HOME >> 沖縄から見た平和憲法
沖縄から見た平和憲法
万人(うまんちゅ)が主役
定価:本体1,700円+税
ISBN:978-4-624-30094-4
ISBN[10桁]:4-624-30094-7
発行日:1997年8月15日
判型:四六
ページ:224
Cコード:C0032
高良鉄美 著
日本国憲法の平和主義・国民主権の原理は、復帰後の沖縄にも適用されたのか? 住民の平和的生存権という視点から、沖縄米軍基地問題を考える。
はじめに──日本国憲法との出会い
1 万人(うまんちゅ)が主役
「万人(うまんちゅ)が主役)」の日本国憲法/誰が造った米軍基地/国民の犠牲・地上戦・原爆・敗戦の鳥瞰図/戦争終結の一回目のチャンス/上陸──悲惨をきわめた南部戦線/二度目のチャンス/三度目のチャンス/廃藩置県と琉球処分/外交の「お供物」にされた沖縄/奄美・沖縄の日本からの分離/変わらない「ひた隠し」体質/憲法制定と沖縄/軍事構造のない憲法/「日本国民の名誉」とは何か/沖縄の中の基地・基地の中の沖縄/軍隊の犯罪的本質/爆音で授業が一年間中断!?/米軍基地の財源が日本の税金という事実/民主主義を裏切る特措法「改正」/私が帽子をかぶる理由
2 沖縄からの憲法メッセージ
50年目の「慰霊の日」/米軍統治下の基本的人権の侵害/平和主義・平和的生存権/米軍の土地強制接収──絶望のどん底へ/財産権の保障と土地闘争/国民主権(主権在民)の原理/復帰後の沖縄における基本的人権/憲法九五条と住民投票/平和主義──戦争の放棄/知事の代理署名拒否/地方自治のあるべき姿を問う裁判/「超消極的」な最高裁/県民投票と「地方の時代」/沖縄的憲法解釈論
3 沖縄から日本が見える──日本国民の憲法意識を問う
地位協定と沖縄の米軍基地
米軍基地は治外法権か/責任追及の難しさ/占領米軍の駐留継続を図った安保条約/日米合同委員会の議論が未公開/米軍の軍事的判断で決まる基地の区域
代理署名訴訟判決──平和憲法はどこへ
歴史の審判に耐え得ない/平和的生存権がない!?/財産権は?/「公益」判断を回避した裁判所/平和メッセージの発信地、沖縄
平和的生存権──恐怖と欠乏から免れる権利
実質的原告は沖縄県民/公平欠く裁判指揮/憲法前文の見事な叙述/平和的生存権が具体的に侵害されている/米軍の「戦争行為」は恐怖そのもの/軍隊が犯罪を生む構造/復帰後、国民主権の内実に幻滅/日本は「やる気のない国民主権」/あえて裁判官を忌避しなかったのは
憲法で特措法を斬る!
違憲だらけの駐留軍用地特措法/平和主義と根本的に矛盾/平和的生存権を蔑ろにする国側主張/土地所有者だけの問題ではない/財産権の侵害/適正手続違反/憲法からの疎外/地方自治の本旨とは/地方自治特別法(憲法九五条)の問題
4「国民主権」のレッスン──県民投票で沖縄の声は届いたか
憲法と住民投票/地方自治の本旨/民主主義の学校/住民投票の種類/なぜいま、住民投票か?/沖縄県民投票/九・八住民投票を振り返って/県民投票と「沖縄のこころ」/日本国憲法と復帰と夢と
5 若者と平和憲法──琉大生への憲法意識アンケート
平和憲法に対する関心度/自衛隊の役割と憲法/PKOと自衛隊/憲法と自衛隊/安全保障と憲法
あとがきにかえて──21世紀と日本と沖縄と若者と