えないこと」を教えているのではないかと思います。》(258ページ)思想の自由とは裏腹に「君が代」を強制することで、思想と行動を別々のものと考えさせることの権力の深い企みをラミスは暴いている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/5(水)
掲載日:2017年7月6日
*きょうはくだらない用事で予定通り会社を休む。
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「小野十三郎論 歌・批評・リズム」読む。《歌の中に風景を閉じこめるのではない。風景の中に歌を離してやるのだ。これはたしかに新しい外界の発見であり、同時に新しい歌の発見だった。》(205ページ)と小野の詩を評価しつつ、一方で《問題というものの重要さは、それを論じることによってぼくらの詩に関する認識が深められ、また詩作に有効な助言が与えられるかどうかという点にかかっている。理論は実際的であり、生産的でなければならないのだ。》(219ページ)と大岡は小野のリズム論の欠陥をきびしく批判している。大岡ならではの指摘である。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』の「ラディカルな民主主義」のつづき~終り。《ラディカルな民主主義の政治哲学が存在しない……理由は、それが自ら正統性を主張する必要のまったくない、唯一の政治的状態だという点にある。……ラディカルな民主主義は正統性そのものである。》(243ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月1冊目売れ(累計81冊)、『最後のユダヤ人』が1冊目(累計73冊)、中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が最初の1冊、など。アマゾンでハーバーマス『コミュニケイション的行為の理論』が1セット、丸山眞男本が2冊、豊里友行写真集『オキナワンブルー――抗う海と集魂の唄』など。
*デジタルパブリッシングサービスの田中さんからE-mailでPOD版『土佐の民話 第二集』の表紙が違っていたとの連絡。確認したところ『上州の民話 第二集』の表紙が入っていた。あす送付する。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+仮ゲラ通読、つづける。「第九章 真理と存在」の四節~五節。第九章、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*『石川啄木全集 第二巻 詩集』の「雑誌に発表された詩」の部、つづき~終り。問題作「はてしなき議論の後」で啄木は社会主義者としての側面を見せている。《されど、誰一人、握りしめたる拳【こぶし】に卓をたゝきて、/「V NAROD!」と叫び出づる者なし。》とリフレーンで慨嘆しており、労働者知識人から「君の言ふ所は徹頭徹尾煽動家の言なり。」と批判されながら、はてしなき議論をするエピソードが記されている。これは晩年の啄木の実話にちがいない。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(上)』(岩波文庫) の第一部「東洋世界」の「第3篇 ペルシャ」のつづき。《スフィンクスはエジプトの精神の象徴と見ることができるので、動物の体の上に乗る人間の頭は、精神が自然の上に出て、自然から身をひきはなし、自分のまわりを見まわしはじめたことを、とはいえ、自然の桎梏から完全に自由になったわけではないことを、あらわしています。》(325ページ)まったくヘーゲル的な解釈だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/4(火)
掲載日:2017年7月5日
*「現代詩手帖」7月号、読みつぐ。~ようやく了。坪井秀人の長期連載が終了。読み応えがあったが、やや冗長とも言えるのは研究論文スタイルのゆえか。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集の内容見本第一案を作成&印刷。とりあえず天野さんに渡し、内容見本のイメージ作りをしておいてもらう。水谷君にも渡す。~加藤さんにtelするが、つながらないので原案をひとまずFAX。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのうのアマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月2冊目売れ(累計117冊)、マーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が2冊目(累計186冊)、中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が2冊目(累計3冊)、ほかに埴谷雄高本が2冊、山田實写真集『故郷は戦場だった』など。ジュンク堂でデリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が1冊目(累計78冊)、『兵庫の民話』『福岡の民話 第一集』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1717冊)、ほかに『時ならぬマルクス――批判的冒険の偉大と逆境(十九―二十世紀)』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*「新刊月別売上げ台帳.ods」6月最新版、作成&印刷。
