琉球共和国憲法の喚起力
仲宗根勇 仲里効 編
ことしは1972年に沖縄が「復帰」という名で日本に再併合されて50年目を迎える。「復帰」とは、沖縄の人々にとって何であり、どのような経験だったのか? 沖縄の転換期を決した「復帰」を問うことは、国家とは、国民とは、日本と沖縄の関係とは、そして沖縄の自立とは何かを考え直していくことでもある。「復帰」10年目の1981年、総合誌『新沖縄文学』48号の特集「琉球共和国へのかけ橋」の基調となった仲宗根勇氏による「琉球共和国憲法私(試)案」は、沖縄の自立の根拠と可能性を押し開くものとして大きな注目を集めた。併載された川満信一氏の「琉球共和社会憲法私(試)案」については、すでに沖縄内外の複数の論者による『琉球共和社会憲法の潜勢力』(2014年、小社刊)として世に問われましたが、長く刊行が待たれていた仲宗根憲法への探究がこのたび緊急出版として実現する運びとなった。「琉球共和国憲法私(試)案」への批評の窓が開かれて初めて、沖縄の戦後思想の到達点を見定めることが可能となるであろう。
立原道造
抒情の逆説
郷原宏 著
1980年に花神社より刊行された立原道造の評伝を42年ぶりに復刊する。永遠の青年詩人・立原道造は近代詩史のなかでも燦然と輝く抒情詩の名手としていまだに高い人気を誇っているが、その人気の秘密に迫る著者の筆致はみずからの若き時代の資質と重ね合わせてスリリングな解読をおこなっている。今回の[新版]にたいして新たな一章を書き下ろしで追加して、より現代的な立原道造理解への道を開いている。数多ある立原道造論の決定版。気鋭の詩人・研究者の細見和之氏の解説を付す。
レトリックの哲学
アイヴァー・A・リチャーズ 著 / 村山淳彦 訳
本書は一九三六年にブリン・モー・カレッジでおこなわれた連続講義の記録で同年、オックスフォード大学出版局から刊行された。主意(tenor)と媒体(vehicle)というキー概念を用いて、アリストテレスにはじまる伝統的修辞学(比喩論)の長い伝統とその衰退のあとを受けたかたちで、新しい修辞学を樹立した。フランスで構造主義の影響のもとにジェラール・ジュネットらによるヌーヴェル・レトリック(新修辞学)が新たに進展する以前に、英米系文学理論として本書を起点とする修辞学・隠喩研究が発展することになる、記念碑的名著の新訳。
電子書籍をさらに2点をアップしました。
(2021年10月07日掲載)
在庫僅少本フェア開催のお知らせ
(2020年11月26日掲載)
『自己責任という暴力――コロナ禍にみる日本という国の怖さ』が重版になりました
(2020年11月05日掲載)
小社の本がこのページから直接ご購入ができるようになりました
(2020年04月21日掲載)
加藤尚武著作集全15巻が完結しました!
(2020年03月13日掲載)