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西谷社長日録

日録2017年9月

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日録2017/9/30(土)

掲載日:2017年9月30日

*『世界の名著35/へーゲル』で『法の哲学』の「第一部 抽象的な権利ないし法」の「第三章 不法」のCのつづき~「権利ないし法から道徳への移行」。§101~§104。これで第一部、読了。《報復がまず第一に反対されるのは、それがなにか不道徳なもの、復讐として現われるということ、またそれゆえ、なにか個人的なものと見なされかねないということである。だが報復そのものを遂行するのは個人的なものではなくて、概念なのである。》(§101)つまり、復讐は概念的にすればいいわけだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第六研究 隠喩と哲学的言述」の2節~3節。第六研究も読了。《隠喩は、構成された言語を生き生きとさせるから、というだけで生きた隠喩になるのではない。隠喩が生きるのは、それが想像力を、概念のレベルで〈もっと考えること〉へと飛躍させるからである。》(395ページ)訳者あとがきも読了。それなりに収穫の多い本だったが、ポイエーシスとしての隠喩という観点は存在しないという致命的限界があった。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月4冊目売れ(累計107冊)、など。26日以降のアマゾンは新しいページで見られることがわかる。新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』が最初の予約3冊目、マーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が今月4冊目売れ(累計177冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが4冊(累計663冊)、ほかにハーバーマス本が4冊、シュミット本が5冊、スタニスラフスキー『俳優の仕事』が3冊、ポイエーシス叢書が4冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*金田久璋詩集『鬼神村流伝』読了。民俗学者としての力量をさりげなく詩的思考の粘りに溶融させつつ、自身の生涯を万遍なく書き込んだテクストは重量感があるが、そこここにユーモラスな自己戯画(「火男」)や、常民的視点からの政治批判(「ベロベロかんじょ」)などを盛り込んだ、土俗性あふれる力作詩集。七〇代の新しい実力派だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*中国の李萍氏よりE-mailで『ホモコントリビューエンス』収録用初校の校正は修正なしとの連絡。~お礼の返信E-mail。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『脳死・クローン・遺伝子治療――バイオエシックスの練習問題』のテキスト処理のつづき。まずは加藤尚武マクロを走らせる。仮ゲラ印刷+通読しながら(一括処理をふくむ)ファイル修正。序章「バイオエシックスとは何か」の1節~2節。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。

日録2017/9/29(金)

掲載日:2017年9月30日

*所用で立ち寄りと来客がつづき、ほとんど仕事にならず。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。前払い版権料、取次入金、取次売掛金、書店売上げ、現金引出し、長期借入金返済、保険料、リース料、通信費、住民税、手形決済、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。決算をはさんで期末分と次期分のデータをまとめて処理。
*きのうのジュンク堂で『石見の民話 第一集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1812冊)、ほかに沖縄写真家シリーズ〈琉球烈像〉が2冊、など。アマゾンは26日以降のデータがとれなくなった。いったいどうなっているんだ!

日録2017/9/28(木)

掲載日:2017年9月29日

*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第六研究 隠喩と哲学的言述」の1節のつづき~終り。《哲学における隠喩について語るときには、次の二つのケースを完全に区別しなければならない。すなわち、命名の欠如にこたえるために、日常言語の語を〈広義に〉用いる、比較的ありふれたケースと、意味論的非関与性から新しい意味をひきだし、意味論的革新によって、現実の新しい相を明るみに出すために、哲学的言述が意図的に、生きた隠喩に訴えるケースで、私見によればこのケースのほうがずっと興味深い。》(372ページ)ここでリクールは、哲学的言述が未知の思考を展開(=意味論的革新)しようとするときに隠喩の力を借りて新しい地平を開くことを述べようとしているのであり、そこでは〈死んだ隠喩〉を拡張的に利用するよりも〈生きた隠喩〉を媒介することをより興味深い、としているのであって、それは当然だが、この指摘はとりわけ詩的言述(と呼ぶならば)にも通ずることであり、この点において詩と哲学は隠喩の力を必要とするという共通性があるのである。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集のファイル整理、スミ。「加藤尚武著作集収録依頼用一覧.xls」のさらなる増補。とりあえずわかるところ全部スミ。初出未確認がまだかなりある。カットすべきものも3点ほど。~加藤さんにtel。帰りにリストを届けることに。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*未來社流通センターより月末入金票(「66期取次入金票.xls」)とどく。大阪屋栗田の長期委託精算があり、予想を上回る。JRCもまあまあ。~宮川君にtel入れして確認。~「取次入金一覧.ods」で最新版=66期確定版、作成&印刷。
*"Stori di Caini Per Una Bambina" Dacia Marainiの版権契約書に署名してフランス著作権事務所に返送。→「twitter.com/miraishajp」。
*『ホモコントリビューエンス』のなかの幸津國生氏の文章の転載許可願いを花伝社あてに作成、発送。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『最後のユダヤ人』が今月2冊目売れ(累計77冊)などポイエーシス叢書が2冊、「[新版]日本の民話」シリーズが7冊(累計1811冊)、など。アマゾンはきょうも確認できず。いったいどうなってるんだ!
*みずほeビジネスサイトにアクセス。20日以降の入出金を確認&印刷。
*土屋一彦詩集『みるか、ぬかるみ』通読。ことば遊びにダイレクトな政治批判。みずからの老齢をカリカチュアライズする楽しさも同居する。すこし単純すぎるかな。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき~終り。《実際、痕跡とは意味一般の絶対的根源である。もういちど言うことになるが、意味一般の絶対的根源というものはない。痕跡とは、現われと意味作用を切り開く差延なのである。》(p. 95、拙訳)→「読み書き日録」。
*『世界の名著3875/へーゲル』で『法の哲学』の「第一部 抽象的な権利ないし法」の「第三章 不法」のB~Cの途中。§87~§100。古代ギリシャのドラコンという成文法公布者はどんな犯罪でも死刑にしたことで有名。→「読み書き日録」。

日録2017/9/27(水)

掲載日:2017年9月28日

*早寝のせいで3時から目が覚め、「詩的断章33」を書く。→「読み書き日録」。
*「季刊 未来」秋号の未読分を読み、「[出版文化再生30]ある編集者の一日」も読みなおす。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*新井高子さんよりE-mail。『東北おんば訳 石川啄木のうた』の朗読を聴いた由。CDを自分に送ってくれとのこと。アマゾンの説明文の不備の研。。~朗読データをCDにコピー。確認。→「twitter.com/miraishajp」。~新井さんからさらにE-mailで日本現代詩歌文学館の学芸員とメール交換で5冊ほど送ってくれれば、宣伝できるとのこと。連絡をとってほしい由。
*中国の新経典文化より宮本常一『忘れられた日本人』中国語訳8冊とどく。~宮本さん遺族に7冊送ってもらう。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*岸顯樹郎さんより加藤尚武著作集装幀プランとどく。ざっと確認して社内にまわす。~のち、岸さんからtelもあり。『ホモコントリビューエンス』の執筆者一覧(目次順)とオビ原稿は準備ができたらデータをまわすことに。→「twitter.com/miraishajp」。
*みずほ銀行より外国為替計算書とどく。『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』の前払い金の明細。
*加藤尚武さんにtel。きのう頼んだ著作集第9巻の単行本未収録論文の初出雑誌が見つからない可能性が大きいので、その場合はデータを仮ゲラにして校正してもらうことに。『ホモコントリビューエンス』の滝久雄氏によるまえがきの件。目次を付けて研究所に預けてある初校とあわせて見てもらう必要あり、とのこと。あとがきは加藤さんがそれにあわせて書く予定に。→「twitter.com/miraishajp」。
*加藤尚武さんから預かった段ボール6箱分をすべてチェック。必要な印刷物の原稿をある程度見つける。~これをもとに「加藤尚武著作集収録依頼用一覧.xls」に増補。ひととおり終わったが、まだ穴埋めがいくつも残っているので、またあした。→「twitter.com/miraishajp」。

日録2017/9/26(火)

掲載日:2017年9月27日

*朝、加藤尚武さんが『ホモコントリビューエンス』の校正と目次案を持参してくれていた。~ざっとチェック。加藤さんにtel。加藤さんの分のゲラと『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラを渡したいので、夕方に持参することに。~『二十一世紀のエチカ』の仮ゲラ印刷。本文167ページ、注1枚。~夕方、加藤さん宅へ。ゲラと仮ゲラ渡し。9巻の単行本未収録論文4本の元原稿が見つからず、探してもらう。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*木村周市朗氏より手紙(きのう)。先日の来社のおりのお礼とさらなる資料など。
*フォトシティさがみはら実行委員会より相模原市総合写真祭の案内(きのう)。10月14日(土)に表彰式+シンポジウム+レセプション。豊里友行写真集『オキナワンブルー――抗う海と集魂の唄』がさがみはら写真新人奨励賞を受賞。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*「季刊 未来」秋号できる。「[出版文化再生30]ある編集者の一日」掲載。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*ホモコントリビューエンス研究所の菊池さんよりtel。『ホモコントリビューエンス』の初校一式とどいたとのこと。目次案をPDFで送ってほしいとのこと。~のち、E-mailでPDFを送付。~菊池さんより返信E-mailで目次案、受取りのお礼。
*新井高子さんから届いた大船渡のひとたちへのお礼状と寄贈リストを印刷して横山さんから発送。ほかに榎本了壱さんに2冊、「現代詩手帖」、文芸誌3冊など。~オビ文の俵万智さんの住所を東京コンサーツの斉藤さんに問合せのE-mail。~斉藤さんより返信E-mailで、出張のため、来週になるとのこと。
*きのうの宇田智子さんからのE-mailへの返信を水谷君にまかせる。カフェユニゾンで継続的に販売する件。
*加藤尚武さんから送ってもらったラジ・シュタイネックさんのメールアドレスへ『ホモコントリビューエンス』の校正PDFを送付。10月6日までに返送を希望。同じようにして、李萍氏と朱坤容氏に校正をE-mailで送付。→「twitter.com/miraishajp」。
*未來社ホームページの『東北おんば訳 石川啄木のうた』の説明文を新井高子さんの希望に即して修正。~水谷君に伝え、ネット関係の分も修正してもらう。
*5日~19日の売上げ伝票のチェック。「66期月別売上げ台帳.xls」9月版を更新&印刷。
*加藤尚武著作集のリストにもとづいて各巻のファイルの移動と削除。すべてファイルはしかるべきところへ収める。『哲学の使命』の3章と9章を2巻から3巻へ移動する分だけ、未処理。さっそく『脳死・クローン・遺伝子治療――バイオエシックスの練習問題』のファイル処理をはじめる。目次、見出し類の処理。
*きのうのジュンク堂でスタニスラフスキー『俳優の仕事』が2冊、など。アマゾンでジャック・デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が今月4冊目(累計310冊)、ほかにシュミット『政治的なものの概念』が2冊、など。
*新井高子さんよりtel。『東北おんば訳 石川啄木のうた』刊行のお礼と、見本、「季刊 未来」秋号が届いたとのお礼。未來社ホームページでの本の紹介欄説明文の修正のことなど、いろいろ。

