悲しき亜言語帯
沖縄・交差する植民地主義
仲里効 著
PR誌「未来」誌上にて全十七回にわたり連載された〈沖縄と文学批評〉を単行本化。詩、小説、劇とジャンルごとにまとめ、また第四部には新たな論考二本を追加して再構成した。沖縄が被る言語植民地状態をあぶり出す好著。
Ⅰ 詩のゾーン
一 耳と郷愁――山之口貘のアポリア
二 川満信一論
三 中里友豪論
四 高良勉論
Ⅱ 小説のゾーン
一 いとしのトットロー――目取真俊とマイナー文学
二 占領と性と言語のポリフォニー――東峰夫「オキナワの少年」
三 夢みるパナリ、パナスの旅――崎山多美のイナグ
Ⅲ 劇とコラムのゾーン
一 入れ子ダイグロシアとまなざしの壁――知念正真「人類館」
二 されどオキナワン・トゥンタチヰー――儀間進と見果てぬ夢
Ⅳ 植民地のメランコリー――沖縄戦後世代の原風景
一 桃太郎と鬼子
二 翻訳的身体と境界の憂鬱
仲里効(なかざと・いさお) 47年生。著書に『オキナワ・イメージの縁(エッジ)』『ラウンド・ボーダー』『フォトネシア』ほか。編著に『沖縄/暴力論』。