エドガー・アラン・ポーの復讐
村山淳彦 著
アメリカで初めて、原稿料のみで生計を立てた作家エドガー・アラン・ポー。
売文で生計を立てるためには「売れる」文章をつくらなければならない。しかし「売れる」ために書く文章は自分が本当に書きたかったものなのだろうか……。
ポー作品を「読者目線から」批評し、ポーが書き散らかした売文家のジレンマと怨念を、「天邪鬼」「復讐」をキーワードに迫る。
まえがき――ポーと一人称
売文家の才気と慚愧
「アッシャー家」脱出から回帰へ
「群集の人」が犯す罪とは何か
黒猫と天邪鬼
「盗まれた手紙」の剰余
「メロンタ・タウタ」の政治思想
ポー最後の復讐
付論 ポーとドライサー
村山淳彦(むらやま・きよひこ)
1944年、北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。東洋大学文学部教授。東京都立大学名誉教授。
編著書=『セオドア・ドライサー論――アメリカと悲劇』(南雲堂、日米友好基金アメリカ研究図書賞)、『いま「ハック・フィン」をどう読むか』(共編著、京都修学社)、『文学・労働・アメリカ』(共編著、南雲堂フェニックス、科研費出版助成)
訳書=コンロイ『文無しラリー』(三友社)、レイモンド・タリス『アンチ・ソシュール――ポスト・ソシュール派文学理論批判』(未來社)、フランク・レントリッキア『ニュー・クリティシズム以後の批評理論』(共訳、未來社)、カレン・カプラン『移動の時代――旅からディアスポラへ』(未來社)、コーネル・ウェスト『哲学を回避するアメリカ知識人――プラグマティズムの系譜』(共訳、未來社)、キース・ニューリン編『セオドア・ドライサー事典』(雄松堂)、ドライサー『シスター・キャリー』(岩波文庫)、クーパー『開拓者たち』(岩波文庫)
ニュー・クリティシズム以後の批評理論(下)
フランク・レントリッキア 著 / 村山淳彦 福士久夫 訳
定価: 本体3,800円+税 ISBN: 978-4-624-93217-6 発行日: 1993年4月30日
ニュー・クリティシズム以後の批評理論(上)
フランク・レントリッキア 著 / 村山淳彦 福士久夫 訳
定価: 本体4,800円+税 ISBN: 978-4-624-93216-9 発行日: 1993年2月25日