日録2017/9/25(月)

掲載日:2017年9月26日

*きょうは出社しない予定だったが、結局、行くことに。~2時まえ、出社。
*加藤尚武さんよりE-mailでシュタイネックさんのもうひとつのメールアドレスを関根清三氏経由で連絡。~前回送ったつもりのE-mailにPDFが添付されていなかったらしく、家からは送れず。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第五研究 隠喩と対象指示」の4節、読む。ここでは隠喩を詩的隠喩ではなく科学的言述のなかのそれを対象としているターベインやホィールライトを批判しているが、こういう非本質的な隠喩論はもともと問題にならない。第五研究、読了。《詩的経験においては、詩人が語るたびに、詩人以外のあるものが語り、詩人がそれを制御していないのに、ある現実が言語に到達するのである。》(339-340ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』見本が予定通りできる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*新井高子さんからとりあえず『東北おんば訳 石川啄木のうた』寄贈シールとどく。~横山さんから発送してもらう。送り箱が足りず、いそぎ発注し、あす届けてもらえることに。~新井高子さんよりE-mailで俵万智さんの代理人から『東北おんば訳 石川啄木のうた』のオビ文をネット等で使用する許可が届いたとの連絡。~のち、新井さんからさらにE-mail。大船渡関係者の送り先が予想より早くわかったとのことでリストとどく。お礼状付き。
*宇田智子さんよりE-mailで、今後はカフェユニゾンと継続取引が可能になったとの連絡。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月3冊目売れ(累計106冊)、など。アマゾンでシュミット『政治的なものの概念』が3冊、など。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「III 環境・技術・国家」の「環境問題と国家主権」の2節~終り。さらに「あとがき」もスミ。これでこの本も読了。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*思潮社の藤井さんよりE-mailで「現代詩手帖」年鑑号の詩集評(中堅男性篇)の依頼。10月末で16枚。~了解の返信E-mail。詩集リストにコメント。→「読み書き日録」。
*『世界の名著35/へーゲル』で『法の哲学』の「第一部 抽象的な権利ないし法」の「第二章 契約」§72~§77。カントは『法論の形而上学的諸原理』のなかで〈婚姻〉について《性的共同態は、ひとりの人間がある他のものの性器と能力について行ない合う相互的な使用》であり、この「他のもの」が人間でありかつ異性であるばあいが「自然的使用」である、と書いているらしい。これをヘーゲルは「恥ずべき――と言わざるをえない」と批判している(§75)のがなんともおもしろい。カントも相当なことを言うわけだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/24(日)

掲載日:2017年9月25日

*昼すぎ、出社。6時ごろまで。
*きのうのジュンク堂で『中国山地 過疎50年』が今月2冊目売れ(累計105冊)、『大阪の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1804冊)、など。アマゾンで西山雄二編集本が2冊、ポイエーシス叢書が2冊、など。
*鷲谷みどり詩集『標本づくり』通読。初めて読む若い詩人。動物園に勤めてでもいるような動物とのかかわりをもつ前半と、母や死んだらしい姉とのかかわりを書いた後半でテーマが分かれているが、いつもドッペルゲンガーのような自分でない自分をかかえている苦悩の切実さが感じられる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「III 環境・技術・国家」の「科学技術の倫理的価値」スミ。さらに「環境問題と国家主権」の1節まで。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「第一部 抽象的な権利ないし法」の「第一章 自分のものとしての所有」の「C 自分のものの外化、ないしは所有の放棄」§65~§70、「所有から契約への移行」§71。第一章、終り。著作権の問題がすでに論じられているのは驚きだ。日本だったらまだ江戸時代中期の話だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第25回を見る。
*BSプレミアムで喜納昌吉&チャンプルーズの番組を見る。喜納さんはあいかわらず。『沖縄の自己決定権』を語り下ろしで作った記憶が懐かしい。

日録2017/9/23(土=秋分の日)

掲載日:2017年9月24日

*テレビで大リーグ、ヤンキース対ブルージェイズ戦を途中まで観戦。田中将大がふがいなく脇役に3本塁打を喫して8失点でKO負け。これじゃヤンキースファンから大ブーイングにさらされてもしかたない。
*中井ひさ子詩集『渡邊坂』通読。なんともとぼけた味がいい。あの世とこの世を行ったり来たりする死んだ母にたいして〈あの世から父さんの声//こちらのみなさんに/長生きはいいもんよ いいもんよ と/自慢してこまるんだ//行ったり来たりは/ルール違反だといってやっておくれ〉(「自在に」)とか〈壁に向かって/大きな声でなく妹//鳴き声まで音痴やねえ〉(「留守番」)といったぐあいだ。予想外の収穫。司修の装幀もピッタリ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第五研究 隠喩と対象指示」の2節の途中~終り。《詩において起こることは、指示機能の抑止ではなく、両義性の働きによる指示機能の深部からの変質である。》(300ページ)《文学は語るとおりのことを語るのであり、それ以外は語らない。詩の字義通りの意味を把握することは、詩が提示するままに、総体としての詩を理解することである。》(304ページ)《隠喩的言表の意味は、言表の字義通りの解釈の挫折から生じる、というところから出発しよう。字義通りの解釈をしようとすると、意味が自己解体してしまうのである。ところで、この意味の自己解体が、今度は、第一次の指示の崩壊を条件づける。この点において、詩的言述の全戦略が活動する。その戦略がめざすのは、隠喩的言表の自己解体によって指示を廃棄できることであり、その自己解体は、不可能な字義通りの解釈によって明らかにされる。……意味論的非関与性という観点からすると、意味の自己解体とは、言表全体のレベルからは、意味の革新の裏側にほかならない。つまり、語の字義通りの意味の〈よじれ〉によって得られる革新である。この意味の革新こそが、生きた隠喩をつくりあげるのである。》(308-309ページ)ここではとても重要なことが言われている。おそらくここにリクールの主張が要約されている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*新井高子さんよりE-mailで未來社ホームページ、アマゾンの『東北おんば訳 石川啄木のうた』宣伝文の差し替え案とどく。また別E-mailで本のメディア送り先の問合せ。~未來社ホームページの説明文は修正。新井さんに返信E-mailで修正の件と、マスコミ献本先を知らせ、ほかに送るべきところを教えてくれるよう伝える。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~新井さんより返信E-mail。未來社ホームページの修正は以前の分は削除してくれ、とのことだが、それは不要。献本リストはラベル送付とのこと。ややこしいのはWordで。メディア献本の追加案など。
*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「第一部 抽象的な権利ないし法」の「第一章 自分のものとしての所有」§50~§53、「A 占有取得」§54~§58、「B 物件の使用」§59~§64. 63節ではマルクスの「使用価値―商品価値」の区別につながるような価値論が論じられている。→「読み書き日録」。
*塩尻和子さんよりE-mailで『ホモコントリビューエンス』の初校校正をあす投函とのこと。略歴原稿を添付。
*きのうのジュンク堂で東松照明写真集『camp OKINAWA』など。アマゾンで『中国山地 過疎50年』が今月3冊目売れ(累計179冊)、『長崎の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計659冊)、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「II 地球環境の危機と対応」の「現代文明の危機と企業の行方」スミ。「II」の部、終り。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。《(純粋な)痕跡とは差延である。》(p. 92、原文イタリック、拙訳)《差延とは形式の形成である。しかし_¨もう一方で¨_それは刻印が刻印されること(l'e^tre-imprime+')である。》(p. 92、拙訳)痕跡=刻印が形成され、刻印されることそのものが差延(diffe+'rance)であるということだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/22(金)

掲載日:2017年9月23日

*「NO NUKES voice」13号で鵜飼哲さん、東京新聞女性記者のインタビューを読む。いずれも原発、東京オリンピック、安倍政治などへの厳しい現実批判を実践している。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*出版デジタル機構の関口さんにtel。FFFTPでアクセスできないことを伝え、再度実行してみるとなぜか接続できるようになる。「[新版]日本の民話」シリーズの全巻セット、地域別セットなどを作る場合、別のファイル、書誌データを作成して同様に入稿する必要あり。値づけなどの意見を聞く。~指定通りのフォルダを作成して、きのう作成した「[新版]日本の民話」シリーズ28巻~75巻+別巻4巻を圧縮したファイルをアップ。nyuko@pubridge.jpに書誌データをアップ。関口さん、水谷君にCc。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~萩原印刷・木村君にtel。地方別セットのようなものを作るには、収録巻目次のようなものを作って、各巻にリンクするようなことは可能か、調べてもらうことに。~出版デジタル機構の高階さんより返信E-mailでデータ受取りの連絡。~木村君からtel。地方別の表紙と目次があれば、わりと簡単にできそうということがわかる。全体を8つに分けた地図のある内容見本をあとで渡す。
*みずほ銀行外為部よりtel。中国の三聯書店からの『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』の中国語版権料入金の連絡。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が今月6冊目売れ(累計86冊)、『中国山地 過疎50年』が1冊目(累計104冊)、など。アマゾンでデリダ『嘘の歴史 序説』が2冊目(累計128冊)などポイエーシス叢書が2冊、ほかに[転換期を読む]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*Tファクトリーの平井さんにtel。『新宿八犬伝・完本』未納分は届いたことを確認。送料を上演料から差し引いて送金することを了承してもらう。~ゆうちょダイレクトにアクセス。川村毅さん口座に振込み。
*『ホモコントリビューエンス』初校の残り7本、出校。120ページ。合計で527ページになる。~加藤尚武さんにtel。講演に出かけているとのこと。~のち、校正と著作集内容見本の追加分をとどける。シュタイネックさんのメールアドレスを確認してもらう。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「II 地球環境の危機と対応」の「石油消費と温暖化対策」「地球環境問題と政治経済」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「第一部 抽象的な権利ないし法」の「第一章 自分のものとしての所有」§41~§49.《人間はしばしば他人の財にたいして欲望を起こすということは、まったくそのとおりである。だがまさにそのことが不法なのである。というのは、法は、特殊性にたいしてどこまでも無関係のままでいるところのものだからである。》(§49)これはヘーゲル的詭弁というものではなかろうか。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/21(木)

