注目の本

闘争の時代

闘争の時代


ドキュメント南アフリカ1992-1994 アパルトヘイトを終焉させた誇り高き民衆の記録

前田春人

いまなお根深く残る黒人差別。その最たるものとして悪名高い南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策があった。白人政権によるこの非人道的体制に終止符を打つべく立ち上がった南アフリカの民衆を激動の3年間(1992-1994年)に現地で写真に撮りつづけた貴重な記録。初の黒人大統領ネルソン・マンデラを全人種参加の総選挙で民主的に成立させ、アパルトヘイトを終焉に追い込んだ民衆の運動をリアルタイムで記録した、貴重な写真集。

自己責任という暴力

自己責任という暴力


コロナ禍にみる日本という国の怖さ

齋藤雅俊

長いことテレビ報道の第一線で社会問題に対面しつづけた著者は、現在のコロナウイルスに見舞われた日本人の心理的対応のなかに隠された怖さを見出す。パリ支局長時代に経験したイラク人質事件に見られた日本人の「自己責任」という名の官民あげての暴力的なバッシングは、世界の目からは異常な日本人の心性として目に余るものと見られた。海外でそうした批判や疑問を身近に目撃した著者は、「同調圧力」「自粛警察」などのいまにいたるも変わることのない日本人の精神的な抑圧構造を見抜いている。日本人とは何かを根底から問う警世・警告の書。【第2刷出来!】

[新訳]桜の園

[新訳]桜の園

アントン・チェーホフ 著 / 安達紀子

十九世紀後半のロシアが生んだ最大の劇作家チェーホフの最後の四幕戯曲(1904年)の最新訳。上演用台本として使えるべくせりふの自然な新しさが工夫されている。十九世紀末のロシア貴族社会の崩壊にともなう新時代の幕開けを告げる記念すべき大作が、現代の新型コロナウィルスに汚染された社会の強いられた変容のなかで、新たな希望への可能性として読み直される必然性が生じてきているのではないか。ロシア演劇専門の訳者による解説も併録。

好評既刊

遊撃とボーダー

遊撃とボーダー


沖縄・まつろわぬ群島の思想的地峡

仲里効

1972年の日本「復帰」以前の沖縄を出自として首都東京での1968年以降のニューレフトや在日沖縄人運動を独自の立場から闘い抜いた世代がその後の沖縄にもたらした思想とは何か。いま現在の沖縄のさまざまな思想的トポスを縦横に論じ、文学や映画にまで通達する思考のダイナミズムを展開する沖縄のアグレッシヴな論客が切り拓く沖縄の思考の現在。アジアともつながる地政的なポジションを駆使して、停滞するヤマトの思考の地平にゆさぶりをかける異貌の論理が挑みかかる。現代中国の思想史研究家・孫歌氏との往復書簡も収録。

デュラス×ミッテラン対談集 パリ6区デュパン街の郵便局

マルグリットデュラス フランソワミッテラン 著 / 坂本佳子

フランスの作家M・デュラスと第21代大統領F・ミッテランの対談集。対談は1985年から翌年にかけて行なわれ、フランスの社会、文化、自然、歴史、内政や外交等を広く対象としている。なかでも第二次世界大戦中のレジスタンス運動とナチス強制収容所被収容者の救出活動に費やされる一年ほどのあいだに起こった、数々の出来事の回想部分が圧巻である。作家デュラスの文学の背景にあるさまざまな事実がおのずとあぶり出され、作家研究としても重要であるとともに、大統領ミッテランの政治体験や政治思想の一面なども克明に知ることのできる、重要なドキュメント。