この九月二十一日(土)から十月二十日(日)まで一か月にわたって東京都世田谷区南烏山にある世田谷文学館で「小説と映画の世紀展――追悼・菅野昭正名誉館長」が開催されます。タイトルにも現われていますように、この展覧会は、二〇〇七年から十四年間にわたって館長をつとめられていた菅野昭正氏の最後の著書『小説と映画の世紀』(二〇二一年、小社刊)をもとに展示と映画上映、トークイベントなどをふくめた大きな企画展です。二十世紀の代表的な小説と映画を十二本組み合わせて論じたこの本は九十歳前後の先生が渾身の筆力をもって残された二十世紀の遺言書のかたちをとって遺された書物です。すでに高い評価を得ている本ですが、今回はミュージアムショップでこの本も販売されます。同時に、菅野先生が生前最後に書かれたと思われる連載「現代見聞録」の五回目「医療の現在をめぐって(遺稿)」も、亡くなられた当時、掲載をみあわせておりましたが、これを機に『季刊 未来』秋号巻頭に掲載させてもらうことになりました。絶筆と呼んでしかるべきものですが、先生の現代への警告的メッセージでもあります。ご来場の方には自由にお持ち帰りいただくことになっています。
なお、この本でとりあげられた十二本の映画のうち「第三の男」をはじめ「ベニスに死す」「時計じかけのオレンジ」の上映もあり、平野啓一郎氏、島田雅彦氏の上映トーク、野崎歓氏と塚本昌則氏の対談など盛りだくさんの予定が組まれております。先日、文学館の担当の方ともお会いしましたが、なみなみならぬ意欲と知識に感心させられました。くわしくは文学館HPをご覧ください。この企画展が大成功にいたるよう全力で応援させていただきます。
宮本常一「忘れられた日本人」がNHK「100分de名著」で《宮本常一"忘れられた日本人" もうひとつの民俗学》として6月3日より4回にわたって放映されます。
小社では在庫僅少になっていた『宮本常一著作集10 忘れられた日本人』がこのたび第11刷の重版となりました。著作集のなかでも人気のある巻で宮本常一の代表作のひとつとされております。読者のみなさまにおかれましては、これを機に読書アイテムのひとつに加えていただけるようお奨めします。
また書店様におかれましても店頭販売のチャンスとしてこの機会に品揃えされることをお奨めします。
1971年刊 B6判並製箱入り304ページ、定価は本体3800円(税込み4180円)となります。
また旧定価本(3200円+税)に若干数の残りがあります。こちらは直接購入のみでのお取り扱いとなりますが、部数に限りがありますので、品切れになりますことをあらかじめご了承ください。
『言語隠喩論』にはじまる言語の隠喩的創造性にかんする野沢啓氏の理論的探究がこのほど『詩的原理の再構築――萩原朔太郎と吉本隆明を超えて』をもって三部作として完結しました。『季刊 未来』夏号ではさっそくこの本をめぐる詩的言語の問題を考えるべく書評特集を予定しています。ご期待ください。
この4月1日に刊行予定の野沢啓『詩的原理の再構築――萩原朔太郎と吉本隆明を超えて』にあわせて『言語隠喩論』『ことばという戦慄――言語隠喩論の詩的フィールドワーク』の言語隠喩論三部作(税込み各3080円)を送料込み8000円でお申し込みを受け付けます。またこの三冊にあわせて野沢啓『[新版]方法としての戦後詩』(税込み2640円)を追加される場合は送料込み10000円で受け付けもできます。いずれも前払い、『詩的原理の再構築』刊行と同時に直接お送りすることになります。ご住所、ご氏名、お電話番号、書名(言語隠喩論三部作セット、または言語隠喩論三部作追加セット)を明記のうえ、下記の口座にお振込みください。入金確認できしだい、ただちに発送いたします。なお期間は3月3日~5月7日とさせていただきます。
・みずほ銀行本郷支店 当座0108172 未來社名義
または
・郵便振替 00170-3-87385(確認のため2日かかります)
2022年末で終了した「西谷社長日録」を3月1日から復活させることにし、さっそくきょうの分を作成し、アップしました。これは未來社として公表できるものに限定し、個人の分は従来通り「思考のポイエーシス・日録篇」ブログおよびX(旧Twitter)で発信する予定です。
小社の出版物は注文制のため、現在の書店流通におきましても十分な店頭在庫を確保するにいたっておらず、読者の皆様にたいへん不便をおかけしてきております。
本ホームページでの皆様のご注文は多少とも有利な条件にてお取扱いできますのでご利用ください。
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■税込み5000円以上は送料無料です。書籍代金(本体+消費税)だけをお支払いください。なお、5000円未満の場合は送料一律380円になります。書籍代金(本体+消費税)とあわせてお支払いください。
■ご注文は以下の項目にご入力のうえ、この部分をメール「<a href="mailto:info@miraisha.co.jp">info@miraisha.co.jp</a>」に貼付して送信してください。
・お名前:
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・ご注文書籍名:
■決済方法
前払いでの決済のみになります。(ご入金確認後の出荷になります)※代引き扱いはとりやめになりました。
・みずほ銀行本郷支店 当座0108172 未來社名義
または
・郵便振替 00170-3-87385(確認のため2日かかります)
(ご住所、お名前と書籍名を必ずお書きください)
*なお、夜間および土日祝日の場合は翌営業日の対応となりますので、あらかじめご了承ください。
一昨年11月に小社より刊行された仲里効著『沖縄戦後世代の精神史』が第44回沖縄タイムス出版文化賞正賞を受賞しました。2007年に『オキナワ、イメージの縁(エッジ)』で同賞を受賞して以来、著者として二度目の受賞ということになりますが、これはきわめて異例のことだそうです。2月7日に授賞式がパシフィックホテル沖縄でおこなわれる予定で、小社も出版社として表彰されるそうです。仲里さん、おめでとうございます。
野沢啓著『ことばという戦慄――言語隠喩論の詩的フィールドワーク』が刊行されました。本書は2年前に刊行されました『言語隠喩論』の言語についての原理論的考察を踏まえ、近現代詩という豊穣な言語世界を広く深く渉猟した『言語隠喩論』の応用篇ともいうべき著作です。現在、『季刊 未来』誌で連載中の「詩的原理論の再構築――萩原朔太郎と吉本隆明の所論を超えて」とあわせて言語隠喩論三部作となる予定のものです。前著とあわせてお読みいただければさいわいです。
1985年に花神社より刊行された戦後詩論の37年ぶりの復刊。戦後40年が経過しこれまでの戦後詩の運動がそろそろ総括の時期に入った時点で書かれた本格的な詩史論。吉本隆明の『戦後詩史論』の否定的な総括を転倒させ、戦後詩以後のあらたな詩の可能性をも思想的表現論的に探究した著者の最初の長篇評論。最近の『言語隠喩論』にもつながり、現代詩の原点への確認と再考をうながす戦後詩の綿密なフィールドワーク。大岡信氏推薦の力作評論。石垣島の詩人・批評家の八重洋一郎氏の懇切丁寧な解説を付す。