掲載日:2017年9月22日

*神戸会計事務所にtel。おとといメール送付したACELINK Navi記帳くん Version10 R3の次期データの件。インストールデータは届いているとのことだが、導入処理をしていなかったらしいので、してもらうことに。~のち、telあり。やはりメールが届いていないことがわかり、次期データのバックアップファイルからリストアしてファイルを開けるようになる。固定摘要一覧を印刷して、さらに追加削除分をくわえて神戸会計事務所にFAX。~のち、神戸さんよりtelあり。固定摘要の削除ずみインストールデータがE-mailで届く。再インストールに成功。これで入力ができるようになる。~ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。66期分の通信費、取次売掛金、書店売上げ、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。さらに67期分の11月までの分を起票&印刷。とりあえず確定しているものすべて終わる。11時15分すぎまでかかる。
*未來社ホームページの加藤尚武著作集刊行案内ページの確認と多少のデザイン変更。~萩原印刷クロスメディア部の三田さんにtelして確認してもらい、おおむねこれで十分。あとは書影などを順次追加と改定をすればいいのでは、と。~加藤尚武さんにtel。このページアップの連絡。内容見本が気に入ってくれたとのことで、追加を渡すことに。『ホモコントリビューエンス』の読みをしてくれている由。著作集第1巻の仮ゲラ校正も催促。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ゆうちょ銀行小石川支店からの現金引出しと切手購入を横山さんに頼む。~天野さんから『ホモコントリビューエンス』執筆者17名にゲラを送付。
*出版デジタル機構にアップするためのFFFTPでホスト名設定をして接続しようとするが、接続できず。~出版デジタル機構にtel。関口さんが会議中、おりかえしtelしてくれうとのことだが、結局、こなかった。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「II 地球環境の危機と対応」の「地球を早死にさせてはいけない」「環境倫理学の直面する課題」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*『東北おんば訳 石川啄木のうた』の本文一部抜きのQRコードを読み取り、音声を検証。問題なし。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのうのアマゾンで新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』が最初の予約2冊、マーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が今月2冊目売れ(累計190冊)、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。

日録2017/9/20(水)

掲載日:2017年9月21日

*「大学出版」111号に目を通す。科学書の執筆者、編集者の現場感覚。それぞれの哲学があるようだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*横山さんに加藤尚武著作集内容見本を推薦文執筆者の野家啓一さん、大井玄さんに送ってもらう。
*みずほeビジネスサイトにアクセス。きょうの出金(長期借入金返済)を確認。取引先2件に振込み。~東京都民銀行ビジネスダイレクトにアクセス。きょうの出金(長期借入金返済)を確認&印刷。~東京都民銀行インターネットバンキングにアクセス。振込み1件。~三菱東京UFJダイレクトにアクセス。取引先3件に振込み。
*宇田智子さんより返信E-mailできのう送ったコメントのお礼と『フォトネシア』を5冊仕入れてくれる。買い切り、委託の掛け率の問合せ。~水谷と相談した結果、どうせならもうすこしアイテムをふやして委託にしたらと提案の返信E-mail。~宇田さんから再返信E-mailで、直取引の件は相談してから連絡してくれる由。コメントといっしょにプロフィール原稿もほしいとのこと。~のち、「自己紹介.txt」に手を加えて返信E-mailでプロフィール原稿として宇田さんに送る。
*岸顯樹郎さんより『ホモコントリビューエンス』の装幀案4案とどく。
*『ホモコントリビューエンス』初校一回目出校、17本407ページ。
*加藤尚武さんにtel。著作集内容見本と『ホモコントリビューエンス』初校控え一式を届けることに。単行本未収録論文の紙版をとりあえずひと揃い預かることに。~3時すぎ、加藤さん宅へ届ける。単行本未収録論文用元原稿を段ボール6箱分、受取り。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*「トピックス」に「加藤尚武著作集の刊行がいよいよ2017年11月より隔月で刊行予定となりました。」の記事を作成して未來社ホームページにとりあえずアップ。あとで天野さんに推薦文を追加してもらう。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「II 地球環境の危機と対応」の「応用倫理学の領域」「環境倫理学の視点」「環境問題の三つの原理」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*ダーチャ・マライーニ『ある女の子のための犬のお話』初校通読つづける。pp. 77-104. 2話分、訳者あとがきもスミ。~天野さんに戻し。→「読み書き日録」。
*吉田義昭詩集『結晶体』通読。妻の死を記録するように書いた読むのもつらい詩集だ。〈「生きろ」と、自分に向かって語れる者は幸せなのかもしれない。「生きていることの尊さ」に気づいた者はきっと不幸を背負っている者なのだ。〉(「家族という病」)――なんとも重いことばだが、真実だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。デリダは《原-エクリチュール、差延(diffe+'rance)の運動》(p. 88) と同格づけしている。現前(pre+'sent)と痕跡(trace)の問題も論じられていく。→「読み書き日録」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第五研究 隠喩と対象指示」のはじめ~1節。《〈文学〉とは、もはや外示的意味【コノタシヨン】はもたず、共示的意味【デノタシヨン】しかもたないような種類の言述のことである。》(293ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/19(火)

掲載日:2017年9月20日

*「図書」9月号に目を通す。加藤典洋氏が特高時代の父の罪業について書いているが、親子の葛藤をどうしていまごろこういう場所で明らかにしようとしているのだろう。エディプス的なものがあるのか。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「I バイオエシックスの課題」の「癌の告知は相当か否か」「脳死臨調の中間意見をめぐって」「宗教的信念と法的権利」「エイズ対策と国民のリスク負担義務」「安楽死と自己決定の条件」スミ。これで「I」の部、終了。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*宇田智子さんより「A book in the life of RYUKYU 私のおきなわの本」フェア協力のお件で再E-mail。~宇田さんにtel。他社本で推薦はむずかしいので『フォトネシア』についての思いを書かせてもらい、本も仕入れてくれることに。《わたしが沖縄の思想や運動に出版を通じて深くかかわるようになったのは、仲里効さんとの仕事を通じてですが、とりわけこの『フォトネシア――眼の回帰線・沖縄』(2009年)は、その後の沖縄写真家シリーズ〈琉球烈像〉全9冊刊行という無謀とも言える大事業の導火線にもなった感慨深い一冊です。明快でクリアーな批評の力が沖縄の無類の潜勢力を指し示しています。》という文面を宇田さんに送る。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*加藤尚武著作集内容見本できる。いよいよ未來社ホームページに案内記事をアップする必要あり。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ダーチャ・マライーニ『ある女の子のための犬のお話』初校通読つづける。pp. 51-75. 5話分、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*神戸龍典さんにtel。67期用ファイル作成の確認。固定摘要の削除と修正の件も。それができたらインストールデータ再作成をしてデータを送る必要あり。~とりあえず次期データ作成、期首残高移送の処理。固定摘要の削除はできないことがわかり、削除予定のものに赤い付箋を付ける。~インストールデータ再作成でデータをE-mail送付(メールソフトは自動的にMicrosoft Outlookになる。これで届くかどうか不安なので、Gmailでも連絡。
*新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』の本文、扉の一部抜き、とどく。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『最後のユダヤ人』が今月1冊目売れ(累計76冊)などポイエーシス叢書が2冊、ほかに『法の帝国』『ドイツ中世後期の世界』など。おととい、きのうのアマゾンで『父ちゃんは写真家――平敷兼七遺作集』が1冊目(累計40冊)、木村友祐『イサの氾濫』が6冊目(累計622冊)、ほかに[転換期を読む]シリーズが2冊、[私の日本地図]16冊。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第四研究 類似の作業」の4節。この節で論の対象となるのはポール・ヘンリとマーカス・B・へスターである。第四研究、読了。《陳腐な隠喩と詩的な隠喩との違いは、一方がパラフレーズされ得るが、他方はそうでない、ということではなく、詩的隠喩のパラフレーズは、やり出したらはてしないということである。》(255ページ)この隠喩的把握はすばらしい着眼だ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/18(月=敬老の日で休み)

掲載日:2017年9月19日

*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「緒論」§30~§33。緒論、終り。《概念の運動原理は、普遍的なものの特殊化したもろもろのあり方をただ解消するばかりではなくて、産出しもするものとして、私はこれを_¨弁証法¨_と呼ぶ。》(§31)弁証法の定義のひとつ。ここから《もっと高い、概念の弁証法とは、規定をたんに制限や反対物として産出するのではなくて、規定から_¨肯定的¨_な内容と成果を産出し把握すること――このことによってのみ規定は_¨展開¨_ないし_¨発展¨_であり、内在的な前進であるとして――である。それゆえ、この弁証法はなにか主観的な思惟の_¨外的¨_な行ないではなくて、_¨内容自身のたましい¨_であり、有機的にそのもろもろの枝や果実を生じるのである。》(§31)となるわけである。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ダーチャ・マライーニ『ある女の子のための犬のお話』初校通読はじめる。p. 49まで。5話分、スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。Hjelmslevによるglosse+'matique(言理論)を一定評価しつつ、archi-e+'critureのほうが表記的表現ばかりでなく非-表記的表現まで対象にしうるという点での優位性を強調する。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第四研究 類似の作業」の2節~3節。→「読み書き日録」。
*きのうのジュンク堂で「[新版]日本の民話」シリーズが5冊売れ(累計1803冊)、など。アマゾンは内部エラーで見られず。
*『世界の文学43/フォークナー』で「サンクチュアリ」18節の途中まで。→「読み書き日録」。
*ビデオで韓流ドラマ「オクニョ」第24回を見る。

日録2017/9/17(日)