*FFFTPで萩原印刷FTPにアクセス。「[新版]日本の民話」シリーズ61巻~66巻のE-pub版をダウンロード。
*萩原印刷デジタル事業部の三田さん、来社。未來社ホームページの件でなにか追加できること、改定すべきことはないかの打合せに。とりあえずはあまりない。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+仮ゲラ通読、つづける。「第九章 真理と存在」の三節、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(上)』(岩波文庫) の第一部「東洋世界」の「第3篇 ペルシャ」のつづき。《ユダヤ教の宗教はどうしても排他的な要素をかかえこまざるをえず、一民族だけが唯一神を認識し、一民族だけが唯一神にみとめられる、という考えをぬけでることができない。》(319ページ)このあたりへーゲルの認識はまともである。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
日録2017/7/3(月)
掲載日:2017年7月4日
*Brother HL-2240Dのドラム交換。~その後、うまく作動せず。プリンタドライバの再インストールでなんとか使えるようになる。
*『ホモ・コントリビューエンス』の原稿通読、つづける。増田正昭「渋沢栄一における貢献の概念」通読。「校正についてのお願い」メモを付けて増田氏に送付(あす)。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月2冊目売れ(累計94冊)、『兵庫の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1715冊)、ほかにポパー『開かれた社会とその敵』が4冊、ポイエーシス叢書が2冊、など。アマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が1冊目(累計116冊)、『最後のユダヤ人』が1冊目(累計64冊)、木村友祐『イサの氾濫』が1冊目(累計594冊)、ほかに[転換期を読む]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ショート・ランドルさんから『ホモコントリビューエンス』への収録承諾書もどる。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+仮ゲラ印刷+通読、つづける。「第九章 真理と存在」のはじめ~二節。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*TRCよりE-mailで6月分売上げデータとどく。~「TRC201706実績.xls」として取り込む。
*加藤尚武さんよりE-mailで著作集の最終案(といっても15巻ないし16巻の選択あり)とどく。~加藤さんにtel。分量をくわしく計算するには収録本と論文原稿、データが必要。これから散歩がてら持参してくれることに。~のち、来社。未収録論文のデータを届けてくれるが、本とデータはまたこんど。
日録2017/7/2(日)
掲載日:2017年7月3日
*「現代詩手帖」7月号、読みつぐ。伊藤浩子×鹿島徹対談を興味深く読む。編集にかかわったベンヤミン『[新訳・評注]歴史の概念について』が鮎川信夫賞受賞詩集『未知への逸脱のために』に深く影響しているというからでもあるが、伊藤における「喪失」というモチーフは何なのだろう。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*都議選に行く。~都議選の結果、自民党が23議席で記録的惨敗。都民ファーストの会が圧勝。前日の安倍の秋葉原での応援演説が批判に対する逆ギレを示したことで致命的な反感を買った。独善もさすがにもはや通用しなくなった。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+通読、つづける。「第八章 直接性と意味の先験性」の三節~六節。第八章も終り。《自然的意識の世界とは、経験のあらゆる次元に成り立つ概念の直接性だけをつまみとって拾い集めた世界であり、哲学は、概念形成の歴史をたどることによって、それに必然性を与えるのである。》こういう哲学なら納得できる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で佐々木力『反原子力の自然哲学』が今月1冊目売れ(累計46冊)ほかポイエーシス叢書が2冊、『中国山地 過疎50年』が1冊目(累計93冊)、『父ちゃんは写真家――平敷兼七遺作集』が1冊目(累計2冊)、『信濃の民話』『大分の民話 第一集』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1714冊)、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』1セット、[私の日本地図]シリーズが2冊、など。アマゾンでマーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が1冊目(累計185冊)、中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が1冊目(累計2冊)、『岩手の民話』『宮城の民話』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計610冊)、ほかに丸山眞男『[新版]現代政治の思想と行動』が2冊、[転換期を読む]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「中原中也論 宿命的なうた」のつづき~終り。《彼〔中原中也〕にとって、倦怠は生のリズムそのものだった。彼にとって、歌いえないものがあったろうか。一定のリズムの基調がある以上、いかなるものも彼の歌になった。口ずさめば、それがすなわち、中原中也の歌、だった。》(192ページ)《端的に言えば、彼は詩の中から意味を追放する。意味があるということは、認識する主体と認識される対象とがあるということだが、中也の詩法は、彼という認識の主体を自ら消し去ることで、対象をも関係の領域から脱落させる。(……)中也と対象との形づくる関係の一方から中也が脱落するとき、取り残された対象が置かれる世界、この、関係の領域から切り離され、それ自身で完結して漂っている世界こそ、中也のうたの世界だった。(……)中也の詩は、本質的に中也という生身の人間の不在証明なのだ。》(194ページ)みごとな中也論だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第13回を見る。
日録2017/7/1(土)
掲載日:2017年7月2日
*宇京賴三さんよりE-mailで「季刊 未来」夏号の感想。加藤尚武著作集の刊行について、《出版人・編集者西谷さんの出版人生を画する、いわば「卒論」のようなものと思った》由。当たっているかも。
*G・W・F・ヘーゲル『歴史哲学講義(上)』(岩波文庫) の第一部「東洋世界」の「第2篇 インド」のつづき~「第3篇 ペルシャ」のはじめ。《散文的な知性をもつ中国人は、抽象的な天帝を最高の存在として尊敬するのみで、個々の場面では恥ずべき迷信にとらわれています。インド人は、知性に反するという意味での迷信はもたないのですが、迷信がないのではなく、むしろ、その生活と観念の全体がそっくり迷信です。》(273ページ)とまったくむちゃくちゃな規定をへーゲルはやっている。さらに《発展の原理はペルシャ史とともにはじまるので、だからこそ、ペルシャ史が世界史の本来のはじまりとされる。》(283-284ページ)とこれまたいい加減な規定ですませてしまう。このあたりばからしいぐらいの思い込みにすぎない。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie のPremie`re Partie/chapitre I/Le programmeのつづき~終り。サイバネティクスとエクリチュール学との結合の重要性が指摘されているが、どういうことか。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ダグラス・ラミス『ダグラス・ラミスの思想自選集 「普通」の不思議さ』の「暴力国家」のつづき~終り。Violence, Gewalt、暴力ということばのニュアンスの相違の確認からウェーバーによる国家の「正統な暴力」の概念が骨抜きにされている問題の指摘まで。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で「[新版]日本の民話」シリーズ」が3冊売れ(累計1712冊)、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』1セット、『宮本常一著作集』が2冊、など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が今月17冊目(累計593冊)、『越後の民話第一集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計608冊)、ほかにポイエーシス叢書が2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集の『ヘーゲル哲学の形成と原理――理念的なものと経験的なものの交差』のファイル修正+仮ゲラ印刷+通読、つづける。「第八章 直接性と意味の先験性」のはじめ~二節。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*具莱●【あい】詩集『史詩賦聯 瓦に寄せて――「平城【なら】の明日香【あすか】を見【み】らくし好【よ】しも」――』通読。大伴坂上郎女の歌に引き寄せられるように奈良の旧跡をたどる詩人の見果てぬ夢か、知を織り混ぜての紀行の味がある。→「読み書き日録読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*「季刊 未来」夏号の未読分を読む。「[出版文化再生29]加藤尚武著作集いよいよ刊行へ」も読みかえす。言うべきことはいちおう書けている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*大岡信『現代詩試論 詩人の設計図』(講談社文芸文庫) の「中原中也論 宿命的なうた」を途中まで読む。《中也のなかに入ってゆくためには、ぼくらは単一で同時に複合的な感受性を持つことを要請される。》(166ページ)たしかにそう言える。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。