中原中也
その重きメルヘン
予価:本体2,400円+税
ISBN:978-4-624-93454-5
発行日:2024年10月25日
判型:四六判/伊勢功治
ページ:198
Cコード:0392
倉橋健一 著
陶原葵 解説
シリーズ : 転換期を読む
1992年に刊行された幻の名著『抒情の深層――宮澤賢治と中原中也』(矢立出版)のうち中原中也の部分を独立させ、あらたに関連文献を追加し、陶原葵氏による解説をくわえて復刊する。第二次世界大戦末期、戦地に向かう学徒兵が最後の一日を中也の『山羊の歌』をむさぼり読むことに費やしたように、その抒情性が読み手の自由を誘い込む希有の詩人中也の詩の息吹を伝える会心の読解と論述。
暗くて大きな穴
『朝の歌』へ
身一點に感じられれば
昭和十年秋
その重きメルヘン
*
長男の運命
邪悪な中也
読み手の自由のなかの中也――「読んじゃったよ、中也!」考
卒寿に立って(あとがき)
[解説]極限に佇って湧きあがる言葉(陶原葵)
倉橋健一(くらはし・けんいち)
1934年、京都市生まれ。詩人、批評家。『山河』『白鯨』を経て、現在は『イリプス』同人。長年、大阪を中心に詩と評論活動を展開し、関西詩壇の重鎮。詩集に『化身』(地球賞)、『無限抱擁』(現代詩人賞)、『倉橋健一詩集』(現代詩文庫)など、評論集に『未了性としての人間』『詩が円熟するとき――詩的60年代環流』『歌について――啄木と茂吉をめぐるノート』『宮澤賢治――二度生まれの子』、『倉橋健一選集』全6巻(澪標)などがある。