掲載日:2017年9月18日

*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「I バイオエシックスの課題」の「自己決定権の限界」「病名の告知と信頼関係」「医師はひとりの患者だけを診るのではない」「痛みを緩和する『思いやり』」「議論と紹介の現状」「遺伝子治療と人間改造の可能性」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*北川朱実詩集『夜明けをぜんぶ知っているよ』通読。このひとはショート・ストーリーに向いているのかもしれない。プロットのある展開のほうが細部の観察力と描写力が生きてくるんじゃないか。「水の中の用意された一日」などはその一例。行分け詩の場合、書き込みがそのぶん足りない気がする。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「緒論」§18~§29。《意志は普遍性を、つまり無限な形式としての自己自身を、自分の内容、対象、目的としている以上、_¨即自的に¨_自由な意志であるばかりではなく、同様にまた_¨対自的に¨_も自由な意志――真の理念である。》(§21)《およそ現存在が、_¨自由な意志の現存在¨_であるということ、これが_¨法¨_ないし_¨権利¨_である。――法ないし権利はそれゆえ総じて自由であり、理念として有る。》(§29)ここで法ないし権利はいずれもRechtであって、それが自由であるという場合、〈権利〉として理解したいところだが、ヘーゲルの場合はかならずしもそうでない。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『鮎川信夫全集IV 評論III』再読つづける。「詩と政治と表現の問題」の途中~終り。さらに「戦争責任論の去就」。この文章は鮎川としてもみずからの思考の弱点を端的に語っている重要な文書である。鮎川の〈近代〉を論じるうえで手がかりにすべきものだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie pp. 85-87. 第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。イェルムスレウとコペンハーゲン学派の問題設定の拡張の評価。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂でマーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が今月3冊目売れ(累計176冊)、など。アマゾンで『暗黒の大陸』が1冊目(累計189冊)、仲宗根勇・仲里効編『沖縄思想のラディックス』が1冊目(累計33冊)、ほかにシュミット本が2冊、ポパー『開かれた社会とその敵』が2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第四研究 類似の作業」のはじめ~1節。《アリストテレス以後、彼が隠喩と直喩の間に認知していた関係は逆転する。直喩はもはや隠喩の一種ではなく、隠喩こそ直喩の一種なのである。つまり短縮した直喩なのである。比較の辞項の省略だけが隠喩を直喩から区別する。》(224-225ページ)《構造言語学は、二分法的熱意をもって、転義的比喩の複雑な表を極端に単純化する方向に進み、ついに今やそこには隠喩と換喩しか残らなくなってしまった。換言すれば、類似と隣接性のみ、というわけである。》(225ページ)《ヤコブソンの天才ぶりは、この本来比喩論的、修辞学的な二元性を、もっと根本的な両極性に、つまり言語の比喩的な用法だけでなく、言語の働きそのものにかかわる両極性に結びつけたところにある。隠喩性と換喩性とは、文彩や転義的比喩を名づけるだけにとどまらず、以後、言語の一般的な過程を指すようになる。》(225ページ)ここではたてつづけに重要な指摘がなされている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/16(土)

掲載日:2017年9月18日

*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第三研究 隠喩と言述の意味論」の4節途中~終り。第三研究、スミ。この節はモンロー・ビアズリーの文芸批評的隠喩論を検討している。これはブラックの隠喩論をさらに推し進めるものとして注目していい。ビアズリーの理論は、《隠喩的言表の、発明的、革新的性格》を強調し、《二重の利点をもたらす》。その第一は、《比喩的な意味と本来の意味という古めかしい対立の土台がまったく新しくされたことである。本来の意味とは、語に登録された語彙的な意味作用、つまりその語の明示作用をなす意味作用にしか訴えない言表の意味のことである。比喩的な意味とは、語の逸脱した意味ではなく、特定の主語に、様態辞の共示的価値を賦与するところから出てくる言表全体の意味である。》その第二は、《外示を共示に移動させる意味論的衝突は隠喩的属性賦与に、独自の性格だけでなく、つくりあげられた性格を与える。辞書に隠喩はなく、それは言述にしか存在しない。》(いずれも209ページ)わかりにくいが、隠喩は語のレベルを超えて言述のレベルで意味賦与されるものであるということだ。したがって、《斬新な隠喩はどこからも引きだされない、と言いきることは、隠喩をあるがままで認めること、つまり言語の瞬間的な創造として認めることである。それは外示としてでも、共示としてでもない、要するに既定のものとして言語の中に位置をもたない、_¨意味論的革新¨_である。》(212ページ)ということになる。隠喩は〈瞬間的な創造〉として新しく出現するが、それはいずれ明示的な隠喩として辞書的に登録されていく。それはすでに〈死んだ隠喩〉である。したがって《真正の隠喩だけが、つまり生きた隠喩だけが、出来事であると同時に意味となるのである。》(214ページ)ここがリクールの主張になってくるのだろう。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*「THROUGH THE WIND」37号に目を通す。原田勇男が巻末のあとがきで昨年刊行された現代詩文庫版『原田勇男詩集』のことを書いており、《評論のなかで初めて本格的な「炎の樹」論を展開してくれた野沢啓さん》ほかへの感謝のことばを書いている。《少し照れ臭い思もする》とも。正直で謙虚なひとだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で『時ならぬマルクス――批判的冒険の偉大と逆境(十九―二十世紀)』『開かれた社会とその敵』など。アマゾンでジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が今月5冊目売れ(累計85冊)、『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が2冊目(累計308冊)、『若狭・越前の民話 第一集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計658冊)、ほかに山田實写真集『故郷は戦場だった』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「緒論」§8~§17。《たんに概念からいって意志であるだけの意志は、即自的に自由であるが、同時にまた不自由でもある。というのは、意志は真に規定された内容としてはじめて真に自由といえるだろうからであって、このとき意志は対自的に自由であり、自由を対象としており、自由そのものである。》(§10)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『鮎川信夫全集IV 評論III』再読つづける。「翻訳詩の問題」のつづき。「詩と政治と読み書き日録」「twitter.com/nstn49twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「I バイオエシックスの課題」の「ホスピスとビハーラ」「パターナリズムと成人の条件」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。

日録2017/9/15(金)

掲載日:2017年9月16日

*『齋藤恵美子詩集』(現代詩文庫) の未読分を読む。作品論などを読むと、この詩人の力量が並のものでないことが強調されている。既読詩集を読み直してみる必要あるかも。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*水谷君に出版デジタル機構用の「[新版]日本の民話」シリーズ追加分の書誌データ用資料渡し。~のち、書誌データ受取り。
*みずほeビジネスサイトにアクセス。きょうの入出金を確認&印刷。取次入金、ほか。
*加藤尚武さんにtel。『ホモコントリビューエンス』の幸津國生論文の件。結局、確認する箇所が1箇所あるので、確認できしだい渡せるとのこと。~のち、行く。加藤さんの分4本もあわせて受取り。『哲学原理の転換』仮ゲラ渡し、内容見本用に借りた写真2枚の返却。~天野さんから入稿へ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*東京琉球館の島袋マカトさんにtel。売上金と返品の引取りにあとで行くことに。~のち、売上金を受取り。
*紀伊國屋書店電子書籍営業部の名越さんにE-mailで「[新版]日本の民話」シリーズ51巻以降の書誌データを添付で送付。~のち、telあり。Epubデータも書誌データも届いたとのことで、1箇所訂正を確認。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~のち、登録完了のE-mail。さらに販売開始の連絡E-mail。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「I バイオエシックスの課題」の「助け合いの倫理と献身の倫理」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*庄娜さんよりE-mailで三聯書店から『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』契約前払い金振込みのための銀行のSWIFT CODEが間違っていると言われている由。~みずほ銀行本郷支店にtel入れして確認。変更になっていて「MHCBJPJT」が正しいとのこと。~庄娜さんに返信E-mailで連絡とお詫び。~庄娜さんより了解の返信E-mail。
*昼休み、食事をかねてゆうちょ銀行小石川支店へ。現金引出し。~東京都民銀行春日町支店普通預金口座へ預金。~東京都民銀行インターネットバンキングにアクセス。入金を確認し、19日付けで当座に振替。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票。現金預入。出納帳(現金)に記帳。
*きのうのジュンク堂でマーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が今月2冊目売れ(累計175冊)、ジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が4冊目(累計84冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが3冊(累計1798冊)、など。アマゾンでNagakura 長倉洋海写真集』が2冊目(累計24冊)、デリダ『赦すこと――赦し得ぬものと時効にかかり得ぬもの』が1冊目(累計307冊)、『甲斐の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計657冊)、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。

日録2017/9/14(木)

掲載日:2017年9月15日

*『加藤尚武著作集第1巻 ヘーゲル哲学のなりたち』『ホモコントリビューエンス――滝久雄・貢献する気持ちの研究』の新刊案内原稿に手を入れて天野さんに戻す。
*「[新版]日本の民話」シリーズのEpub版完結にともない、書誌データの作成を水谷君に伝える。社内LANにある既成データを参考にすればよさそう。
*出版デジタル機構にtel。「[新版]日本の民話」シリーズの続刊のアップの件。担当者からおりかえしtelしてもらうことに。~関口さんよりE-mailで詳細。~tel入れして確認。データ入稿はFTPで、書誌データはE-mailで送る。ただしフォーマットはかなり変更あり。~「コンテンツ入校方法のご案内【書籍】」を印刷。新フォーマットのエクセルシートもダウンロード。~のち、関口さんより入稿用のFTPサイトのお知らせE-mail。
*紀伊國屋書店電子書籍営業部の名越さんにtel。「[新版]日本の民話」シリーズの続刊のアップの件。51巻からのデータをCDで送ることに。地域別セット、全巻セットを割安で提供することを考えていると伝える。書誌データがあれば、カップリングすることはできる由。~51巻-75巻、別巻1巻-4巻をCDに焼いて名越さんに送付。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~名越さんよりE-mailで書誌データは51巻以降が必要との連絡。
*『ホモコントリビューエンス』収録予定の朱坤容「先秦儒家学説における奉献心についての一考察――墨子、荀子と孟子を中心に」読む。これですべての原稿を読了。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月2冊目売れ(累計90冊)などポイエーシス叢書が3冊、など。アマゾンで『岩手の民話』『埼玉の民話』各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計656冊)、ほかに[転換期を読む]シリーズが2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*岸顯樹郎さんよりFAXで加藤尚武著作集の全巻内容のデータをE-mailで送ってほしいとの連絡。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。取次入金、20日支払い分、直販売上げ、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第三研究 隠喩と言述の意味論」の3節、読む。この節はマックス・ブラックの隠喩解釈について。いまや古典と評価されているブラックだが、リクールの説明だけではよくわからず。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。ここでようやく〈原エクリチュールarchi-e+'criture〉という新しい概念が出てくる。《われわれがエクリチュールと呼びつづけるのは、それがエクリチュールの通俗的な概念と本質的に通ずるものがあるゆえでしかない。この通俗概念が歴史的にみずから押し通すことができるのは、原エクリチュールの隠蔽によってのみであり、パロールがみずからの他者であり分身でもあるものを追い払い、その差異を削減しようとするその欲望によってのみである。われわれがこの差異をエクリチュールと名づけることにこだわるとすれば、それは、歴史的抑圧の辛苦のなかで、エクリチュールが状況しだいではこの差異のもっとも怖ろしい部分を意味するべく宿命づけられていたからである。エクリチュールは、そのもっとも周辺的な部分では、生きたパロールの欲望を脅かすものであり、そして内側から、始まりのときから、パロールに_¨切りつける¨_(entamer) ものだったからである。》(83ページ、拙訳)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『世界の名著35/へーゲル』の『法の哲学』の「緒論」§5~§7。《人間は自己自身の純粋な思惟であって、思惟するものとしてのみ人間は、おのれに普遍性を与えるという力なのである。》(194ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/13(水)

