注目の本

加藤尚武著作集第12巻 哲学史

加藤尚武著作集第12巻 哲学史

加藤尚武

この巻にはヘーゲル関連以外の哲学および哲学史関係の主要な論著が集められる。『20世紀の思想』(1997年)、『進歩の思想・成熟の思想』(1993年)のほか、長短8篇の単行本未収録論文を収録する。「哲学史は阿呆の画廊である」というヘーゲルのことばに集約される哲学研究(史)が孕む諸問題を日本の哲学現場の実態もふくめて検証し、「哲学史は哲学ではない」と著者は論断する。また独自のデカルト解釈をふまえて丸山眞男の近代主義にたいするよく知られた苛烈な批判も本巻の白眉となっている。

まど・みちおという詩人の正体

まど・みちおという詩人の正体

大橋政人

童謡「ぞうさん」などでよく知られた詩人まど・みちお(1909-2014)と生前交流もあった現代詩人の著者が、まど・みちおを童謡詩人としてばかりでなく、現代詩のなかの異色の詩人としてその神秘主義的側面に光をあてた評論をまとめた第一部「まどさんの形而上詩を読んでみる」と、月刊「未来」に一年にわたって連載した詩的エッセイ「アンイマジナブル」をあわせた洒脱なエッセイ集。

東大闘争総括

東大闘争総括


戦後責任・ヴェーバー研究・現場実践

折原浩

世界的なヴェーバー学者でもある著者は一九六七年以降の東大闘争時代の造反教官としてもつとに著名であり、これまでもおりにふれて関連論著を発表されてきていますが、東大闘争の象徴的事件でもあった安田講堂攻防戦五〇周年を来年二〇一九年一月に迎えるにあたり、その後の社会のさまざまな問題がこの東大闘争で提起された諸問題が未解決のまま、あるいはいっそうの悪化をみる現状を憂慮されて、一気に書き下ろされた渾身の闘争総括書が本書である。ヴェーバー学者として東大闘争に立ち向かった著者が、大学内外のさまざまな矛盾や策動を綿密な資料調査と徹底した観察によって現場実践的に事実解明した驚くべき実態がついに明らかにされる。問題にかかわりのあるひとたちへの問題提起であるとともに鋭い挑発の書!

好評既刊

独露比較農民史論の射程

独露比較農民史論の射程


メーザーとハックストハウゼン

肥前榮一

『ドイツとロシア――比較社会経済史の一領域』で1986年の日経経済図書文化賞を受賞した著者のその後の研究『比較史のなかのドイツ農村社会――「ドイツとロシア」再考』をさらに発展させ、著者の理論の根幹をなすハックストハウゼンの貴重な論説の翻訳をふくむ、コンパクトながらも著者独自のドイツ・ロシア研究の最終到達点を明らかにする。大塚久雄、小林昇といった先達への批判的検証もくわえ、論争的視点も同時に提示する渾身の一冊。

加藤尚武著作集第2巻 ヘーゲルの思考法

加藤尚武

この巻は本著作集3冊目のヘーゲル論集になる。1992年に小社から刊行され、翌年の和辻哲郎文化賞学術部門を受賞した『哲学の使命――ヘーゲル哲学の精神と世界』(内2章は3巻に収録予定)を中心に、「純粋存在とエーテル」をはじめとする一九八〇年代後半以降に書かれた単行本未収録の専門的論文7篇を収録する。晦渋で複雑ななヘーゲル論理学と真正面から取り組んだ著者のヘーゲル学の真骨頂。