エマソン詩選
ラルフ・ウォルドー・エマソン 著
小田敦子 武田雅子 野田明 藤田佳子 訳
シリーズ : 転換期を読む
〔転換期を読む26〕
19世紀アメリカを代表する思想家、哲学者、作家、詩人、エッセイストとして知られるエマソンは現代にまでつながるアメリカ思想の源流となり大きな影響を残したが、本質的には詩人であり、その根本思想は数多くの詩のなかに凝縮されている。本書はエマソンのそうした仕事に日本で初めて照明をあてる。
二つの川
第1章 身近な自然と言葉
マルハナバチ
ロードーラ(カナダシャクナゲ)
寓 話
先触れの走者
弁 明
ルビー
シジュウカラ
個と全体
「各々にとって自分のもの」
美への頌歌
愛にすべてを与えよ
日 々
第2章 同時代の場面
あなたの目はまだ輝いていた
讃 歌
問 題
哀悼歌
枯れ病
訪 問
世界霊魂
ハマトレイヤ
W・H・チャニングに贈る頌歌
ボストン讃歌
志願兵
第3章 風 景
吹 雪
森の音II
モナドノック
マスケタキート
独り森で
第4章 詩人の仮面
スフィンクス
ウリエル
ミトリダテス王
アストライア
ハーマイオニ
マーリンI
バッカス
サアディ
クセノファネス
ブラーマ
ネメシス
テルミヌス
第5章 四行詩と翻訳詩
雄弁家
詩 人
植物学者
アルクィンの言葉から
厄 年
「昨日、明日、今日」
ミケランジェロ・ブオナローティによるソネット
亡命者
コヒスタンのサイード・ニメトッラーの歌
エマソン概説(藤田佳子)
エマソンの詩(小田敦子)
エマソン年譜
【訳者略歴】
小田敦子(おだ・あつこ)
神戸市外国語大学英米学科卒業、奈良女子大学大学院文学研究科修士課程修了、関西学院大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学、三重大学教養教育機構教授。
主要業績:『スタインベック全集3 疑わしき戦い』(共訳、大阪教育図書、1997年)、『アメリカン・ルネサンスの現在形』(共著、松柏社、2007年)、『異相の時空間――アメリカ文学とユートピア』(共著、英宝社、2011年)
武田雅子(たけだ・まさこ)
京都大学大学院英語学英米文学専攻修士課程修了。大阪樟蔭女子大学名誉教授。
主要業績:『エミリの詩の家―アマストで暮らして』(単著、編集工房ノア、1996年)、『ソネット選集―サウジーからスィンバーンまで』(共著、英宝社、2004年)、In Search of Emily Dickinson―Journeys from Japan to Amherst(単著、Quale Press、2005年)
野田 明(のだ・あきら)
京都大学大学院英語学英米文学専攻修士課程修了。三重大学教養教育機構教授。
主要業績:「『手に触れる』――『バートルビー』の語りについて」(ALBION 第57号京大英文学会、2011年)、「『ベニート・セレーノ』の言葉遣いと語り―“Devices”in“Benito Cereno”―」(PHILOLOGIA 第45号三重大学英語研究会、2014年)
藤田佳子(ふじた・よしこ)
京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得満期退学。奈良女子大学名誉教授。
主要業績:『アメリカ・ルネッサンスの諸相―エマスンの自然観を中心に』(単著、あぽろん社、1998年)、『英語文学とフォークロア』(共著、南雲堂フェニックス、2008年)、『ソローとアメリカ精神―米文学の源流を求めて』(共著、金星堂、2012年)