掲載日:2017年9月14日

*上村忠男さんからE-mailでエッセイ集の企画の話。10月7日(土)に外大でホワイトの『メタヒストリー』についてのワークショップがあり、上村さんも発表があるので来ないか、との連絡。
*「みすず」9月号に目を通す。→「読み書き日録」。
*10時すぎ、幡ヶ谷のアタマトテ・インターナショナルへ。『東北おんば訳 石川啄木のうた』の色校、本文白焼きを受取り。カバーにマットニス加工の指定。~10時50分すぎ、出社。~萩原印刷に連絡。色校責了、ほかはすべて校了で戻す。~のち、tel入れして確認。問題なし。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*東京都民銀行春日町支店にtel。深田さんがいないので寺内課長に2時ごろ、行く旨を伝える。~のち、深田さんよりtel。2時にはふたりともいないので、窓口に伝えておくとのこと。~1時すぎに行く。寺内さんがいたので、キャッシュカードの喪失届けの手続き、預金、約束手形帳1冊の受取り。
*『ホモコントリビューエンス』収録予定の李萍「中国近代における奉献心を否定する主な思潮についての一考察」読む。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。
*未來社流通センターよりE-mailで15日の入金表(「66期取次入金票.xls」)とどく。
*おととい、きのうのアマゾンでジャック・デリダ『嘘の歴史 序説』が今月1冊目売れ(累計127冊)などポイエーシス叢書が2冊、木村友祐『イサの氾濫』が5冊目(累計621冊)、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』が1セット、丸山眞男『[新装版]現代政治の思想と行動』が2冊、など。ジュンク堂でデリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が2冊目(累計82冊)などポイエーシス叢書が2冊、ほかに[転換期を読む]シリーズが2冊、仲里効編『眼は巡歴する――沖縄とまなざしのポリティーク』、川満信一・仲里効編『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第三研究 隠喩と言述の意味論」の2節、読む。この節はI・A・リチャーズ『修辞学の哲学』を主として論じる。《言語は本質的に隠喩的である。つまり言語はこれまで理解されなかった事物の関係をはっきり示し、その理解を恒久化する。》(218ページ注)これはI・A・リチャーズが引用したシェリーのことばである。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/12(火)

掲載日:2017年9月13日

*5時ごろ、目が覚め、きのう萩原印刷メディア事業部の三田さんから紹介してもらったwebページをいろいろチェック。とりあえず加藤尚武著作集の目次だけでも見られるようにする必要あり。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第三研究 隠喩と言述の意味論」の1節の途中~終り。ラングの言語学/記号論性【ル・セミオティク】と言述の言語学/意味論性【ル・セマンティク】というバンヴェニストの設定。《記号論性は言語内関係しか知らない。意味論性のみが記号と外示された事物との関係を、つまり究極にはラングと世界の関係を引き受ける。》(165ページ)リクールの立ち位置はこの言述の言語学=意味論的隠喩論である。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の仮ゲラの通読+ファイル修正、つづける。「I バイオエシックスの課題」の「危険を冒す権利と『他人への危害の原則』」「誰が医療を行なうか」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*「[新版]日本の民話」シリーズの51~75巻、別巻1~4巻を解凍。フォルダ名の間違いをかなり直す。Epub版を開こうとしてWindows Media Playerを使おうとして失敗。~のち、木村雅巳さんにtel。Kinoppy for Windowsをダウンロードしたあとのコントロールパネルを使って規定値の変更で関連づけを変更の方法を教えてもらう。→「twitter.com/miraishajp」。
*萩原印刷より『東北おんば訳 石川啄木のうた』のツキモノの色校、本文の白焼き、とどく。あす戻し。~榎本了壱さんにtel。6時半ぐらいに持参。あす朝、引取りという予定にする。~幡ヶ谷のアタマトテに寄り、榎本さん、蛭田恵美さんに挨拶(初めて)、のツキモノ色校一式、本文白焼きを渡す。→「twitter.com/miraishajp」。
*全体会議(4時~6時)。未來社流通センターから宮川君、参加。

日録2017/9/11(月)

掲載日:2017年9月12日

*「UP」9月号に目を通す。隈研吾氏の東大建築科にたいするアンビヴァレントな批判的言及は、国家主導の発注システムに乗っかって恩恵を受けた分、東日本大震災以後、東京オリンピックで試練にさらされるとしている。原発後の日本を世界に見せられなければ、「世の中から用がないものとして、忘却されるに違いない」と悲壮な覚悟だ。→「読み書き日録」。
*手形、小切手渡し=各社。
*東京都民銀行春日町支店にtel。約束手形帳1冊を注文。13日午後以降、受取り可能。
*横山さんから受け取った加藤尚武著作集収録依頼用一覧のデータをチェック。掲載年月が不備なので追加と修正をしてもらうよう戻す。
*文化産業信用組合本店にtel。手形引取りの依頼の件。~のち、新井さんよりtelあり。来社。手形渡し。
*FFFTPで萩原印刷FTPサイトへアクセス。「[新版]日本の民話」シリーズ別巻1~4巻のEpub版をダウンロード。これで全巻のデータがそろう。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*加藤尚武著作集第4巻収録予定の『哲学原理の転換』の仮ゲラ印刷。本文141ページ、注1ページ。
*加藤尚武著作集第9巻収録予定の『二十一世紀のエチカ――応用倫理学のすすめ』の天野さん修正すみ分の仮ゲラの通読+ファイル修正、はじめる。「I バイオエシックスの課題」の「高齢化社会と生命の質」「子どもは誰のものか」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*岸顯樹郎さん、来社。加藤尚武著作集の装幀案いろいろ持参するが、大きな修正が必要。全巻内容もプリントして渡す。用紙などについてもいろいろ検討。あわせて『ホモ・コントリビューエンス』の装幀も依頼。→「twitter.com/miraishajp」。
*「季刊 未来」秋号の小林康夫「オペラ戦後文化論II-7」の初校、出校。チェック、追加をくわえて責了で天野さんから戻す。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*アタマトテの蛭田さんよりE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』最終修正ファイルとどく。修正分だけ。~確認して問題なし。~萩原印刷・中山君にtel&E-mailで修正分とそのまえにきていた全ページ分PDFを転送。~蛭田さんにもお礼の返信E-mail。あす夜、ツキモノ色校を届けることを伝える。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。~中山君からtel。印刷用のPDF(単ページ、X1-A形式)がほしいとのこと。~蛭田さんにtel。ルビに一部外字を使っているのでアウトライン化する必要があり、7時ぐらいになってしまう由。~のち、蛭田さんからE-mailでファイルポスト便のアドレス連絡があるのに気づき、8時ごろ、中山君に転送。~中山君からtelあり、問題なしとのこと。
*きのうのジュンク堂で『越後の民話 第一集』が1冊売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1795冊)、ほかに『宮本常一著作集』が2冊、など。アマゾンでNagakura 長倉洋海写真集』が今月1冊目(累計23冊)、『中国山地 過疎50年』が2冊目(累計178冊)、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』が1セット、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*東京都民銀行ビジネスダイレクトにアクセス。きょうの出金(手形決済)を確認。~みずほeビジネスサイトにアクセス。きょうの出金を確認&印刷。
*加藤尚武著作集を未來社ホームページにアップする件で、萩原印刷メディア事業部の三田さんにtel。ブログ記事のままでもテキスト、画像をアップすることは可能。とりあえず情報をアップしてから、必要があれば手をくわえることに。参考になるwebページを紹介してもらうことに。~三田さんからE-mailで5件ほど教えてもらう。
*新井高子さんからE-mail。オーストラリアに着いた由。本の進行のお礼。

日録2017/9/10(日)

掲載日:2017年9月11日

*『世界の名著35/へーゲル』で『法の哲学』読みはじめる。まずは長い序文を読む。訳注も多くて長い。《自然の認識とちがっている点は、法のおきてのばあいは考察の精神が起こることであって、もろもろの法律のちがいということがもうそれらの法律は絶対的ではないということに注意させる。法のおきては_¨さだめおかれたもの¨_、人間に_¨由来するもの¨_である。》(159ページ)これがへーゲルの法にたいする基本姿勢か。《理性的であるものこそ現実的であり、/現実的であるものこそ理性的である。》(169ページ、全文傍点付き)これはたしか『精神現象学』にあることばじゃなかったかな。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*「季刊 未来」秋号のために書いた「[出版文化再生30]ある編集者の一日」を「[出版文化再生II-22]として取り込み、ココログの「出版文化再生」ブログと未來社ホームページの[出版文化再生]ブログにアップ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。~ついでに「TOPICS」の記事も最新情報をアップ。これにともない、AjaxPlorerで「アーカイヴ」ページ用の「archive_index.html」を直接編集して書き換え、ダウンロード。
*倉橋健一詩集『失せる故郷』通読。〈不思議な孤独の達成点をもった一角獣〉サイに擬して〈生き延びる最後の機会〉を得たいとする詩人の、老境をも乗り越えようとする想像力のもたらすイメージ世界はいまだ若々しく健在で、励まされる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『鮎川信夫全集IV 評論III』再読つづける。pp. 390-419.『死の灰詩集』論争などは相手のレベルが低すぎて鮎川の相手にならないが、鮎川の批判的言説も通り一遍でしかない。状況的把握は的確だが、理論的裏づけはあまりないひとだったことがよくわかる。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第23回を見る。
*きのうのジュンク堂でジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が今月1冊目売れ(累計81冊)、木村友祐『イサの氾濫』が1冊目(累計200冊)、『大分の民話 第一集』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1794冊)、ほかに仲里効編『眼は巡歴する――沖縄とまなざしのポリティーク』など。アマゾンでシュミット本が4冊、ポパー『開かれた社会とその敵』が2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*第二次「走都」創刊号の「鮎川信夫の方法(1)」を読みなおす。連載2回目をそろそ書きはじめる必要あり。→「読み書き日録」。

