『東北大震災の後、東北地方には支援が集まった。(略)東北の人たちは感謝した。災害は人をいやでも弱者にする。(略)しかし、この構図にどこか違和感が混じる。(略)そのあたりの東北人の微妙な思いを正確に書いた小説である。』(池澤夏樹氏・「週刊文春」4月21日号)
『(収録2作品の)対照的な主人公たちを追いかけ、本をとじる。つめた息を放つと、三面鏡のまんなかに立たされている。目、そらすな。耳、ふさぐな。腹の底から、戦のさなかのように、怒号が響いてくる。』(石田千氏・「すばる」5月号)
『震災直後の割り切れない感情を『イサの氾濫』ほど刺激する作品はなかった。』(斎藤美奈子氏・朝日新聞4月3日)
『木村氏が『イサの氾濫』で古代蝦夷に目を向けたのには、彼の東北に対する強い思いがある。だからこの小説は千年以上の時空を一足飛びに超えて古代を今に引き出し、震災後の東北人と重ねた。』(木村彦三郎氏・デーリー東北3月24日)
『「叫(さが)べ」という言葉は主人公の怒りの発露であるとともに、物申せぬ東北人の思いが凝縮しているようにも感じられる。』(岩手日報3月13日)
『濁音の多い八戸弁を駆使しての独特のリズムを伴う語り口が、胸にささる。』(南陀楼綾繁氏・しんぶん赤旗3月13日)
*今後も新聞ブロック紙に時事通信配信記事、共同通信配信記事が掲載予定です*
この機会にぜひお読みください。
『イサの氾濫』
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