日録2017/9/9(土)

掲載日:2017年9月10日

*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第二研究 隠喩と語の意味論」の5節の途中~終り。第二研究、読了。《語義変換と論理変換の区別で、依然として真実であるのは、語義変換が、語のレベルで偏差を指示すること、その語を通して言表が意味を回復することである。しかしこの偏差が、言表全体に関係する意味論的現象の、語への効果にほかならないことを認めるならば、その新しい意味をもつ言表全体をこそ隠喩と呼ぶべきであって、言表全体の意味の変動を語に焦点を絞る、範列的偏差のみを隠喩と呼ぶべきではないのである。》(139ページ)《隠喩=言表理論のみが、文彩を言述理論の枠に置きかえることによって、〈語への還元〉が閉じてしまう、意味と指示作用の問題を開くことができるのである。》(146ページの注)リクール隠喩論の問題は、隠喩の創造の理論というよりも既成の隠喩の解釈学的了解の理論にすぎない。しかし、ここで言われていることは(わかりにくいが)隠喩を、語のレベル(偏差、代置)でなく、語の偏差をふくむ言表全体の問題として捉えようとしていることである。このあとの研究を期待しよう。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*新井高子編著『東北おんば訳 石川啄木のうた』の四校PDFを印刷して通読のつづき。四部~五部、ノート、おわりに、編著者経歴、奥付、広告ページ。すべて読了。修正点と疑問点をE-mailに書き出し、新井さん、アタマトテの榎本さん、蛭田さんに送付。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。~新井さんから返信E-mailでお礼と確認。あすからオーストラリアへ。
*きのうのジュンク堂でマーク・マゾワー『暗黒の大陸――ヨーロッパの20世紀』が今月1冊目売れ(累計174冊)、中島吉弘『梯明秀の物質哲学――全自然史の思想と戦時下抵抗の研究』が1冊目(累計9冊)、ほかに川満信一・仲里効編『琉球共和社会憲法の潜勢力――群島・アジア・越境の思想』など。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が4冊目(累計620冊)、『出雲の民話』『阿波の民話 第二集』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計654冊)、ほかに丸山眞男本が2冊、土本典昭本が2冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie の第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。ソシュールに追随するA. マルチネの批判。→「読み書き日録」。
*加藤尚武著作集第4巻収録予定の『哲学原理の転換――白紙論から自然的アプリオリ論へ』の単行本最終データと入校用データのファイル比較を秀丸上でおこないながら通読、再開。「第8章 心身論史――『離存』問題の跡をたどって」スミ。あとがき、初出一覧までスミ。これでこの本もスミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。

日録2017/9/8(金)

掲載日:2017年9月9日

*「現代詩手帖」9月号、読了。森本孝徳の荒川洋治論が意外にも特集では出色の出来で、若い世代の批評として異和感を具体的にしめしている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集内容見本のチェック。印刷部数を決定、色は両面4色とし、入校。
*小林康夫さんにtel。まだ自宅にいることを確認。~きのう追加原稿をくわえた「季刊 未来」秋号の原稿「オペラ戦後文化論II-7」の赤字をファイル修正して印刷。Brother HL-2240Dがトナーを替えても動かず(あとでUSBケーブルの抜き差しで直る)、社内LANのプリンタで印刷。小林さん宅にFAX&tel。~のち、telあり。追加修正を聞き、ファイル修正、再印刷をして入校へ。天野さんに渡す。データは萩原印刷・中山君にE-mailで送付。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*10日用資金振替いろいろ。
*蛭田恵実さんからE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』の四校PDFと修正したカバーのPDFとどく。四校をダウンロード。読むしかない。~萩原印刷・中山君に相談。本文は月曜でも間に合うらしい。ツキモノはきょうじゅうに必要。完全版であればPDFで大丈夫とのこと。~榎本了壱さんにtel。バーコードをE-mail送付すればカバーに貼り付けて返送してくれるとのことで、バーコードの情報を転送。~新井高子さんにtel(留守電)で素読みする予定を伝える。~新井さんからE-mailでお礼と俵万智さんから帯の了解がとれたとの連絡。~四校も印刷しながら読み直しとチェックをはじめる。三部まで、スミ。→「読み書き日録」。~蛭田さんからE-mailでつきものデータのダウンロードページのお知らせE-mailとどく。~中山君に転送。~アタマトテにtel。蛭田さんにお礼と、本文のとりあえず見つけた修正点2点を伝える。残りはあすぐらいまでに終わらせて、修正点があればFAXすることに。
*岸顯樹郎さんよりtel。月曜に加藤尚武著作集の装幀案をいくつか持参してくれるとのこと。
*きのうのジュンク堂で『沖縄の民話』が1冊目売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1793冊)、など。那覇店が沖縄関連書3冊とがんばっている。アマゾンで木村友祐『イサの氾濫』が今月2冊目(累計618冊)、ジャック・ラングほか『ミケランジェロ』が1冊目(累計6冊)、ほかにシュミット本が3冊、など。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*e-Taxソフトで8月分の源泉徴収税の申告書(給与分、原稿料・編集料分)を作成=申告・申請等の一覧から選択~帳票編集で作成~保存(別名保存)~「作成完了」~「送信」ボタンで送信。さらに「メッセージボックス」の帳票を選択して11日付けで「ダイレクト納付」。
*天野さんより『ホモ・コントリビューエンス』の関根清三「『貢献心』は本能か?――オペラに基づく批判的考察」の入校用仮ゲラ、受取り。~チェックして天野さんにもどし、入校へ。
*萩原印刷より「季刊 未来」秋号の佐々木力「ニーダム難題に挑む――中国論・論中国・On China 11」三校、深井智朗「一八一七年のナショナリズム 宗教改革三百周年――宗教改革から五百年3」の初校、西谷の「[出版文化再生30]ある編集者の一日」の初校、出校。責了でもどす。西谷の分は校了。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*「66期みずほ当座残高表.xls」最新版、作成&印刷。
*11日の支払いのための約束手形、小切手、作成。
*萩原印刷の中山君よりE-mailで「[新版]日本の民話」シリーズ」別巻4冊のEpub版をFTPサイトにアップしたとの連絡。これでEpub版がすべてそろう。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第二研究 隠喩と語の意味論」の4節~5節の途中。《新修辞学〔ヌーヴェル・レトリック〕は、転義理論をより形式的なだけの用語で再定式化したものに還元できるようなものでは断じてない。新修辞学はそれよりも、文彩【フィギュール】理論に、その全体的な大きさをとりもどさせることをもくろんでいるのである。》(97ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/7(木)

掲載日:2017年9月8日

*柄谷行人『世界史の構造』(岩波現代文庫) の「第四部 現在と未来」の「第二章 世界共和国へ」のはじめ~6節。この章、第四部、読了。あとがきも読み、ようやく読了。《資本主義の揚棄は、それが同時に国家の揚棄をもたらすものでなければ、意味がないのだ。》(458ページ)《産業資本は、あくまで商品交換の原理を貫徹しつつ、剰余価値を得るというシステムである。旧来の「階級闘争」の観念をもちこむことでは、それに対して対抗することはできない。だが、それは「階級闘争」が終わったということを意味するのではない。資本と賃労働という関係から来る対立は、それが揚棄されないかぎり、終わることはない。》(461ページ)《産業資本におけるプロレタリアは新たな消費者として出現したのだ。つまり、労働者が同時に、彼らが生産した物を買いもどす消費者としてあらわれるときに、産業資本主義ははじめて、自己再生的システムとして自律性を獲得するのである。》(465ページ)《われわれは、カントはへーゲルによって乗り越えられ、へーゲルはマルクスによって乗り越えられたというような通念を斥けなければならない。われわれはむしろ、カントを、各地の資本と国家への対抗運動やコンミューンが分断され対立させられないようにするにはどうすればよいのか、という問題意識から読み直すべきである。》(487ページ)この本は独自の交換様式論から主として国家と経済を軸にして世界史を解読するという方法で、予想に反してヘーゲル的世界史とはほとんど接点がなかった。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*深井智朗さんから「季刊 未来」秋号の原稿「一八一七年のナショナリズム 宗教改革三百周年――宗教改革から五百年3」の仮ゲラ修正とどく。~深井さんからE-mailもあり。~ファイル修正。今度は14行も足らなくなっていることがわかり、telしてその分を復元。ぴったり収まることになる。
*佐々木力さんから速達で「季刊 未来」秋号の「ニーダム難題に挑む――中国論・論中国・On China 11」初校校正の該当部分とどく。加筆分あり。入力して責了でもどす。追加分データはE-mailで送付。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*フランス著作権事務所から天野さん経由でダーチャ・マライーニ『ある女の子のための犬のお話』の出版契約書とどく。
*新井高子さんからE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』の追加修正の連絡。
*萩原印刷・中山君からtel&E-mail。『東北おんば訳 石川啄木のうた』の見積書とスケジュール表とどく。25日に見本予定。→「twitter.com/miraishajp」。
*きのう書いた「季刊 未来」秋号の「[出版文化再生30]ある編集者の一日」原稿読み直しと修正。天野さんから入校へ。データはほかの分とあわせて萩原印刷・中山君にメール送付。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*小林康夫さんからtel。「季刊 未来」秋号の原稿「オペラ戦後文化論II-7」の追加分の件。きょうの夜遅くになりそう。すでに仮ゲラになっている部分の校正はFAXする由。広告を移すことになったので、さらに18行使えることになった。~夜、E-mail3便で追加分の原稿とどく。~データを取り込んでテキスト処理。ほぼピッタリそうだが、あす印刷してFAXすることに。~小林さんに返信E-mailでその旨、伝える。~返信E-mailあり。
*きのうのジュンク堂で『Hiromi Nagakura 長倉洋海写真集』が今月1冊目売れ(累計7冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが3冊(累計1792冊)、など。アマゾンで『伊豆の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計652冊)、ほかに[私の日本地図]シリーズが3冊、など。
*8月22日以降の売上げ伝票のチェック。~「66期月別売上げ台帳.xls」8月、9月最新版、作成&印刷。
*横山さんから8月分支払い表の素案を受取り。~「66期月別支払い表.xls」8月末版を作成&印刷。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。8月分売掛金・未払金、11日の支払手形、小切手、源泉徴収税、預金振替、ほか。出納帳(現金、振替貯金)に記帳。
*李萍氏から返信E-mailで『ホモ・コントリビューエンス』への原稿収録依頼の承諾書PDFとどく。
*小林坩堝『エンド・ロール』読む。薄いが一篇の長詩でできていて、主語が〈わたし〉〈おれ〉などと自在に変わっていくところは、これまでもそうだった気がするが、〈あなた〉〈おまえ〉といった対象を求めて乾いた抒情を発散していく。とはいえ、〈われわれすなわち/行ける行旅死亡人〉(16ページ)とはなんだかこの世代の生きにくさを象徴しているようにも思われる。〈――あなたは誰?〉この切実さがこの詩人の初発の根拠なのだろう。そう言えば『でらしね』という詩集があったな。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*「現代詩手帖」9月号、読みつぐ。松下育男「初心者のための詩の書き方」はそれ自体が詩であり、詩の形式をまとったプラグマティズムである。教えられることはあっても、詩を変革することはできない。→「読み書き日録」。

日録2017/9/6(水)

掲載日:2017年9月7日

*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第二研究 隠喩と語の意味論」の2節の途中~3節。多義性の重要性について。《隠喩が意味の革新でなくなり、慣用的隠喩に、つまり、きまり文句になったとき、隠喩は多義性に、いわば付け加わるのである。……はじめの多義性はラングに等しく、生きた隠喩はパロールに等しい……。慣用的隠喩は、パロールのラングへの還帰に等しく、あとの多義性はラングに等しい。》(85ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*関根清三さんより『ホモ・コントリビューエンス』収録用原稿「『貢献心』は本能か?――オペラに基づく批判的考察」の校正原稿もどる。~天野さんに渡し、ファイル修正を確認する必要あり。それから入校へ。→「twitter.com/miraishajp」。
*佐々木力さんよりtel。「季刊 未来」秋号の「ニーダム難題に挑む――中国論・論中国・On China 11」初校校正のし直し分を速達で送るとのこと。メールがまだ使えないとのこと。→「twitter.com/miraishajp」。
*深井智朗さんよりE-mailで「季刊 未来」秋号の原稿「一八一七年のナショナリズム 宗教改革三百周年――宗教改革から五百年3」とどく。テキスト処理+通読+ファイル修正して印刷。18行分パンク。~深井さんにtel。PDFでE-mail送信することに。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。~のち深井さんよりtelあり。あす午前中に校正を送る由。
*新井高子さんよりE-mail。初版部数など聞いてくる。~アタマトテにtel。カバー裏の定価表示の件、など。榎本了壱さんともいろいろ話。~新井さんにtel入れ。初版部数の予定、など。略歴に修士課程修了とすること、など。連絡は新井さんからアタマトテにしてもらう。~蛭田恵実さんからE-mailで修正分のカバー、オビ、編著者略歴のPDFとどく。~お礼の返信E-mail。つきものの仕様、表紙の指定を依頼。~蛭田さんより返信E-mailでカバー、オビ、表紙の仕様とどく。~萩原印刷・中山君に確認のtel入れ。表紙はもともとの指定紙の類似品(ほそおりL判)の230キロで確定。~蛭田さんからE-mailで仕様書をメール添付してくれたもの、届く。別丁扉も追加でとどく。
*「季刊 未来」秋号の郷原宏「岸辺のない海――石原吉郎ノート9 沈黙と失語」の初校、出校。確認してとくに問題なし。~控えゲラを送付。→「twitter.com/miraishajp」。
*小林康夫さんからきのう届いた「季刊 未来」秋号の原稿「オペラ戦後文化論II-7」の追加分を取り出し、テキスト処理して追加。40行ほど埋まる。挿入された部分以降を小林宅にFAXとE-mailで使える行数を連絡。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*朱坤容さんより返信E-mailで『ホモコントリビューエンス』収録依頼状への回答、PDFで届く。印刷して保管。
*「現代詩手帖」9月号、読みつぐ。久しぶりのねじめ正一の物語詩がなかなかおもしろかった。ドタバタ調は変わらずだが。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのアマゾンでポイエーシス叢書が2冊、など。ジュンク堂がパソコンからアクセスできず。iPhone7からアクセス。おととい、きのうでシュミット本が4冊、など。
*先日TRCから届いていた8月分売上げデータをダウンロード、「TRC201708実績.xls」として取り込む。~「新刊売上げ一覧.ods」最新版、作成&印刷。
*「季刊 未来」秋号の[出版文化再生30]は「ある編集者の一日」としてきょう一日の仕事内容を書いてみることにする。もちろん、この書くこと自体も自己言及的に触れることになる。きょうの夜のお仕事。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*「季刊 未来」秋号の「[出版文化再生30]ある編集者の一日」原稿、とりあえず完成。28字×87行。あすにも入校。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。

日録2017/9/5(火)

掲載日:2017年9月6日

*「現代詩手帖」9月号、読みはじめる。興味のある方は→「読み書き日録」。
*西山雄二さんよりE-mailでJ.-L. ナンシーと話をしてGalile+'eの訳者あとがき等の検閲問題について同意してもらい、交渉してもらっているとのお知らせ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*深井智朗さんより返信E-mailで「季刊 未来」秋号の原稿はできているが、すぐ送信できず。あす朝までにE-mailで送ってくれる由。~了解の返信E-mail。
*宇田智子さんよりE-mail。「「A book in the life of RYUKYU 私のおきなわの本」フェアご協力のお願いということで沖縄本の推薦と100字コメントの依頼。手放してもいい本があれば買取りもする由。
*新井高子さんよりE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』の修正にたいするさらなる追加修正の連絡。~また略歴の表記の件で「しつもん」。~蛭田恵実さんからE-mailで三校のPDF、カバー、オビ、表紙、とどく。
*関根清三氏より返信E-mailで『ホモ・コントリビューエンス』の校正をきのう返送した由。このシリーズでいろいろなひとを紹介したことが書かれている。
*きのう仮ゲラ作成&印刷した「季刊 未来」秋号の郷原宏「岸辺のない海――石原吉郎ノート9 沈黙と失語」の仮ゲラ再校を印刷して天野さんから入校へ。萩原印刷の中山君にはE-mailで原稿データ送付。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*「季刊 未来」秋号の佐々木力「ニーダム難題に挑む――中国論・論中国・On China 11」再校、出校。パンクしていたと思っていたのが勘違いで、むしろ19行ほど足りなかったことが判明。~佐々木さんにE-mailで初校の削除を復元したいと提案。~佐々木さんからtelあり。パソコンのメールアドレスを変えるので、空メールへの返信で初校のPDFを送ることに。その間に萩原印刷に連絡。初校データが残っていたとのことで、これであらためて再校を出してもらうことに。~佐々木さんからtel。新メールアドレスを教えてもらい、初校PDFを送付。~いかないようなので、旧アドレスに転送。今度はうまくいく。
*加藤尚武さんよりFAXで『ホモ・コントリビューエンス』の中国人執筆者2名(朱坤容、李萍)の連絡先判明のお知らせ。~「ホモ・コントリビューエンス論集収録依頼状.txt」に追加&印刷してPDFをE-mailでそれぞれに送付。~加藤さんにtel。中国人2名にE-mailを送った報告、幸津國生さんの原稿以外は入校できそうと伝える。ホモコントリビューエンス研究所の菊池さんとの進行状況の確認をしたこと、著作集の仮ゲラ校正の催促も。→「twitter.com/miraishajp」。
*小林康夫さんにtel。「季刊 未来」秋号の原稿「オペラ戦後文化論II-7」に加筆の件。やはり7ページにしてもらう。行数をあとで連絡することに。~仮ゲラ印刷して自宅へFAX。あと29字×70~72行不足。E-mailでも知らせる。~夜、関連する資料のなかに詩のメモがあったので挿入することになったとのことで、E-mailで追加原稿の一部とどく。あとどのくらい書けるかの問合せも。
*ACELINK Navi記帳くんで振替伝票の起票&印刷。通信費、前受金、水道光熱費、小口売掛金、ほか。出納帳(振替貯金)に記帳。みずほ当座8月分、照合スミ。
*1日~きのうのアマゾンでジャック・デリダ『信と知――たんなる理性の限界における「宗教」の二源泉』が今月3冊目売れ(累計97冊)などポイエーシス叢書が5冊、『中国山地 過疎50年』が1冊目(累計177冊)、「[新版]日本の民話」シリーズが3冊(累計651冊)、木村友祐『イサの氾濫』が1冊目(累計617冊)、ほかにポパー『開かれた社会とその敵』が6冊、[私の日本地図]シリーズが5冊、スタニスラフスキー『俳優の仕事』が1セット、ハーバーマス本が2冊、など。ジュンク堂がアクセスできず。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*柄谷行人『世界史の構造』(岩波現代文庫) の「第四部 現在と未来」の「第一章 世界資本主義の段階と反復」の3節~5節。この章も終り。《一九九〇年以後、ソ連圏の解体とともに生じた事態は、グローバリゼーションと呼ばれているが、実際は、ヘゲモニーをめぐる「帝国主義的」な競争という事態である。》(445ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/4(月)

掲載日:2017年9月5日

*きょうは出社せず。
*小林康夫さんよりE-mailで「季刊 未来」秋号の連載原稿「オペラ戦後文化論II-7」とどく。telもあり。~テキスト処理+通読。5ページ半弱しかないことがわかる。~返信E-mailで不足分を伝える。→「読み書き日録」「twitter.com/miraishajp」。~のち、E-mailで注の追加。さらに不足行数の確認。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第一研究 弁論術【レトリック】と詩学の間――アリストテレス」の5節のつづき~了。つづけて「第二研究 隠喩と語の意味論」の1節まで。→「読み書き日録」。
*ホモ・コントリビューエンス研究所の菊池さんからtel。『ホモ・コントリビューエンス』の進行状況をいちど見たいというので、事前に入校用仮ゲラを見てもらうよりゲラにしてからのほうがよくわかるということにして、出校次第、担当の村山さんにゲラ渡しということにする。~「『ホモ・コントリビューエンス』収録予定論文一覧.xls」を更新。菊池さんに最新状況のまとめをE-mailで送付。
*きのうE-mailで届いた「季刊 未来」秋号の郷原宏「岸辺のない海――石原吉郎ノート9 沈黙と失語」のテキスト処理+通読。ほぼ完璧なので、このまま入校することに。~郷原さんにお礼のE-mail。「走都」への励ましについても感謝。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*きのうのジュンク堂で「[新版]日本の民話」シリーズが3冊(累計1792冊)、ほかに『法の帝国』など。アマゾンはまたも不具合で開けず。
*新井高子さんからE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』の再校ゲラに赤字追加2件。
*深井智朗さんにE-mailで「季刊 未来」秋号の原稿の催促。
*Jacques Derrida: De la Grammatologie pp. 78-79. 第1部/第2章/Le dehors est× le dedans(estの上にバッテン)のつづき。ソシュールの音韻論主義(phonologisme)に依拠したヤコブソンとハレの音響的実質(substance sonore)における不変項(invariants)の存在という主張にたいするデリダの批判――実行不可能、権利上認めがたい。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*柄谷行人『世界史の構造』(岩波現代文庫) pp. 427-443, 536-537.「第四部 現在と未来」の「第一章 世界資本主義の段階と反復」の1節~2節。《それ〔国民国家〕は歴史的な構築物であり、且つ不安定なものである。とはいえ、それは容易に解体されるものではないこと、また、下手に解体されるならば宗教的あるいは血縁的共同体が出てくるだけだ、ということを心得ておく必要がある。》(442ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*『鮎川信夫全集IV 評論III』再読。《何よりも詩人自身が、良い詩を鑑賞する能力を持たなければ、つまらぬ詩が多くなるばかりである。/マス・コミュニケーションに便乗することを考えたり、「やさしい言葉で、迅速に」の宣伝詩や、素朴な感情を売物にする人生詩が氾濫している反面、およそ諒解不可能な実験詩や、未熟なモダニズムの詩も一向に跡を絶たないのは、やはりこの鑑賞力の低下に起因するものと考えなければならない。》(380ページ、「詩人への報告」より)おそろしいことにこの63年前の鮎川の指摘がいまそのまま通用してしまうのは驚きだ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。

日録2017/9/3(日)

掲載日:2017年9月4日

*テレビでドジャース対パドレス戦を観戦。ダルビッシュが先発するが、4回途中5失点でKO。11敗目。
*郷原宏さんよりE-mailで「季刊 未来」秋号の石原吉郎論9回目「岸辺のない海――石原吉郎ノート9 沈黙と失語」原稿とどく。「詩遊」の「走都」評に同感と。
*新井高子さんよりE-mailで『東北おんば訳 石川啄木のうた』のうしろのほうに啄木の略歴を入れたほうがいいのではないかとの提案。
*トリスタン・ツァラ『トリスタン・ツァラ詩集』読了。ツァラの作品のつづきと関連資料、訳者あとがき、などを読む。ツァラの言語破壊的な作品は、翻訳となると理解がより厳しい。ただ最近の日本の詩にも見られそうな詩でもあるような気がする。詩人としての再評価はむずかしいかも。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*加藤尚武著作集第4巻収録予定の『哲学原理の転換――白紙論から自然的アプリオリ論へ』の単行本最終データと入校用データのファイル比較を秀丸上でおこないながら通読つづける。「第7章 白紙論崩壊とアメリカに登場したヘーゲル主義」スミ。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*「詩的現代」第二次22号に目を通す。清水博司が詩誌評で第二次「走都」創刊号の詩「発熱装置」について言及してくれる。《長編詩とはいえないが、全体を通して凜とした姿勢で貫かれ統一性が保持されている。《箴言のような古今東西の人々の言葉がとりあげられ、そのとりあげた言葉に触発されるように、詩人のことばが発行し、詩的な緊張が生み出されていく。……実に優れて刺激的な思索の世界が展開される。》と。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*柄谷行人『世界史の構造』(岩波現代文庫) の「第三部 近代世界システム」の「第四章 アソシエーショニズム」の8節~9節。これで第四章、第三部も終り。《英米では、カントは主観的倫理学として斥けられ、彼が批判した功利主義が優勢になった。その場合、善は、経済的な効用=利益とほぼ同じことになる。いいかえれば、倫理学は経済学と同じことになる。ロールズはそのような文化的土壌に、カント的倫理学を導入したようにみえる。しかし、そうではない。ロールズは功利主義の基盤である資本主義経済を不問に付した上で、「善」を考え、分配による「平等」を考えた。そこでは、「自由の相互性」が考えられていない。ゆえに、それをカント的と呼ぶのは的外れである。》(426ページ)ロールズ的正義は「分配的正義」にすぎない。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*テレビで韓流ドラマ「オクニョ」第22回を見る。
*きのうのジュンク堂で『信濃の民話』『岩手の民話』が各1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1789冊)、ほかにスタニスラフスキー『俳優の仕事』など。アマゾンはまたも不具合で開けず。

日録2017/9/2(土)

掲載日:2017年9月3日

*柄谷行人『世界史の構造』(岩波現代文庫) の「第三部 近代世界システム」の「第四章 アソシエーショニズム」の3節の途中~7節。《民族の独立や前近代的な社会の改革を目指す者は、社会主義者しかいないのである。社会主義者は、したがって、絶対王権ないしブルジョア革命が果たしたことを果たさなければならない。/マルクスがいったように、これらは本来、社会主義者がやるべき仕事ではない。しかし、周辺部諸国では、社会主義者以外に、それを実行することができない。そして、社会主義者がそうするのは当然であり、むしろ称賛されるべきことである。ただ批判されるべきなのは、彼が実行したことを「社会主義」と呼んだことである。そのことによって、社会主義という理念が回復不可能なまでに傷つけられた。》(414-415ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第一研究 弁論術【レトリック】と詩学の間――アリストテレス」の3節~4節。《アリストテレスから見ると、隠喩において比較の辞項が不在であることは、クィンティリアヌス以来言われているように、隠喩が短縮した直喩である、ということを意味しない。むしろ逆に、直喩は発展した隠喩なのである。》(28ページ)《直喩は、その類似を特徴づける比較の用語によって、類似を明示する。隠喩の巧みな技法は、つねに類似を認知することにあるということ、それは直喩との比較によって確認される。隠喩において言表はされないが働いている関係を、直喩は言語化するのである。……『詩学』で述べられているように、詩人とは「類似に気づく」人である。》(32ページ)→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49
*きょう届いた「雨期」のなかに須永紀子さんから「走都」再刊号のお礼と感想。鮎川信夫論がシニカルな文体とはどういう意味かな。「詩的現代」第二次22号の詩誌評で清水博司というひとが好意的に「走都」について書いている。
*加藤尚武著作集第4巻収録予定の『哲学原理の転換――白紙論から自然的アプリオリ論へ』の単行本最終データと入校用データのファイル比較を秀丸上でおこないながら通読つづける。「第6章 ヘーゲル体系論の四つのモチーフ」の二節~四節。この章もスミ。《彼の言葉は、哲学体系について、ヘーゲルが何を望んだかを示しているが、彼がその体系の記述で達成したことを示してはいない。ヘーゲルは体系の夢想家であって、体系の可能性の思索者でも、体系を基礎づける者でもなかった。》→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*豊里友行さんよりE-mailで共同通信の「時代の目撃者」(5回連載)のインタビューを受けることになったとの連絡。

日録2017/9/1(金)

掲載日:2017年9月2日

*ポール・リクール『生きた隠喩』(岩波現代選書) の「第一研究 弁論術【レトリック】と詩学の間――アリストテレス」の2節のつづき~。《隠喩がある秩序をこわすのは、別の秩序を創りだすためであり、範疇誤り〔カテゴリー・ミステイク〕とは単に、発見の論理の裏返しにすぎない、と言ってはいけないだろうか。》(21ページ)《根源の隠喩的なものという観念は、本義と転義の、普通と風変りの、秩序と違反の、諸対立をこわしてしまう。この観念は、類と種とが発生してくる意味論的な場の隠喩的構成から秩序それ自体が生じてくる、という考え方を示唆している。》(23ページ)隠喩こそが新しい秩序を構成することを言わんとしている。《創造についての現代の理論がすべて確言するように、創造のための規則はないのであり、よい仮説をつくるための規則もなく、ただその仮説を有効ならしめる規則だけがあるのである。》(24ページ)ここにはアリストテレス『詩学』の、巧みな隠喩を創ること=巧みな類似を見つけ出すこと、それは天賦の才能であることが踏まえられている。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*野家啓一さんよりFAXで加藤尚武著作集内容見本推薦文の校正とどく。~受取りとお礼のE-mail。直しは天野さんへ。→「twitter.com/miraishajp」「Facebook」。
*『東北おんば訳 石川啄木のうた』再校のチェック。要望をきちんと処理してくれている。責了に。~アタマトテにtel。蛭田さんと話。帰りに校正を持参、ポスト投函していくと伝える。新井高子さんの校正を待って来週にはPDF受取りの予定。束見本が届いているのでカバーとオビも進めてくれることに。→「twitter.com/miraishajp」。~新井さんにtel。再校の校正中で、表記の統一や技術的な処理のことはこちらにまかせてもらい、主要な修正ポイントはコピーかなにかで事前に教えておいてもらうことに。
*加藤尚武著作集第4巻収録予定の『哲学原理の転換――白紙論から自然的アプリオリ論へ』の単行本最終データと入校用データのファイル比較を秀丸上でおこないながら通読つづける。「第5章 ヘーゲルとマルクス」の六節~八節。この章もスミ。つづけて「第6章 ヘーゲル体系論の四つのモチーフ」のはじめ~一節。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」「twitter.com/miraishajp」。
*「雛罌粟【コクリコ】」3号、4号、5号に目を通す。粟津則雄さんのエッセイのほか安住紀宏という若いひとのエッセイも読む。→「読み書き日録」「twitter.com/nstn49」。
*きのうのジュンク堂で『京都の民話』が1冊売れ(「[新版]日本の民話」シリーズ累計1787)。アマゾンで『中国山地 過疎50年』が今月5冊目(累計176冊)、『神奈川の民話』が1冊(「[新版]日本の民話」シリーズ累計648冊)、など。